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インターネットは「言論に使われている」のは全体の一部。

【インターネットとは】
インターネットの根本的なところは「データ」を、地球上のある場所からある場所に送る、そしてそれを受ける、という「仕組み」にある。この仕組みを使うと、様々な、それまでできなかったことが「非常に安いコストで」できるようになる。そこが本来の「キモ」の部分だ。

【「言論」だけがインターネットを行き交っているわけではない】
ということは「データに変換できるもの」はインターネットで世界中に、瞬時にかなり安価にデータのコピーを送ることができる。「言論」はその一部にしか過ぎない。

【音声も画像も動画も】
音声がデータにできる。データにした音声をインターネットに載せて送り、受けてふたたび音声にすれば「世界をつなぐ電話」ができる。

画像(写真)をデータにしてインターネットを通して送れば、そのコピーを受信した先で、画像で見られる。

動画も、データにしてインターネットを通して送れば、そのコピーを受信した先で、動画で見られる。

文字テキストは言わずもがな、だ。

【川の水位とか、工場の工作機械とか】
たとえば、川の水位の監視は、その水位を数値にして、データにして、インターネットで送ることができるから、豪雨の被害が起きそうな場合も、事前に住民避難の予告ができ、被害を最小限にできる。実は、こういった「普段は見えないところ(インフラ)」にインターネットは非常に多く使われている。工場の工作機械などもインターネットに接続され、工作機械のメーカーと工作機械がインターネットを介して直につながり「もうすぐ部品交換が必要です」などのデータが世界中でやりとりされている。私達の普段の生活で見えないところで、多くのデータがインターネットを通してやり取りされ、私達の生活を見えないところで支えている。しかも、ここに掲げた例は「ほんの一部」でしかない。

【インターネットは言論だけじゃない】
むしろ、インターネットが使われているところを数え上げれば「言論」なんてのはほんの一部だ。データの多さと種類の多さから言えば、言論のやり取りどころではないデータが普段から24時間インターネットで地球上相互にやりとりされているのだ。つまり、インターネットがもしどこかで切られることがあるとしたら、私達の使っている電力が切られるとか、水道が来なくなるとか、下水があふれるとか、様々な「生死に関わる問題」が発生する可能性だってあるのだ。

【見えやすいところだけを見ている人たち】
YouTubeの動画などを見ると、言論の話で盛り上がり「こんなことではインターネットに多大な影響が及びますよ」と言っている、結構まともだと私が思っている言論人もいるのだが、それを聞いてガックリ来た事がある。その言い方はインターネットそのものを狭くしか知っていない、ということなんだな。そういう自覚が無い、ってことなんだな、と。まぁ、インターネット絡みのエンジニアリングを知らない人たちにとっては無理も無いことではあるが、あまりにインターネットというものへの認識がなさすぎて、ガックリ来たよ。

【そしてソフトウエアもハードウエアもネジ一本でも】
今や、ソフトウエアも、ハードウエアの設計図なども、データとしてインターネット上のサーバーにある。実際にはネットに接続されているどこかの地域にあるサーバーマシンの記憶装置にあるわけだね。それを世界中でやりとりして、それぞれの「機器開発」に使っている。インターネットがもしもどこかで切断されたら、全ての機器の開発が止まる。いま動いている機器でも、保守ができなくなって、小さなトラブルでも全体が止まってしまう。ハイテクでもなんでもない水道管くらいのものでも、世界のどこかで作り、どこかに送るってことでも、敷設や保守に使うので、貿易や物流が介在する。そして、貿易や物流はインターネットでデータのやり取りをしているから、インターネットが止まると生産だけではなく貿易や物流も止まる。ネジ一本でもそういう事が起きる。穀物などの食料でも同じだ。

【今このときでも】
要するに世界の密なグローバル化は、インターネットを使ってほとんどやり取りが成立している「世界インフラ」に大きく依存しているものなんですね。国際宅配便、国内宅配便も、米国、中国、日本、韓国、メキシコ、欧州各国、全てインターネットで情報をやり取りして、今も動いている。人の流れも、飛行機や船の運行、などなど、ニュースでは「仲が悪い」なんて言われている地域どうしでも、当たり前にデータがやり取りされ、モノが行き来し、ソフトウエアやデータが行き来している。当然、それに伴って人も行き来している。そうやって世界が成り立っている。

インターネットに関わった技術者にしてみれば、当たり前のことなんだけどね。このインターネットのイメージ、わかってもらえただろうか?

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