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無料コンテンツが当たり前の世界で本当にいいのか?

※本記事は関西在住の20代野良起業家が独断と偏見で斜に構えた考えを垂れ流していくだけの記事です。これが絶対正解!みたいな話ではないので、フィクションを読んでる感覚で起業家のナマナマな意見をお楽しみください。

はじめに

こんにちわ!出版プラットフォームを運営しておりますオタクペンギン(社長)です。

今回は、BookBaseのようなコンテンツを扱うサービスを運営する上で避けては通れない『無料コンテンツプラットフォーム』についてのお話です。

インターネットが根付いて、さらにスマホが当たり前になった今、動画などを中心にコンテンツは無料で見れるのが当たり前な時代になって、かなり経ちます。

一見、ユーザーは無料でコンテンツを楽しむことができて、コンテンツ作成者は広告費で儲かる!というものすごくうまい仕組みのように見えますが、実は弊害もものすごくあるんじゃないのかと僕は思っています。

実際、BookBaseはこれまで色々言われてきましたが、買い切りのモデルを変えずにずっとやってます。おかげで苦戦もしてますが、それでもやり続けるのは理由があったりします。

今回は、コンテンツ無料化やサブスク化が引き起こす未来についての話とそれに抗うペンギンの話です。

コンテンツ無料化の激しい潮流

無料で楽しめるコンテンツって最近はいくらでもありますよね。
動画でいうとYoutubeやニコニコ動画が筆頭ですし、小説も「小説家になろう」がInstagramのアクセス数超えるくらい見られてたりします。

アニメなんかも無料で見れるのが昔から当たり前ですし、最近は漫画も無料で見れるものが増えてきました。昨年はコンテンツ業界を騒がせたWebtoonっていう縦スクロール漫画とかはこのまま無料マンガアプリとしてどんどん流行っていく傾向にあると思います。

こんな感じでどんどんコンテンツが無料で見れるのがもはや当たり前な世の中になっています。
ユーザーはスマホさえあれば時間をどんどん潰せるので、こういった無料サービスを展開する場合は『可処分時間の奪い合い』みたいな話になって、ユーザーの24時間のなかでどこの部分を取るか!みたいな話になったりします。(個人的に、この話って机上の空論感がすごいと思います。そんなみんな能動的に時間使いまくってるわけじゃないし)

で、こういった基本無料で使えるプラットフォーム(以下PF)というのにも当然収益が必要なわけなので、無料で集めたユーザーに広告を見せることで広告費を集めて、そこの分からPVに応じてクリエイターに還元していくという形を取ります。こうすれば、PF事業者は出来高制の後払いなのでコンテンツ制作のリスクを抱えなくていいですし、クリエイターはヒットした分稼げるという構図になるわけですが、これにもやっぱり弊害が出てきています。

ようこそ!PV至上主義のプラットフォームへ!

今までもそうなんですが、コンテンツが盛り上がって、そこに投資とかがバァーっと集まりだして過熱していくと、そこにチャンスを見出した事業者が新たなPFを作って、クリエイターを集めてコンテンツを投下していくわけですが、これによって大変になるのがクリエイターさんなんですよね。

基本的にコンテンツを楽しむ消費者にとってPFを使う理由の大半は自分にとって良いコンテンツがあるか、になります。なのでPF側はできる限りコンテンツが集まるように動くわけですが、無料PFの難しいところはPFの成長が『PV』という軸で測られてしまうことなんですよね。

PV至上主義のPFにおいて、PVを上げる方法はそこまで多くなく、最も手っ取り早いのはコンテンツの投下速度と量を上げる『物量によるパワープレイ』です。Youtubeなんかでもチャンネル投稿や動画再生数を伸ばす方法で筆頭に来るのは「毎日更新」っていうのがあります。なので、一個一個のコンテンツのクオリティで勝負するのではなく、早く作れてそこそこ面白いコンテンツを大量生産することになります。

PF側からすると、別にそれで広告収益上がるからええやないかって話なんですが、コンテンツ全体の動きとしてここにすべてが集約されるのはまずいんじゃないかと思うんですよね。

なぜならPV数っていうのは、それ以上に因数分解ができないからなんですよね。
極端な例ですが、間違って広告に載っている動画を見ても1PVになります。逆に熱烈なファンの人が待ちに待って見たというのも1PVになります。
これってなんかすごい違和感に僕は思うんですよね。その1PV価値合って無くないか?と。

Youtubeなんかはその違和感が重要だと考えているのか、1PVの中でさらに動画をどれだけ維持したかとか、そういうところまで見て還元率を決めているわけですが、そこまでの技術を持っていないPFにとっては1PVはどこまで行っても1PVのままです。

なので、極論ですがPF側としては『ちゃんと制作費掛けて作らなくても、ダラダラ見てくれる安価なコンテンツの方がいいべ』と考えていてもおかしくはないですし、無料PFを利用するユーザーも『無料だから、まぁそこまでのクオリティじゃなくてもいいや』っていう見方になっちゃいます。

んー?これって本当に健全か?って僕は思うんですが、どうでしょうか。

まぁPF側と利用者はそれで納得してるならいいとしても、ここに巻き込まれるクリエイターさんたちはかなり大変です。

無料コンテンツを作るクリエイターの存在をどう考えるのか

現在、ちょうどWebtoonが最盛期と言ってもいいくらい盛り上がってまして、まさに動きとしてはモデルになるのでWebtoonを例に取ります。
(Webtoonについても書いた記事があるので、気になる方はこれみてね。https://note.com/noraentrepreneur/n/n0cc0b46575bd

