バレンタインデー@インターナショナルスクール

朝から気合が入り、何となく顔を赤らめた男子生徒を何人か見かける日。それがバレンタインデーだった。

日本では女性から男性に、チョコレートやプレゼントを渡し自分の気持ちを告白する日だけど、英語圏では逆。男性から女性にチョコレート類のスイーツ、花、そしてプレゼントを渡して告白したり、愛情を表現する日なのだ。

高校生になるといっぱしの大人なので、バレンタインデーに以前から好意を持っている女子生徒に告白をする男子生徒は珍しくなかった。2月には、ウインターボールというダンスパーティーもあった。バレンタインデーに近い日程だったので、そのダンスパーティーに一緒に行ってほしいという誘いもかねて、告白する男子生徒もいた。

なぜかわたしに「バレンタインデーに、何をもらったら嬉しい?」と聞いてくる男子生徒もいた。「あのさ。。。そういうのは、好きな子の友達とかに聞いてリサーチするんだよ。」と答えると、それも恥ずかしいという。冗談半分で「嫌いなものをもらっても、大して嬉しくないからね。」と言うと、意を決したかのように「わかった!」と立ち去る男子生徒もいて面白かった。翌日ニヤニヤしている男子生徒もいれば、落ち込んでいる男子生徒もいる。悲喜こもごもという言葉が、当てはまる光景だった。

そうそう小学校や幼稚園では、バレンタインデーにクラスメイトたちに「いつもありがとう」という親愛の気持ちを伝える日だ。「仲良くしてくれてありがとう」「困ったときに、親切にしてくれてありがとう」「ランチの時に、いつも楽しい話をしてくれてありがとう」などカードに書いて、クラスメイトに渡している姿がすごく微笑ましい。

そういう子供時代を送っているから、高校生になるとお菓子作りが得意な女子生徒がマフィン、クッキー、ブラウニーを沢山作り、バレンタインデーには友達や、先生たちに「いつもありがとう!」と言って配っていた。生徒たちとよく話していたわたしにも、「どれが好き?」と手作りのお菓子を選ばせてくれた。戸惑いながら「本当にいいの?」と尋ねると、「もちろん!だっていつも、あたしたちのことをちゃんと気にかけてくれてるでしょ!」と元気な声が返ってきて、ハグをしてくれる。

こういうところが、インターナショナルスクールの長所だと思う。「あなたは私にとって大切な存在なんだよ」と自分の気持ちを、相手にわかるように伝える。知恵を出し、高価な品物でなくても相手が喜ぶものを渡す姿から、「相手を思いやる気持ち」が素直に伝わった。

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