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高校生が進路の選択と向き合う時

わたしがインターナショナルスクールで働き始めた頃、180センチ近い身長と体格も良い男子高校生がそばにくると「ちょっと怖い」と思い、メイクや服装が大人びた女子高生に話しかけられると身構えたりしていた。今までの職場と違った緊張感を悟られないよう、彼らと話していると「多感な10代」であることは伝わってきた。

インターナショナルスクールは日本の学校と少し違い、小学校は年長~小5の6年間、中学校は小6~中2の3年間、高校は中3~高3の4年間という分け方になる。この記事では9年生=日本の中3、10年生=日本の高1、11年生=日本の高2、12年生=日本の高3という表記をします。9年生は元気いっぱいで「進路?まだ先の話じゃん」といった言動の子が多い印象。10年生の中盤になると、先輩たちから進路に関する話を耳にするからか、態度に変化が出てくる学生たちがチラホラでてくる。11年生になるとカリキュラムとして、「進路と向き合う」時間が多く出てくる。

9年生の頃から知っている学生たちが、「進路」という避けては通れない課題に取り組み始めると、言動が変わってくるのが良く伝わる。自分の選択次第で、今後の人生に良くも悪くも影響してしまうから。

自分は何に興味があるのか?どんな仕事に携わりたいのか?大学のカリキュラムの内容は?校風は自分に合うのか?どの国で勉強するのがベストなのか?自分と向き合う時間が増えてくる。

進路を選択する過程において、もちろん父兄と話し合いが必要となってくる。ガイダンス・カウンセラーとも話し合いを沢山する。そういった時間を重ねていくことで、自分の意見を父兄やガイダンス・カウンセラーにしっかり伝える。そして自分の意見だけでなく、大人たちの意見も繰り返す聴くことで、「進路選択には自身の自由と責任」が伴うことを生徒が自覚していく。自覚が出てくることで、言動に変化が出てくる。

わたしが教員でなかったこと、部活の顧問でなかったこと、そして当時は全校の職員でもとても若かったこと、そして高等部の校舎にオフィスがあったという諸々の要因が、彼らの変化に気づけた。教員ではない=彼らの学業を考慮する必要がない。部活の顧問でない=練習時・試合時の態度、部活でのスキルを考慮する必要はない。職員の中でも年齢が若い大人=父兄と生徒の両方の立場を察することが出来る。振り返るとわたしは「とても客観的な視点で、高校生たちの精神的な成長」を観察していた。

自ら沢山悩み、考え、大人たちと話し合って進路と向き合う。進路先として選択した結果はさまざまだけど、彼らのそれまでの人生で下した「大きな決断」に、後悔がないように見えた。そして高校4年間で、精神的に成長した彼らの姿には感慨深いものがあった。




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