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「終わり」を考えるビジネスが重要な時代に。
【巨大商業施設に見る「終わり」の始まり】
最近はネットでも現実でも巨大な商業施設の廃墟などの動画をよく見る。巨大商業施設は既にトレンドではなくレガシー・ビジネスだな、と思う。時代に乗り遅れているので、辞め時を考える時期に入っているように、私には見える。今は既にバブル期ではない。
【ビジネスにも「始まり」と「終わり」がある】
ビジネスは何でもそうなのだが、必ず「始まり」もあれば「終わり」もある。人の世界にあるすべてのものは「生き物(象徴的な意味で)」だから、常に変化している。だから「始まり」があり「終わり」が必ずある。
【始まりは明るく楽しいが】
始まりは明るく、先が見えない不安も、むしろ将来への希望となる。だから、終わりを考えてから始める人はまずいない。しかし、物事には「始まり」があり「終わり」がある以上、始まるときに終わりを考えていくことができる「暗いヤツ」がどうしてもビジネスには必要になる。特に事業規模が大きくなればなるほどそれは必要だろう。
【「明るいだけ」はバカの集まり】
終わりを考えていない「単純で明るいヤツ」は非常に多いので、ついついその仲間に入ってしまうことが多いだろう。実際にはそういうのは「バカの集まり」だ。始めるときは楽観的なバカも役目としては必要なときもある。しかし、時代はマイナス成長の時代。かつてとは違うのだ。始まったときに「終わり」を考えて置く、ということをする人が、今の世の中にはどうしても必要なんだな。それが大きなものであればあるほど「引き際」をできるだけ具体的に考えて置かないと、多くの人に迷惑と不幸をもたらす。SNSでも多いが「XXXX始めました」の飲み会とか「仕事仲間が集まっての飲み会」、などの写真。自分はそういうものは積極的にアップしないのは、「始まりしか考えていないノーテンキ・極楽トンボな奴らと一緒にするな」という気持ちがどうしてもあるからだ。潰れた会社の創業時の飲み会の写真なんて、懐かしいよりバカの集まりにしか見えないだろう。
【「単純」「スロー」はビジネスにならない時代】
物事を単純に、スローに考えることしかできないのであればビジネスには向かない。時間は流れていて、今は急激な変化も当たり前にある。それに対応できる頭の回転の速さが、昔も今も重要だ。既に数千年・何百年続いたものがどんどん消えていく時代だ。行く川の流れは絶えず、かつ、グローバルになり、成長速度も衰退速度も数百倍速く、始めたばかりでも終わりはすぐに訪れる。このサイクルを生きていくしか、我々人間は生きていく道を持たない。そんな時代だ、と、私は思う。
【「群盲」になったらビジネスマンではない】
巨大商業施設の廃墟は今も多く、これからも増えるだろうが、現状では、おそらく多くは失敗して終わる。「群盲像を撫でる」感じで、群盲がみな賛成した再開発・商業施設なのだろうが、こういう施設こそ、暗いヤツをメンバーに入れておいて、「終わり」を最初から計画しておくべきだろう。そういうマネジメント、人の采配ができない経営者が今は多いんだな。
あなたがバカの一人にならないためになにをすべきか。