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「未来は過去を変えられる」【映画感想】マチネの終わりに

人生は選択肢の連続である。私は、今となっては子供の頃からの夢であった小学校の教師になり、結婚して子宝にも恵まれたが、全て最善の選択をしてきたわけでは無い。むしろ間違った選択の方が多かったように思う。
 私は今まで生きてきた人生を振り返って「もっとこうしておけばよかった」と思うことは山ほどある。家族や友達、勉強、仕事...。今までしてきた間違った選択は消すことはできない。ふとした時に自責の念に駆られることがある。でも、私は今とても幸せである。そしてこれからも胸を張って幸せだと思えるようにしていきたい。
 この映画の中で「未来は過去を変えられる」と言うセリフがある。この映画で主人公の男女二人は、出会った時からお互いに惹かれ合う。しかし、それぞれを取り巻く目まぐるしい現実に向き合う中で、二人の間に思わぬ障害が生じ、二人の想いは決定的にすれ違ってしまう。表面的には大人のラブストーリーのようだが、私は「未来は過去を変えられる」と言う部分が一番大切だと感じた。映画を観終わった後、この言葉が心に残っていた。
 やってしまったことや物自体は変えられない。消すこともできない。でも、捉え方や気持ちの持ちようで見方を変えることはできる。悲しみや辛さが笑い話になったり、笑ってたことが時間とともに笑えなくなったりする。また過去は、新しい自分を生むきっかけにさえなりうる。
 人は、その時々でこれだと思った選択をしている。間違うことだってある。私は間違ってもいいと思う。間違えた時にそこから感じたことや、反省を次に生かしていければいい。自分で何度も上書きしていくのである。
 私は今までの間違った行動や選択を忘れずに、これからの未来を作っていきたい。自分の過去を肯定していける未来を作っていきたい。この映画はそんなふうに思わせてくれる作品であった。最後の福山雅治と石田ゆり子の表情には、温かな明るい未来が映し出されていた。

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