Webtoonも今現在どんどん新たなプラットフォームができるなかで、原作者の募集や漫画家さんの募集を至るところでされています。まだまだこれから海外も含めて盛り上がっていくと思いますが、そこで重要なのはクリエイターさんの立ち位置なんですよね。

無料で見れるコンテンツというのは、クリエイターにとっては良い面と悪い面が両方あるものだと僕は思います。無料なので、ユーザーさんたちにとってもそこまで気負うことなく見てくれる分、こちらも気軽に出せるなど。(小説なんかだとお金払わない層が感想とかで酷評出してきて問題になったりもするので、ここはここで問題になりそうな部分ですが)

その代わり、やはり難しいのが1作品あたりの収益です。制作費を出してくれるところでも、元々無料のものだとものすごいPV数行かないと大きな収益にはならないので、投資的な観点で出してくれない限りはなかなか大きな額にならないんじゃないかと思います。

これまでもクリエイター搾取!みたいな話題はすごく多かったですが、見えない部分で今も実態としてそうなってしまっているところは多くあるんじゃないかと思います。悪意を持ってやっているというよりはビジネスモデル上仕方がないというところではあるんですが。

ただ弊社もコンテンツPFをやっている上で考えないといけないのは、やはりクリエイターの方々の持続的な創作環境をどう構築していくかだと思います。

小説なんかはより顕著ですが、どこのプラットフォームでもPV主義でやると人気のジャンルは偏りますし、差別化を図ることが難しくなります。
その結果、コンテンツ全体で多様性が無くなってしまうみたいなことが実際に起っています。
短期的にはこれで収益につながるとしても、ロングセラーにつながるコンテンツが生まれ続ける環境として正しいかというと疑問ではないかと思います。

価値には対価を

やはり、当たり前のことですが、価値あるものには正当な対価が払われて然るべきだと僕は思います。

ビジネスとして考えたときに、無料を切り口にユーザーを確保というのは賢いやり方だとは思いますが問題は当然あります。むしろ、ちゃんと価値のあるコンテンツなのに、正当な対価が払われずに世の中に出回ってしまうことはコンテンツを供給するPF側の役割としてビビりすぎだし、リスクを取らなさすぎるのではないかと思います。

そうはいっても、ビジネスだから。と言われそうですし、実際今までも散々言われてきましたが、いやでもやっぱり価値があるものに対価が支払われるというのがビジネスの根本ですし、良いコンテンツを創れるクリエイターが馬鹿みたいに儲かってくれないとそこに夢を見てくれる人も増えないわけです。それはPF側としても大きな損失に繋がります。

手前味噌な話になってしまいますが、BookBaseをなんで買い切りのモデルでやっているのかっていうのはこういうことを考えているからです。
特に小説は無料投稿サイトの隆盛によって商業の方にまで影響が波及し、結果として作品の多様性を失わせてしまったのではないかと個人的には考えています。

それが読者の選択した結果だ、と言える話ではあるんですが、本当にそうなのかとも思いますし、無料PFのユーザー奪い合い戦争に飽き飽きとしている空気も感じていたり、無料は無料でユーザー数100万とか集めないといけなかったりで大変なので万能じゃないよねと思ったりもするので、時代錯誤かもしれないですが、買い切りモデルを基本のまま試行錯誤をしていきたいと思ってます。

むしろ、ユーザーがお金を払ってでも見たい!と思わせられるコンテンツ制作をしていきたいですし、そんなコンテンツを作ったクリエイターさんにちゃんと利益が回ってくるようにしていきたいです。その方がきっと面白いので。

そして、コンテンツを取り扱うPF側の責務は『コンテンツ収益の最大化』じゃないのかと思います。コンテンツの質はいいのに、販路や売り込み方のせいで広まらなかったなんて枚挙に暇が無いですし、いい加減挑んでいかないといけない課題なんじゃないかと思います。

最後に

というわけで、今回は『無料コンテンツが当たり前になってるけど、どうなの?』って話でした。
PV至上主義の結果、作品の多様性が無くなったりクリエイターにまでお金が回りきらなかったり大変な側面もあるよねっていうまさに逆張り記事になったかなと思います。

こいつ甘っちょろいこと言ってるなーと思われるでしょうけど、人と同じことをやってても面白くはないですし、非合理のなかにこそ真の合理性は生まれるはずです。

なにより、コンテンツの価値を信じるオタクとして、コンテンツで儲ける人が増えてくれないと創り手居なくなるやろがい!という憤慨もあります。🐧プンスカ

BookBaseはまだまだこれからのプラットフォームですが、ちょっとずつコンテンツ制作にも注力し出しているので、このまま頑張って世に出なかったはずの作品で世界を席巻してやります。

見ているが良い!出版業界よ!🐧ゴゴゴ

というわけで、今日はこのへんで。
いつものごとく、なにかあればいつでもTwitter経由でDMください。特に投資家の方はぜひ。資金だけ無いのです🐧カツカツです。
あと出版社さんとか共感してもらえるならなにか一緒に面白いことやりましょうー!

読んでいただきありがとうございました!!


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