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ビジネススクールでの1学期を終えて

2022年9月にHult International Business Schoolロンドン校に入学して、1学期目を終えました!今回は、ここまで実際にHultで学んだ感想をシェアしたいと思います。
 まず私のこれまでのキャリア(2020年10月から2022年8月まで)を大まかに書くと、早稲田大学国際教養学部在学中に新卒枠で東京の国内総合コンサルティング→福岡県の社会福祉法人で新規事業開発→福岡を拠点にフィンランド発ベンチャーでカスタマーサポート(同時期にプロセス改善コンサルをフリーランスで開始)→大学卒業→東京に戻ってインド発の多国籍企業でBPOプロジェクト、という大変わかりづらいラインアップとなっています。

 現在24歳で、いつも変わらず芯にあるのは、日本で多様性を牽引するリーダーになる!という目標です。

今回は、以下の内容についてお話しします。

Hult International Business School について

Hult International Business Schoolロンドン校は、ロンドンのZone1の中心地に位置する、経営学・ビジネスを学ぶ大学院です。私自身、早稲田大学国際教養学部在学時に大変お世話になったインターン先の上司がHultのExecutive MBA出身だったこともあり、Hultの多様性を重んじるリーダーシップ教育プログラムに惹かれて出願を決意しました。

今学期の授業の内容

 私が思うHultの特徴を挙げるとすると、「多様性を祝福する文化」、そして「多様性を牽引するリーダー育成」かと思います。

 まず、今学期に受講した6つの授業の内容をまとめてみました。
 どれもビジネスの第一線で活躍する教授たちによって構成された、質の高いコースだったと感じています。マイクロソフトの元製品開発責任者の方や、GAFAでのリーダーシップトレーニングの責任者を務めた方など、豪華教授陣から実用的なビジネススキルを学ぶというのは、本当に刺激的な経験でした!

1、Program Immersion
 このコースでは、大学院のオリエンテーションを兼ねて必須ビジネススキルや卒業後のキャリアについてレクチャーを受けました。自分自身の「強み」や「弱み」を振り返り、将来のキャリアへの準備講座も含んでいます。

2、Communication & Collaboration I
 このコースでは、Growth Mindset(グロース=マインドセット)やEmotional Intelligence(エモーショナル=インテリジェンス)など、今日のビジネスで最も必要とされる対人関係の能力とスキルの開発を行いました。

3、Business Insights through Data
 このコースでは、データを活用して定量的・定性的な分析を行い、ビジネスやクライアントに対して業界や市場の動向に関する具体的な提案を行うためのスキルを習得しました。

4、Design Thinking for Innovation
 このコースでは、Learning by Doingのアプローチで、21世紀のビジネス課題に対処するための総合的なデザイン思考手法の適用を学びました。ビジネスにおけるステークホルダーは誰か、彼らにとって何が最も重要かを深く理解し、価値を創造するソリューションを開発・「売り込む」スキルを習得しました。

5、Analyzing Business Processes
 このコースでは、製品およびサービス組織におけるビジネスプロセスの設計、評価、および改善について学びました。実際にクライアントに対して改善提案を行うレポートを作成しました。

6、Business Challenge #1
 今学期のコース学習とスキルを統合した、実践的な期末チーム課題です。今回の課題では、シミュレーションを通して自転車業界の新しいセグメントに参入する新会社を立ち上げました。シードキャピタル(投資資金)で、生産施設の建設、小売店の開設、ウェブ販売センターの開設、ブランドのデザインなどを行いました。

「多様性を祝福する文化」について。

 次に、私が入学を決意した要素の一つでもある、Hultの多様性についての感想です。全体的に、非常に多様性を尊重していてサポートの手厚い学校だと感じています。多様性を数字で見てみると、今年のロンドン校では世界中の56カ国から生徒が集まっています。性別比は48%が女性、52%が男性です。ちなみに修士コース(Master in International Business)のみの平均年齢は24歳となっています。それに加え、学部時代に勉強していた分野や新卒で入った業界を聞いても、本当に様々です。新たな人と知り合う会う度、ワクワクの連続です!

 そして私が何よりも感激したのは、学校側(教職員・スタッフ)と生徒の距離の近さです。これはなぜかというと、多様な文化が共存する環境において人間のストレスはつきもので、それを手厚くサポートしてくれる環境が非常にありがたいと感じているからです。サポートは学業についての相談窓口にとどまらず、キャリアやメンタルヘルスについてプロの相談員と1対1で話す機会が月に1回以上あります。本当に親身になって相談に乗って頂いたおかげで、新たな環境での自分のアイデンティティを見つめ直したりと、様々なチャレンジをなんとか乗り越えることができました。

 このように、教職員・スタッフの皆さんが多様性を確保しつつ安心できる学び場を作ってくれているので、それが学校全体の文化として深く根付いていると強く感じています。

「多様性を牽引するリーダー育成」について

 最後に、私がHultを選んだ一番の理由である「多様性を牽引するリーダー育成」についてです。
 今学期のHultのリーダーシップの授業では、多様性を重んじる効果的なチームの作り方を学びました。1学期を通して改めて感じたのは、多様な背景を持つ人間が集まって一緒に働くということは、やはり簡単ではないということです。Hultでは、このような多様な背景を持つチームでの挑戦を意図的に作り出すプログラム設計になっています。皆それぞれ自分自身の「当たり前」がある中で、協力して一つの成果物を作らなければならないのです。  
 誰か一人の意見を通すのではなく、チームメンバーの意見の「違い」を最大限に活かして、全員の力を成果物に反映させることが求められます。

 ただ、多様なチームが期限が決まっている中で最大限の結果を出すというのには、たくさんの意見の対立を要しました。日本で暮らしていると、対立は避けられてしまいがちですよね。しかし、今回Hultで多様なチーム間での対立を経て、相手の主張を知ることができ、相手を理解するための第一歩を踏み出す良い経験になりました!

 Hultの授業でチーム内の意見の対立があるときに一番重要だと教えられたのが、チームメンバーそれぞれのエモーショナル=インテリジェンス(以下、EI)です。Indeed キャリアガイド編集部によると、EIは「心の知能指数」とも呼ばれており、定義は以下の通りです。

自分の感情を認識してコントロールしたり、周りの人たちへの敬意を示しながら、自分の感情を分かりやすく伝えたりする能力

Indeed. 『エモーショナルインテリジェンス(心の知能指数)を高める方法9選』

 私たちは職場やプライベートで、気付かぬうちにこのEIを使って暮らしています。他人と関わるときはいつでも使っています。簡単にいうと、EIというスキルを磨けば磨くほど、他者と協力して成果を出せるようになると言われています。

 Hultでのリーダーシップの授業を通して、自分の強みは「チーム全体のEIの底上げ力」なのでは?と気づいたことがきっかけで、EIをより有効活用するため、1学期を通して様々な施策をチームに持ち込みました。1番自分が注力したのは、「いかに対立後のネガティブな感情を最小限にし、より良い結果につなげるか?」です。この注力の甲斐あってか、プロジェクトの後のチームメンバーからのフィードバックは高得点を獲得し、Business Challenge #1では優勝という結果につながりました。実際に起こった対立と施策については、また別の記事で詳しく紹介することにします。

 このように1学期目は、多様性を重んじて最大限の成果を出すチームの作り方について、体系的に実用スキルを学びました。今後もリーダーシップの授業は続いていくので、1年を通してEIを磨いていくのが本当に楽しみです!

最後まで読んでいただきありがとうございました!
今日が素敵な1日でありますように。




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