子供の可能性を最大化する要素① 親からの無償の愛 / 親子の信頼関係 / 子供の心理的安全性(7)「きょうだい」の考察と注意点

今回は「「きょうだい」の考察と注意点」というテーマで書きます。

【初めに結論】

・きょうだい関係の要素は「普通の人間関係+親の愛情を奪い合う対象+同じ場所に住んで距離感の近い存在+上下関係+比較対象+同士」。

・定期的に子供を観察し、差別、孤独、愛情不足を感じていないかを見つけましょう。見つけたら、テコ入れしましょう。

【普通の人間関係】

片方が信頼すればもう片方も信頼します。
片方が笑顔で接すればもう片方も笑顔で接します。
仲が深まることもあれば、遠ざかることもあります。
大きな出来事があれば、信頼を一生失い、関係が崩壊します。
同じ家にいても、違う人間同士ですから当然ですね。

人間関係なので「個人差が大きいから、それぞれケースによって柔軟に考えて対応する」のは当然ですが、そうとばかりも言ってられないので、傾向を見ていきましょう。


【親の愛情を奪い合う対象】

これは、どんな親も感じることがあるのではないでしょうか。

(2人きょうだいの場合)
上の子は「自分は1人目で厳しい」「我慢を強いられる」「2人目の方が甘い」「下の子が生まれてから自分への愛情が減って寂しい」
下の子は「1人目の方が親の愛情が多い」感じがち。

(3人きょうだいの場合)
上の子は厳しく、下の子は甘く育てられがち。
真ん中の子が最も辛く、「人目は親の愛情を独占していた」「下の子が生まれてすぐ親の愛情が移った」「自分は放っておかれた」「自分が最も愛されていない」と感じがち。

奪い合っている前提で子供達を眺めることが必要ですね。


【同じ場所に住んで距離感の近い存在】

毎日顔を合わせて私生活を共有するからこそ、友達には見せないであろうプライベートをより深く理解し、欠点もよく見えるわけです。
必然的に絆は深まりやすいですし、同時に喧嘩や嫉妬も増え、複雑な関係になります。
結婚生活と同じです。


【上下関係】

年齢差があるほど、生じがちです。
特に同性の場合は、下の子が「私はお下がりばかり」「喧嘩したら絶対負ける」という風にストレスを募らせることが多い印象です。
上の子は優位性があるので、大体ノーストレスではないでしょうか。


【比較対象】

「兄貴の方が成績がいい」「弟の方がスポーツができてクラスでも人気者」という風に比較します。
年齢が近く、そして同性であるほど傾向が強まります。
比較するなという方が無理ですね。
高い確率で、どちらかに優越感を、どちらかにコンプレックスを生みます。私の東大在学時の友人で、「全員東大の三兄弟の末っ子」がいました。彼は都内の名門校でサッカー部で活躍、イケメンで性格も良くて、私は尊敬しています。家はもちろんお金持ち。「あぁ、神は二物も三物も集中して与えるんだなぁ」と当時は感服しました。
しかし、彼自身は「兄貴は2人とも現役で東大の文科一類に入ったのに、俺は一浪して文化三類だったから辛かった」と吐露していました。
「なんて贅沢な悩みなんだ!」と思われるかもしれませんが、当の本人は「家族」というコミュニティの中で悩んでいたそうです。

客観的にどういう状態であろうとも、子供本人の主観としてどう感じているかを疎かにしてはいけません。

どちらかが、勉強もスポーツも恋愛も友人関係も全て優れている場合、もう一方は絶望的なコンプレックスを持ちます。


【同士】

似たような家庭環境や学校環境で生き抜いていかねばなりませんから、ある程度仲が良ければ「同士」にもなります。
「ママは最近疲れてるから手伝ってあげようか」「パパは最近機嫌悪いから気をつけた方がいいよ」「あそこの高校は荒れてるらしいよ」等々、きょうだい同士で裏で会議しているものです。
親が知らない情報交換がなされています。



さて、親として何ができるか、何をすべきか整理してみました。

・基本動作として、定期的に子供を観察し、差別、孤独、愛情不足を感じていないかを見つけましょう。見つけたら、テコ入れしましょう。抽象的ですが、これをどれくらい出来るかが「親」の力の見せ所であり、子供がきょうだい仲良く前向きに育っていく最重要ポイントです。

・理不尽さや不平等さは、上の子も下の子も必ず感じています。ゼロにするのは難しいでしょう。しかし、ゼロに近づけることはできます。

・一方で、上の子と下の子は違う人間。個性も違うので、意識的に尊重する必要があります。

・どういう言葉が「その子」には響くのか。「その子」は何を求めているのかを考えましょう。最近の上の子・下の子の状態(寂しそう、揉めている等)を客観的に見て、構ってあげる時間を調整したり、一緒に何かすることを促したりといった改善点を考えましょう。

・喧嘩はするものです。人間関係やコミュニケーションを学ぶ貴重な機会でもあるので、基本的には後遺症が残るレベルでない限り放っておいても良いでしょう。

・きょうだいどうしで比較は必ずしており、コンプレックスを抱えるもの。親が比較することは絶対にNG。よくできる子の方を褒めたくなるかもしれませんが、親子関係の本質において「外部活動の成績」は正直どうでもいいです。存在自体をきちんと愛しましょう。

・喧嘩している時は対等に扱う、どちらかに肩入れしない

・上の子は、最初に生まれる子ですから、親も子育て素人で試行錯誤し、過保護になったり、厳しくなりすぎたりしがちです。意識的に優しい愛情を注ぎましょう。
また、下の子に手がかかって孤独や嫉妬を抱えますので、独り占めできる時間を作る、下の子のお世話をしてもらう、何かしてくれたらきちんと立てる・礼を言う、きょうだい一緒に遊ぶ・経験する機会を増やす、2人きりになって「あなたのことも大事だよ」と愛を込めて明言する、といった工夫をしましょう。

・下の子は自動的に可愛がることになりますが、上の子に対して優先しすぎない、(特に同性の場合は)お下がりばかりでストレスを感じるでしょうからたまには新しいものを買ってあげる、といった工夫をしましょう。


(私の場合)
3個上の姉がいる2人きょうだいでした。
母親は姉担当、父親は弟(私)担当、という風に役割分担していました。

姉の方は「自分は厳しく育てられた」「弟は可愛がられてばかり」という思いを持っていました。
私に対して「あんたばっかり親に良い顔して」「怒られるのはいつも私」と言うこともありました。
姉の方がヤンチャな性格、私は静かで良い子な性格だったので(笑)、実際そうだったのでしょう。姉がいつも怒られがちて、私は「自分が荒れてしまったら家族が大変なことになる」と考えて静かにしていた・我慢していたという側面もありますが。

一方、幼い頃から家族一緒に遊ぶ機会が数多くあり、中高生になってからも、朝晩の食事は必ず家族で食べる(TVを付けずに会話を楽しむ)、家族旅行に行く等の習慣を親が意識的に作っていました。

おかげで、姉と私はなんだかんだ仲良く、受験期には姉から受験のアドバイスをもらったり、お互い大学進学した後も定期的に連絡を取って、就活のアドバイスをもらったり、(若い頃の)姉の恋愛相談に乗ったり、2人で飲みにいったりと、良い関係が続いています。30歳を超えた今でも仲良しです。

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(例)
NHKすくすく子育て情報:https://www.nhk.or.jp/sukusuku/p2018/762.html
ベネッセたまひよ:https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=29659
HugKum:https://hugkum.sho.jp/80050
エドュケアポイント:https://point-g.rakuten.co.jp/educare/articles/2018/kids_brother/


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