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21.人材育成を通じて組織を強くする

■Keynote
組織は優秀な人材を手に入れるから成果をあげるのではない。組織は文化と風土によって自己啓発を動機付けるから優秀な人を育てる。
by ピーター・ドラッカー

ドラッカーは著書「経営者の条件」にて人材育成について「組織は優秀な人材を手に入れるから成果をあげるのではない。」と述べている。

プロ野球を例に考えてみよう。どのプロ野球球団にも優秀な野球選手が集まっている。またシーズンが終われば、次のシーズンに向けた戦力補強が行われている。それにも関わらず、毎年のシーズンでは、優勝チームと最下位チームには大きな成績の差が生じている。つまりは、「優秀な人材が集まっても必ずしも期待通りの成果があがるとは限らない」という状況が生まれているといえる。

では、同じように優秀な人材が集まっても成果に差が生じるのはなぜでだろうか?

例えば、優勝するチームから出てくる話として「選手の育成計画の一貫性」「選手の強みを活かした登用」などが挙げられる。
一方、最下位チームについては「A選手への指導が監督とコーチで違っている」「監督(コーチ)とB選手が対立している」などを聞いたことがあるだろう。
こうしたことから、育成が一貫していれば選手は本来のパフォーマンス以上のものを発揮する、反対に育成に一貫性がなければ選手は戸惑い、本来のパフォーマンスを発揮できないといった結果につながっていると言うことができる。

さらにドラッカーは「組織文化は、自己啓発を動機付け、人を育てる」と述べている。「選手の強みを活かした育成や一貫性のある育成をする」という監督やコーチが創り出したチームの雰囲気によって選手自身が「何をすべきか」を考えるきっかけとなり、自発的な練習を始める選手が出てくるのである。つまり、組織が醸し出す雰囲気が、自発的な成長意欲につながっていると言える。

企業においても同様であり、社長を筆頭に上司が社員に対して一貫した育成計画を示し、組織文化をつくることで、社員は自発的に自ら学び始めるのである。

■Let's Think!
□ 人が育つ会社の社長は、何をしているのだろうか?

□ 自社の育成方針は、一貫したものとして、社員に捉えられているだろうか?

□ 優秀な人材を獲得できていなくても、成果を上げ続けられるチーム(組織)にするには、監督(社長)として、どのようなことを実施するのがいいだろうか?

□ 人が育つ組織文化をつくるために、自社において、できることは何だろうか?


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