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深夜のマニラで大ピンチ?!手持ちペソが紙切れだった話

こんにちは!NORIKO@どっぷりマレーシアです。

日本では新紙幣が導入されましたね!このニュースで思い出した、苦い思い出について書いてみたいと思います。今回の話の舞台はフィリピンです。


フィリピン航空マニラ経由便での一時帰国

コロナの規制緩和が進み、人の移動もだいぶ多くなってきた2023年の夏、パソコンの前で頭を抱える私。日本へ一時帰国しようとネットで航空券を探していたのだが、燃料高騰によりいつもの直行便が高すぎるのだ!!
色々悩むうち、ふと思った。子供ももう大きいし、経由便でもいけるんじゃないか?そして「cheapest flight from KL to Tokyo」で検索してみたら、一番安い金額で出てきたのが、フィリピン航空マニラ経由便だった。

この時、いつもの日系航空会社の直行便では子供二人と私で往復30万円ほどしたのだが、このフィリピン航空マニラ経由便だと往復15万円ほど!但し安いにはそれなりの理由があって、乗り継ぎにはかなり不便なスケジュール。夜中22:00時頃マニラに到着して、翌日の午前7:30マニラ発。約9時間半マニラ空港に滞在する必要がある。

世界一治安の悪い空港」と呼ばれているマニラ空港に、夜中子供2人と過ごせるはずがなく、空港の近くのホテルを取る必要がある。けれど航空券が半額になるなら、マニラのホテルを一泊分取っても大した出費ではない。初めてのフィリピン航空で少し不安もあったが、一度駐在員の時に、マニラへ出張に行ったこともあったし、私にとっては初めて行く場所ではない。子供に新しい国を見せるのも良い経験かと思い、往復で同じ経路のチケットを3人分購入した。

フィリピン航空の機体

事前準備は万全!

マニラ空港に夜中に着くということもあり、渡航前の準備は万全にしていった。
マニラの空港に着いてから車で15分ほどのホテルまでの移動は、マレーシアでもおなじみの配車アプリGrab(グラブ)を使うか、メータータクシーを使うかとしよう。
万が一マニラ空港でwifiが使えなかった時の為に、フィリピンで使えるデータローミングも購入。
Grabが使えなかった時のために、キャッシュも準備。出張した時に使い残した現金(フィリピンペソ)が日本円にして5000円分ほどあったのだ。ホテルまでのタクシー代としては十分すぎる金額だと思い財布に入れた。

いざ、出発!

KLを出発し4時間後、マニラ空港に到着。23時過ぎにタクシー乗り場に出てきた。
案の定、スムーズにはいかない。ネットは大丈夫なのにGrabはなぜか予約の途中でエラーになり進まないのだ。
そうなったらプランBだ!と、メータータクシーのカウンターに行く。 カウンターのスタッフに聞くと、支払いは到着地で現金払いのみとのこと。行き先を伝え大体の金額を聞いたが、持ってきていたペソで十分間に合う金額だった。よし、大丈夫。と思いタクシーに乗り込む。

乗り込んだマニラのタクシー

ホテル到着時に起きた事件

15分ほどして無事にホテルにたどり着く。そして言われた金額をドライバーに渡したところ、意外な返事が返ってきた。

「このお札は、もう使われていないよ」

えっ・・・・!!
頭の中が真っ白になる。嘘でしょ…?!
スマホで調べてみると、2015年に新札に変更されていて、2016年末で旧紙幣は使用不可になっていた。私が長年自宅で保管していたペソは、今やただの紙切れ。完全に盲点だった。まさか、この十数年の間に新紙幣に変わっているなんて!!

ひとまずタクシードライバーには、「ホテルに聞いてくる」と言って外で待ってもらった。場所は夜中のマニラである。娘たち2人をとにかく安全な場所に、と思い、ホテルのロビーに座らせ、待たせておく。

その時の私の財布には、ただの紙切れと化した旧札ペソと、1万円札が数枚(それ以外の日本円の小銭は無し)、そしてリンギット札が少し。

まずはホテルのカウンターで1万円札をペソに両替できないか聞く。すると、時間が遅いためホテルでは両替できないが、隣のカジノでできるかもとのこと。娘たち2人をホテルに置き、1人で夜中のカジノへ行くことはどうしても避けたかった。

