我が家
今住んでいる家は、父が45年前に建てた家です。
両親が亡くなってからしばらく空き家にしていましたが
家を持てなかったわたしたちは、ここを終の棲家と決めました
水回りと廊下が傷んでいたので、でそこは大工さんに任せ
外壁は自分たちで塗って4年前から住んでいます
和風の家にウッドデッキはおかしいだろうという夫の口を
無理やり塞ぎ、憧れのウッドデッキも作りました。
そしてリフォームするときに妹も呼んで
ようやく家の整理をしました。
子どもに迷惑をかけないように
もう整理を始めたという同級生もいますが、
わたしは、ひとつひとつ手に取って
思いを巡らすのも親孝行だと思うのです。
忘れていた遠い日の懐かしい場面がよみがえりました。
仏壇の下に少しへこんだクッキーの缶がありました。
それを開いてみると
母子手帳、新聞の切り抜き、子供服の型紙、私たちの通知表などが入っていたのです。
切り抜きの多くは
おやつのレシピと子育ての関するコラムのようなものでした。
そういえば、中学生になるまでおやつはほとんど母の手作りでした。
友達が食べているスナック菓子が羨ましかったことを覚えています。
大学芋とか 硬いドーナツとか ふかしたお饅頭だったり
祖母は意地悪ではないけれど、厳しい人でしたから
そんな祖母の顔色を伺いながらも、
とても大切にわたしたちを育ててくれたのだと
改めて母の芯の強さと愛の深さを感じました。
この辺りは、両親と同じくらいの歳の人が住んでいて
寂しいけれど順々と亡くなってゆきます。
一年くらい経つと、その家は壊され
今流行りの四角い家が建ち
子育て中の家族や、老夫婦などが新しい住人がやってきます。
ご近所でも顔も分からない人が増えました。
リフォームしたらまだまだ住める家も
空き家税が導入されるというニュースが流れてから
どんどん取り壊されてゆきます。
でも、父の家にもいくつか困ったことがあります
木の家ですから どうしてもエアコンが効きにくく
夏冬の電気代が半端じゃないことと
隙間が多く 小さな虫がいっぱい入ってくることです
ここで日本の夏蚊取り線香の登場です
色々試しましたが、これが一番落ち着きます
ゆらゆらとのぼる煙がなんとも言えず好きなのです。
母が残してくれたクッキーの缶の隣に
子供たちの文集や賞状や通知表を入れた箱をおきました。
その上に終活ノートも置きました。
息子と娘がこれに気づき
昔話をしてくれれることを祈るばかりです。
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