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Webtoonは次世代エンタメの覇権なのか?

※本記事は関西在住の20代野良起業家が独断と偏見で斜に構えた考えを垂れ流していくだけの記事です。これが絶対正解!みたいな話ではないので、フィクションを読んでる感覚で起業家のナマナマな意見をお楽しみください。

はじめに

こんにちわ。出版プラットフォームBookBaseを運営してますオタクペンギン(社長)です。
本日はウチの事業領域においても2021年を席巻しまくったWebtoonについてのお話です。エンタメ系の事業やってると嫌でも目に入るってレベルで話題で、このビッグウェーブに乗り遅れるな!っていうくらいの勢いでいろんな企業が参入してましたしね。
そんなこんなでWebtoonについて、出版革命を担うスタートアップとしてどう思っているのを書いていこうと思います。

Webtoonってなに?

たしか2020年くらいから韓国とか中国あたりを中心に出だしたように記憶してます。(違ったらごめんね)
スマホで見ることを前提とした漫画で、フルカラーで縦スクロールっていうのが特徴なんですよね。
2021年に入ってからは、日本でもWebtoonのプラットフォームアプリとかが出てきたり、専用のスタジオが出てきたりで、市場とかユーザーも順調にバク伸びしてるみたいです。

たしか、ピッコマとかの漫画アプリ大手にもWebtoonありましたよね。

どうやら、聞いた話では最近の若年層が漫画のコマの読む順とかがわからないとか、Webtoonがフルカラーが基本なので日本にある白黒の漫画っていうのがフルカラーのテレビと白黒テレビくらいに世代格差が生まれてるみたいな話があるようです。

スタートアップ関連でも、NFTやVRなどに続くバズワードになってる状態なのでホットな領域なのは間違いないです。

でも、実は僕Webtoonマジで興味ないんですよね…。

本当に面白い?Webtoon

Webtoonについて、僕が感じている違和感がありまして、それが『作られたブーム感』がすごいなって思うんですよね。特に日本で『Webtoonの時代だぁ!』みたいに言ってる人たちにはすごい違和感があります。(君たちチャットノベルのときもそんなこと言ってませんでした?)

一応、Webtoonの存在は2019年くらいから知ってましたし、実際に何作か僕も読んだことあるんですが、個人的にそこまで漫画から劇的な変化を起こせてるかっていうとそんなことないなーと思いますし、元々の漫画が体験として劣っているとかもないと思うんですよね。

ただ、これって元々漫画とかが当たり前に存在している日本だからこその感想なのかなとも思ってまして、漫画の普及が全然無い海外とかでは新しい体験として受け入れられている!とかはあり得るかなと思ってます。

ただ、個人的に「時代はWebtoonだぁ!うぉぉ!」とかならないのは、やはり一人のユーザーとしてハマれてないからっていう理由がすごく大きいなと思います。BookBaseは現状小説をメインにしていて、漫画もどんどん力を入れていくつもりなんですが、Webtoonに舵を切るかというとぶっちゃけあんまり興味ないなーと僕は思ってます。(ユーザーさんからのご要望が多かったりするとやるとは思いますが、今のところ運営から仕掛けていくつもりはあんまりないです)

ただWebtoonについていろんな人が語っているんですが、そのなかであんまり的を得た話をしてる人もいないので、そのあたりは思うところを書いてみようと思います。

Webtoonの真価とは?

Webtoonの価値って今の所、読者に対してはそこまで大きな価値を持ってないと僕は思ってます。単純な没入感とかならむしろ今までの漫画の方が価値高いまであると思います。

が、今までの漫画って日本では市場がものすごく大きいんですけど、予想以上に海外では読まれていないんですよね。これどうしてなんだろうって思うんですが、理由は簡単で『漫画は作るのが難しい!』っていう供給側の問題があったんですよね。

そもそも、これだけ書店がどこにでもある国って日本以外には例が無いんですよね。日本はかなり昔から出版業界が頑張って、再販価格維持制度とか返本制度とかを作って、初期費用無くても書店を開けるような体制を作ったりしてたんで、至るところに書店がある状況を作れたわけですが、海外だとそこまで本についての流通がしっかりしてなかったので、市場が育ちにくかったというのがまずあります。

そして、制作自体の難しさです。
基本的にどんな市場でもだいたいアメリカとかに日本は負けてるんですが、漫画は日本が圧倒的に巨大な市場を有してるんですよね。で、その要因はなにかというと、創り手の多さに起因しているわけです。