もう一度外で待つタクシードライバーのところへ行き、事情を説明する。すると、ドライバー は「じゃぁその1万円札をよこせ」と言い出した。 タクシー代は日本円で800円ほどである。スマホで1万円の価値を説明し、これは金額が違いすぎるからどうしてもあげられないと説明する。

どうやって解決したか


じゃあどうしよう。明日また空港に行くから、その時に空港で両替して支払うから明日も来てくれない?と聞くと、今日はこのまま自分の故郷に帰るのだという。とにかく早く帰りたいという感じで向こうもイライラしていた。いっそのこと1万円札をあげてしまおうかと思ったのだが、焦りの中、財布の中を覗き込む。目に入る50リンギット札…わずかな望みをかけ「これだと支払金額の倍ぐらいの価値があるんだけど、これで OK にしてくれない?」と聞くと、おそらく生まれて初めて見たであろう50リンギット札の裏表を物珍しそうに見つめ「.…OK」 と言ってくれたのである!!!

今思い起こしてもこのドライバーさんには本当に感謝しかない。とっくの昔に使われなくなった旧札のペソを出してきて、東南アジア訛りの英語を喋る、怪しさしかない日本人が出してきた、どこの国のお金かもわからないお札をよく受け取ったなと。
もしかしたらその50リンギット札だって旧札かもしれないのに(もちろん、使える50リンギット札をお渡ししました)。私は涙ながらに、「センキュー!!!」と言ってフィリピン人の見知らぬおじさんと硬い握手を交わしたのだった。

さらなる懸念が…

ほっとしてロビーに待たせていた娘たちのところに行く。娘たちは私とドライバーのやり取りの一部始終を遠くから見届けていたのであるが、私がドライバーに刺されるんじゃないかと思い、気が気じゃなかったそう。私がマニラは危ないから離れないようにと散々娘たちに話していたため、やばいことになったと思ったのであろう…楽しい一時帰国の旅なのに、余計な心配をかけてしまい申し訳なかったなと思った。

そしてチェックインを無事済まし、ホテルの部屋に向かうエレベーターの中でいつも冷静な長女が一言。「さっき空港でGrab使えなかったけど、明日朝空港行く時はどうするの?」
うわぁ~、そうだった!!明日のことまで全然考えていなかった!もし明日もGrabが使えなかった場合、早朝だし空港で両替ができない可能性も高い。また50リンギットで乗り切るのか?!どうするんだ〜!!?と思ったら、全く眠れなかった(もともと3時間ほどしか寝られないスケジュールだったが)。 その心配事より何より、そこのホテル、四つ星ホテルだったが小さなゴキブリが4、5匹居て、とても眠れるような状況ではなかった。

ほぼ一睡もせずに迎えた翌日。ホテルからGrabをつないだら、なんとあっさり使うことができた。 その後はイミグレ通過後、ゲート案内の掲示板が無く、自分からスタッフに聞かないとゲートがわからないというまさかの展開があったが、それ以外は大きなトラブルもなく、無事に日本に帰ってくることができた。ドアツードアで約30時間の旅。実家についた時の達成感といったら…!!

マニラ→成田便のゲート、ゲートの位置を表す掲示板は無かった

帰りも同じルートだよ


楽しい日本での滞在を終え、またあの30時間の道のりを帰るのかと思うと、憂鬱でしかなかった。
あのゴキブリだらけのホテルだけは絶対に泊まりたくないと思い、帰りのホテルはヒルトンにグレードアップ。かなりの予算オーバーだったが、 もちろんヒルトンは最高で、マニラでの一番の思い出となった。

結論としては・・・


このフィリピン航空マニラ経由便での帰国は、もう一度やりたいかといえば、子供たちと一緒であればやらない。イミグレ、チェックイン、全てにおいてのんびりで、かなり並ばされるし、フライト時間の変更も多く、急いでる人には向かない。中型機で揺れも結構ひどく、預けたスーツケースはかなり汚れと傷がついて戻ってきた。旅慣れたバックパッカーにはお勧めしたいが、レベルはかなり高め!
…ただ、フィリピン航空の機内食だけは超絶美味しかった!!

フィリピンへお出かけの際は、新紙幣のペソを持ってお出かけくださいね。もう旧紙幣を持っている方は居ないと思いますが…

ちなみに、日本円に関しては、日銀のホームページにある通り、発行されなくなった旧紙幣も、銀行に持っていけば現在発行中の紙幣と替えてもらうことができ、ペソのように紙切れになるという心配はなさそうですね。


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