DX白書2023を読んでみて、一言だけコメントするならコレです。”アジャイル”
2023年2月、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が「DX白書2023」を発刊しました。同白書は、2021年に初めて発刊され、今回2回目となります。サブタイトルは、進み始めた「デジタル」、進まない「トランスフォーメーション」。
このDX白書、計400ページです。中小企業白書が760ページなので、それに比べれば...とは誰も思わないはずです。真に読んで欲しい人(DXを意識して欲しい経営者の方々や忙しいビジネスパーソン)が、400ページ付き合ってくれるとはとても思えないんだよなあ。そう思うの、私だけでしょうか?
エグゼクティブ・サマリー
DX白書にも“エグゼクティブ・サマリー”があります。「も」と言ったのは、中小企業白書にもついてる(こっちも読んでね)からなのですが、時系列的に言うとDX白書(2月)、中小企業白書(5月)なので、中小企業白書がまねっこした印象ですね。
...いや、それはどうでもよくて、要は分かりやすくなっているのが良いことです。ということで、アウトライン(輪郭)はエグゼクティブ・サマリーに譲るとして、ナナメ読みして”一言だけコメントするならコレだな”と思ったことを記載します。
...いやお前もうタイトルに”アジャイル”って書いてあんじゃん、というツッコミは無視です。
1.”アジャイルの原則”
IPAはDXを“組織文化の変革”と定義しています。その根底に流れる考え方は、“アジャイルの原則”です。IT関係のプロジェクトを進める際、ウォーターフォール型(しっかり決めてダーッとやる)が一般的だったものを、アジャイル型(やってみて直して、やってみて直して、を繰り返す)の方が、結局いいよね、と定着しつつあるそうです。
このアジャイルの原則を、IT部門以外にもどれだけ取り入れているか、日米比較したのがこちら(↓)。日本では、取り入れている割合が5割未満ですが、米国では7割~8割を超えます。企業活動のスピード感の違い、が分かりますね。
2.アジャイルな組織・人材になるために
DX白書2023では、アジャイルの考え方を一般企業にも当てはめ、下記の3点を組織と人材に求めています。
①アジャイルマインド(俊敏に適応し続ける精神)
②越境思考(組織内外のオープンな対話により、課題解決を図る)
③心理的安全性を確保すること(失敗を恐れない・失敗を減点しないマインドを大切にする風土づくり)
...ここでも出てきた”心理的安全性”。やっぱりこれは、これからの人材獲得・企業の成長を考えるうえでのキーワードですね。
3.トランスフォーメーション
進み始めた「デジタル」、進まない「トランスフォーメーション」。ねえねえ、補助金でいっぱいITを入れたようだけど、ところで御社は肝心の、デジタル化の真の課題である、「アジャイル組織への変革」は成し遂げたのかな?
そう言われたような気持ちになって、DX白書2023を閉じました。