基本的に、コンテンツ市場の成長っていうのはコンテンツが増えるのに従って、消費者が増えて、そこからさらに造り手も増えるっていう2個の車輪が回ることで大きくなっていくわけですが、日本ほど誰でも表現できて創作のハードルが低い国もないし、単純に創作者の素養を持ってる人が多いんじゃないかと僕は思ってます。(海外はどうなのか知らないので比較のしようもないですが)

まぁ、実際の要因特定は不可能なので置いておくとしても、結果日本だけが漫画の巨大なマーケットを持つに至って海外はそこまで大きくないっていう状態になってたわけです。
で、そこに来てWebtoonが流行ってるっていうのは、逆に日本みたいな出版流通が整っていなかったからっていう逆説的な論理があるんじゃないかと思ってます。スマホならみんな持ってますしね。配信するだけなら簡単だし、費用も安く、創り手が確保できれば資本の少ない企業でも参入できるわけですし、格好のネタなんじゃないかと思います。

縦スクロールでの画面なので、コマ割りもシンプルになって作りやすいとかもあるみたいですし、供給のハードルさえ下がれば、そこからは普通のコンテンツと同じえキラーコンテンツを作っていって、他の媒体へ伝播して収益化を狙えるって寸法です。

そして、さらにそこに追い打ちをかけるのが投資家たちの思惑で、彼らは常に新しいゲームチェンジャーを求めてますので、漫画っていう巨大市場を大きく転換できるかもしれないパッと見新しめな技術への投資はどんどんやっていくでしょう。(これについてはいい加減やめたほうがいいのになーと思いますが。そんな騒ぐほどの革新性がWebtoonにあるかっていうとたぶんないですよ。知らんけど)

これからどうなるWebtoon

まぁというわけで、供給者有利になってくるとコンテンツ系は自然と盛り上がっていくので、元々の漫画がそこまで流通してなかった地域においてはこれからもどんどん儲かるようになっていくと思います。

が、現状で見えている懸念点が個人的にあります。

それが、Webtoonの広告収益のモデルについてです。

アプリでの配信をベースにする場合は、アプリ内課金とかが手数料とかの関係で収益取りにくいので、基本的に無料で公開して不特定多数のユーザーに見てもらって広告収益を取っていくっていう広く薄く対価をもらっていく構造になっていくわけですが、これの限界ってすでに見えていて、いろんなところで問題になっているので、Webtoonもゆくゆくそうなるだろうと思ってます。

特にWebtoonは漫画家さんとかがいらっしゃるわけですけど、プラットフォーム側が収益をあげようと思うと、プラットフォーム間のユーザー獲得競争になるわけです。そうなるとコンテンツの多さと更新頻度が大きな競争要因になりますが、これに巻き込まれていくクリエイターさんはかなりしんどい立場に置かれざるを得なくなります。

無料で公開されるコンテンツなので、薄利でとりあえず数打て!っていう形なので、何作も何作も書かないといけないし、プラットフォームが競争に負けるとそこに巻き込まれていくことにもなりかねないわけで…。

この手の話はなにも今に始まった話ではなく、ずっと前からある問題で、プラットフォーム側がクリエイターに対してどんな考え方を持っていて、ビジネスの上でもうまくやれるポテンシャルがないと勝てないので結構大変な戦いになるのは間違いないでしょう。

また、いろんなところでWebtoonがクリエイター搾取の温床となっている!みたいな問題がTwitterとかで騒がれるのも時間の問題じゃないかと思いますが、まだしばらくは投資家やプラットフォーマーが率先して流行を仕掛けていくことになると思うので、僕はちょっと距離を置きつつ静観したいと思います。

最後に

というわけで、Webtoonについての話でした。
まぁこんなこと言いながら、しばらくしたらBookBaseもWebtoonやるぞぉ!みたいなこと言ってるかもしれません。商売なんで、仕方ないです笑
そのときは、今と変わらず如何にクリエイターを儲けさせられるを考えて有料販売でやることになると思います。

やっぱり無料でなんでも見れる仕組みはどこかに無理が生じてると思います。ただより高いものはないのです。
この辺の話もどこかで書こうかなと思います。

個人的に関心があるのは、あくまでも既存の漫画の方なので、あっちの製作コストをうまいこと下げられる方法とかないかなーとかはもっと考えていきたいところです。
あと、Webtoonとかが盛り上がる一方で、結局はどんなコンテンツも脚本力を持っているかどうかが勝負の分かれ目になると思っているので、そこはBookBaseが時間を掛けてやっていく領域だと思ってます。

あらゆる原作が生まれるプラットフォームを目指してがんばっていきます。

というわけで、今日はここまでです。

お読みいただきありがとうございました!
書いた奴に興味がある!って方はぜひTwitterでDM送りつけてください笑

それではー!


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