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短歌

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夢でさえ戸惑い多き暮らしには一会の中に命の在処

いつだって彼は速くて僕たちは遅過ぎたんだあの五月より

未明より生まれし後に我が子から未来を借りる青い春の実

美容室背中を映す女あり桜の蕾風に佇む

「病みたさを見つめるべし」と春の日のHeartbreak染まずただよう

目には青葉男波女波に鷗あり夢の城には線の暴力

頭には灯りを捨てて甦る大人に見えた明日の陽の華

耳塞ぎ言葉を失くすたった今東京駅は完璧な空

「waiting for…」そこから先のブランクを前世の夜に忘れきて朝

「若さとは振り向かぬもの」それはまだ僕たちがただ若かった頃

補いも亡くしたもので繕えず音にぞ疎き氷の世界

春霞行き交う笑いその中に溜まる暁静と振り向く

尖端に戦くのにも虫がよく本日びりっけつを考える

虻となり罪の間に間に雨となるそうでなければ架けられぬ虹