中学生・高校生における自学自習の基本

「子供の可能性を最大化する環境の要素」を書こうと思っていましたが、ふと「自学自習」について書きたくなったので、書きます。
「環境の要素」シリーズは後日書きます。

私が教え子達に身につけてもらっている「勉強のマインドセット」「勉強法」について書きます。
生徒自身に情熱・志と根気があり、適切な方法論を身につければ、今のレベルに関わらず、国立大くらいは余裕で狙える様になるでしょう。

おそらくこの①〜⑦に分けて書きますが、途中で変えるかもしれません。
①自学自習の重要性
②ワクワクする目標設定(長期・短期)
③教材を揃える
④日・週レベルのタスク設定
⑤部活やゲーム等、勉強以外の要素も加味した時間管理
⑥毎日の振り返りと方向修正

ベースとなる経験は以下の通りです。
・自身が地方公立校(北海道で50位くらい)の運動部・高3・Eランクから独学中心で東大理1に現役合格した経験
・東大・東大院在学時に塾講師・家庭教師として、クラスの平均点を目指すレベルから東大を目指すレベルまで、色々な中学生と高校生を指導してきた経験
・教育事業家としてオンラインで超個別最適化個別指導をして、「どのレベルからスタートしても学年トップを目指せる&東大を目指せる学習習慣・勉強法」をみっちり鍛えている経験


では、今日は①を書きます。

①自学自習の重要性
まず初めに、親と子のマインドセットを変える必要があります。
それは「塾に行くだけで成績が上がる」という大きな誤解です。
「有名な塾に行ってるから、大丈夫」「先生の解説がわかりやすいから、きっと成績も上がる」などと思っている場合は、考え方をすぐに変えましょう。

私が東大に入学した際、北海道のNo.1公立校の友人が、同学年の北海道出身者を集めて「北海道民会」を開いてくれました。
そこには北海道の文系・理系Top5くらいの人達が集まっていたのですが、「塾に通っていなかった」人が過半数を占めていました。
何が言いたいかというと、「自学自習を極めることが、成績向上への最短経路」ということです。
彼らは、「自分が最もやりやすくて、最大効率で成績を上げられる学習習慣と勉強法」を自分なりに確立していました。
尚、私も同じ考え方でした。受験当時、高3でテニス部を引退し、7月位から受験勉強を開始しました。当時の模試では東大はEランク。東大コースがある様な大手学習塾が近くには無い田舎に住んでいたので、「往復何時間もかけて、高いお金を払って、効果が不明な塾に行くよりも、自宅で勉強した方が効率がいいだろう」と自分なりに判断し、独学中心に決めました。その後、「どうすれば最短経路で自分の実力を上げて合格点に到達できるか」を最初に考え、毎日振り返り軌道修正しながら、戦略通りに実力を上げて合格しました。

これは、塾の存在を否定するものでは全くありません。
昨今は様々なノウハウやITシステムを駆使した素晴らしい塾があります。スタディサプリの様な自宅でできるサービスや、無料でわかりやすい授業を展開している教育系Youtuberの方もおられます。
私はある全国的に有名な塾の社会科のトップ講師の方と仲良くさせて頂いておりますが、専門知識の広さや深さ・(塾業界を超えた)業界での功績・引き出しの多さ・人間性・生徒との信頼構築等、抜群です。本当にすごい。私もこんな先生に習いたかった、と素直に思います。
このように「わかりやすく教えてもらえる環境」はかつて無いほど整っています。
これは素直に喜ばしいことです。多くの子供達が救われているでしょう。
教育をより良いものにしようという、関係者の志に頭が下がります。

しかし、それを受け身の姿勢で使っているだけで成績が上がるなら、全員東大やハーバードやMITに行ってますよね。

勉強の本質は「自分の頭を使って考え、出来ないことを出来るようにする」という「自分で自分を育てるプロセス」です。

・考えながら教科書を読み、頭の中でストーリーや理論を構築する。
・難しい問題に挑戦して、うんうん唸って考えてようやく答えに辿り着く。
・解けない問題の解答をじっくり読んで「なぜ解けなかったんだろう?自分に足りなかった知識や考え方、発想は何だろう?」と徹底的に考える。
・必要な知識や考え方や発想を身につけ、自力で解ける様になるまで何度も挑戦する。

この様なプロセスに真正面から向き合わないと、成長はしません。
自分を客観的に把握し、不完全な自分から逃げずに、戦う力が必要です。

AI教材で「自分の苦手を自動的に分析して、問題を出してくれる」というのがありますが、それを自分自身の力で、自分を客観視して見つけにいき、ピンポイントで克服していくのです。
その過程で、メタ認知力、課題解決力が身につきます。
このスキルは社会人になっても頻繁に活躍します。

勉強時間が長いのに成績が伸びない子は、大体コレが出来ていません。

受け身の勉強がダメな理由は、勉強の本質である「自分を成長させる」に向き合っていないからです。
自学自習を大切にすべき理由は、勉強の本質である「自分を成長させる」に向き合うためには、自学自習が必要だからです。
もちろん、机に向かって漫然と教科書を眺めたり問題を解くだけでは、意味がありません。
「最も効果的に自分を成長させる」ことに全力で取り組む必要があります。


私が生徒に接する時も、「自分の育て方」を身につけてもらうのが一番効果的だと思っています。

教え子には「勉強の本質ってコレだから。」という話をして、どの様に教科書や問題に立ち向かうかを都度都度解説し、マインドセットを変えて習慣化を促しています。

生徒に「勉強を教える」時は、「自分でめっちゃ頑張ったけど、どうしても理解できない問題」のみをピックアップし、「どういう風にアプローチして、解答のどこがわからないか」を聞いてからピンポイントで解説します。
その後、生徒には「自分に足りなかったものは何だと思う?」「それを克服するにはどうすればいいと思う?」と深堀してもらい、必ず再挑戦して自力で解けるようにしてもらいます。


今日はこんなところで終わります。


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