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静かに起きた「新人類の誕生」

【ネット接続の無い人類→ネット接続した人類】
10年くらい前から、インターネットが爆発的に普及し、スマートフォンに至って、ひとつの答えが出た。24時間、人に張り付いて人の一部となったインターネット接続デバイスが人も国境を越えてリアルタイムで密につながることによって、人は直接、遠隔地どうしでのコミュニケーションが可能になった。人類の作る社会は地域だけではなくなり、人の群れの統率を地域でだけ取ることは不可能になった。人類はネット接続されたスマホの装着で地域と言うものから解放された新人類に進化したんだな。

【人が変われば社会も変わらざるを得ない】
これは「反乱」「革命」ではない。人類自身が新しいデバイスで「変身」し、新しい人類に急激に変化することによって、社会構造を変えざるを得なくなった、ということだ。これは人類が得た新しい道具であって、人の拡張で人が変わり、社会が変わらざるを得なくなった、ということだ。

【SFでは「道具」→「変身」】
思えば、ここ10年ほどで、未来を語る物語の主流は、潜水艦や宇宙船という道具・乗り物、鉄腕アトム、ドラえもんから始まり、ガンダム、マーベルのスタークに進化した。変身ものの様々な映画や物語が増えた。それは人と道具との離れた関係から人の身体により密着し、身体と一体になった機器による人そのものの変身に向かっている。つまり変身による新人類の誕生の方向に向いているように見える。あまりに急激な変化なので、拒否反応も多い。拒否反応は「ケータイ脳」「スマホ脳」「スマホ依存症」などのワードが象徴している。しかし、これらの「拒否反応ワード」はおそらく、なくなっていき、やがて消える。なぜならばそれは「自分の身体の一部」になるから、最初の拒否はあっても常に一緒にいなければならないものになりつつあるからだ。

【DXも「変身」】
DXもまた、全ての企業や組織の、IT企業への変身だ。IT機器の利用によるIT化ではない。

【新人類は脳が直接国境を超える】
であれば、イーロン・マスクがStarlinkで世界を先ずはスマホのレベルでボーダレスで覆い、脳インプラントのコミュニケーション機器を作る「必然」の方向が見えては来ないだろうか?人が脳のレベルで通信機器の組み込みをして衛星で世界がつながる未来には国境や地域はない。

【地域が関係ない世界への先導者】
人は身体、脳のレベルで地域という数千年続いた人類の「地域」という「制限」を取り払い「地域」を越えた人類の姿、新しい社会を作ろうとしている。多くの「まだわからない人」には、それが見えないだろう。しかし、イーロン・マスクは、1960年代のチェ・ゲバラや毛沢東の次に来た新たな時代の、さらに大きな「革命家」なのだろう、と、私は思う。いや、むしろ彼は人類を新人類に誘う先導者、というほうがふさわしいかもしれない。

【「デジタル」がターニングポイント】
今回の彼の起こした人間の身体や脳自身からの革命の基礎には、デジタル技術という人類の道具の歴史における「ターニングポイント」があった。そして、彼は資本主義の道具を使って、資本主義やそのアンチテーゼとして生まれた社会主義や共産主義など、いずれも「地域」という基礎ごとひっくり返し、葬ろうとしている。この影響は政治のみならず、数千年続いた哲学や宗教にも及んでいる。だから、エマニュエル・トッドをして人工知能の前に無力にしてしまったのだ。

そして、同じ方向を向いて続いているのがAmazonのベゾスだろう。

【人類改造で旧人類と新人類の闘争の時代が始まる】
結局、デジタル革命は、人類自身の改造であり、地球を覆う人類やその社会の劇的で急激な変化だ。今は「旧人類」と「新人類」の闘争の時代であり、これはやがて新人類の勝利に終わる。

人類は地球上で一体化した「なにか」に変わろうとする節目に、いま、いるのかもしれない。

まるでかつてのSFだが、いま、おそらくそれは実際に起きている。

そう思わざるを得ない。

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