「国歌大観通読男」#0

かの吉本隆明は「無人島にひとつだけ本を持っていけるとしたら？」という問いにこう答えている。

「国歌大観」

「一冊じゃねえじゃねえか」というツッコミはあるがその回答はずっと私の心を支配した。こっちは古歌の教養なぞ一ミリもないのに。

またこの世の中には辞書を通読する人々がいる。かのOED (Oxford English Dictionary)すら通読する人がいるのだ。通読した体験をもとに一冊の本

夢でさえ戸惑い多き暮らしには一会の中に命の在処

「国歌大観通読男」 #324

「壬二集」(1)から(500)まで

・(163) この氷の出し方は自分でこのあとやってみよう

・(372) これはタイトル含めて完結してる味が強い

・(444) をばすての月を題材はエグいて

・(464) 最近中谷宇吉郎じみてたのでこういうの当たると嬉しいっすね

いつだって彼は速くて僕たちは遅過ぎたんだあの五月より

未明より生まれし後に我が子から未来を借りる青い春の実

美容室背中を映す女あり桜の蕾風に佇む

「国歌大観通読男」 #323

「拾玉集」(5112)から解題まで

・(5295) 自分の誕生日がこういう書かれ方されると宿命ってやつを感じるな

・(5368) これぞ「月」

・(5390) 上の句完全に築地の話してるじゃん

・(5766) こういう下の句最近のマイブーム

・久々に解題読みましたけど、慈円がいけ好かねえことしか残りませんでしたとさ(激動の幼少期は同情の余地あり)

「病みたさを見つめるべし」と春の日のHeartbreak染まずただよう

目には青葉男波女波に鷗あり夢の城には線の暴力

「国歌大観通読男」 #322

「拾玉集」(3572)から(5111)まで

・(3731) これはシャーマンキング

・(4300) うーん視覚的。ちょっと柳田国男のエピソードみ

・(4315) 令和の夏もこれぐらいにならん?

・(4796) 動きは一定なのに視点を変えるって文章でできるんだな～

・(4887) これ一度思ったらこれ程悔しいことはないだろうな

頭には灯りを捨てて甦る大人に見えた明日の陽の華

耳塞ぎ言葉を失くすたった今東京駅は完璧な空

「waiting for…」そこから先のブランクを前世の夜に忘れきて朝

「若さとは振り向かぬもの」それはまだ僕たちがただ若かった頃

補いも亡くしたもので繕えず音にぞ疎き氷の世界

春霞行き交う笑いその中に溜まる暁静と振り向く