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新学期が始まりましたね。
皆さん忙しく毎日を過ごしているかと思います。

特に新任の先生は、かなりしんどいかと思います。
誰だって初めてはあります。しんどくて当たり前です。

でも、そのしんどさを未然に防ぐことができたら、それに越したことはないんじゃないかと思います。

今回の記事では、「未然に防ぐ」をテーマに、「学級崩壊が起こるクラスの特徴をご紹介します。

ただ、はじめに断っておきたいことがあります。

どの担任でも、どれだけの経験、キャリアがあったとしても学級崩壊は起こり得ます。だから、これから紹介する特徴を知り、そうならないように実践したとしても、絶対に学級崩壊が起こり得ない、というお約束はできません。

ですが、実は担任の指導の仕方によっては、学級崩壊をある程度、未然に防ぐことができます。


学級崩壊が起こるクラスの特徴

①担任が子どもの言いなりになるクラス
②担任が決めたことをコロコロと変えるクラス
③規律が守られず、子どもが好きがって振る舞うクラス
④担任がえこひいきするクラス

①担任が子どもの言いなりになるクラス


いわゆる迎合型の担任です。
例えば、体育の授業が雨で中止となったとします。
その代わりにどんな授業をするのか。

とある子が、「自由時間がいい」と言い出したとします。
その声が大きくなり、複数の子が「それがいい」と言い出しました。

担任としては国語の授業をやりたかったのですが、子どもの言いなりになり、謎の「自由時間」としてしまいました。

問題点は、子どもがクラスの重要な「授業」の決定権があることです。
授業で行う教科を決めるのは、担任です。
なぜなら、担任が学校教育のクラスにおける責任者だからです。

企業の社長も、自分の事業の重要な決定を部下にさせることはしません。なぜなら、部下は責任を取れないからです。

たまに勘違いする先生がいます。
「私は子どもとの対話を大切にしています。だから、子どもが話したことをよく聞き、子どもが主体的に物事を決めていってほしいと考えています。だから、自由時間がいいと言ったのなら、その主体性を尊重したい」

学習に対する主体者は子どもですが、学校教育の主体者は教師です。そしてその教師は、学習指導要領に則った各地方自治体ごとのカリキュラムに従って各学校に指導計画を立てさせます。

そして各担任は、学校におけるカリキュラムに従って毎時間ごとの授業内容を決めるのです。
子どもが勝手に決めていいわけではありません。

当然、単元における学習計画を子どもと話し合って決める、という学習内容はありますが、それも指導要領ありきです。そこから大きく逸脱しないように計画することが大切です。

子どもに忖度は必要ありません。子どもの顔色を見ない。
それは個別的配慮ではありません。ただの迎合。ただの責任転嫁です。
迎合していくと、子どもはどんどん自分勝手な理屈で主導権を握ろうとします。
学級のハンドルを握るのは、あくまで教師です。

②担任が決めたことをコロコロと変えるクラス

これは、①の迎合型の教師によくある特徴です。

先生「雨が降ったので体育は中止とします。代わりに国語のテストをします。」
子ども「えー! いやだ! やりたくない! 学活がいい!」
先生「わかりました。では学活をしましょう。」
子ども「えー! 学活より、読書の時間にしたい!」
子ども「テストしたかったー!」
先生「ええと…じゃあやっぱりテストをします。」
子ども「えー! ひどい! さっきはやらないっていったじゃん! 先生ウザ!」

声が大きい子がでしゃばって、勝手なことを言います。
なるべく揉めたくないので、教師がいいなりになると、他の声の大きい子が別のことをしたいと言い出しました。結局担任の先生は、自分の決断をコロコロと変えることになりました。

これでは、残念ながら信頼を得ることができません。
もし結果的にテストをやることになったとしても、「テストをやりたい」と主張した子の機嫌を取ることはできません。なぜなら、そう主張した子は後ほど他のことをしたかった子から責められるからです。

そして、せっかく先生が言うことを聞いたのに、結果的には担任を逆恨みすることになるのです。

先生がさっさと決めてくれれば、私達は文句をいわれなかったのに。

こう思われてしまうのです。

担任が一度決断したことについて、コロコロと変えるのはよくありません。
どんな決断をしたとしても、そこに反対する子はいます。
ですが、「先生が決めたことなら仕方がない」と思われるなら、それまでです。

先生は決めたことを覆すのはおかしい、という風土がクラスにあれば、反乱されることもなければ、無駄な反発を生むこともないのです。

テストをやります、と言ったときに、もし「えー!」と言われたのなら、先生がテストをやると決めた理由を真剣に話せばいいのです。

ただ、頭ごなしで「いいからやるんだ! だまれ!」と言うのは、よくありません。
きちんと理由があるんだってことを、プロとして伝える。
そうすれば、反乱されないし、学級崩壊の芽を潰すことができるのです。

③規律が守られず、子どもが好きがって振る舞うクラス

これは、わざわざここで説明するまでもありませんね。
規律が守られないクラスは崩壊します。

授業中に私語が多い。普通におしゃべりして、担任や友達の話を聞かない。
挨拶をしない。名札をつけない。教室内を走り回る。 などなど。

学習規律も生活規律も、守らなくてもいい、と子どもに思われては終わりです。
ルールは子どもを縛り付けるためのものではなく、子どもを守るためのものです。
ルールを守るから、子どもの学習や生活の安全が守られるのです。

ルールを守らないことを注意しないということは、教師はそのルール違反を認めている、ということになります。そうなると、子どもの中に「このルールは守らなくても注意されない。なら真面目に守る必要ないな」そう思われてしまい、終わります。

規律を守らせるのは、教師として当然のことです。

ただ、一つだけ注意してほしいことがあります。
それは、常にルールのことばかり押し付けて、授業のテンポを崩したり、授業の殆どを注意ばかりに費やしてはいけません。

ときには寛容に、うまく受け流しつつさらっと注意し、さっさと学習を続けることも大切です。
さらに、特別な支援が必要な子もいます。
以前はクラスに4%いる、と言われてきました。
(今ではもっと多くて、2割程度という認識です)

そういう子にルールを押し付けても、そもそも特性上守ることが難しい場合もあります。
そういうときこそ、担任の「適切な合理的配慮」が求められます。

教師は、教育の専門職です。
そういう難しい子と相対するとき、ルールをどう語り、守らせるか。または、守らせるように促し続けるか。

難しいですが、担任として向き合わなければならない課題ですね。


最も大切なのは学習。子どもは学習権をもっています。

規律を守らせ、確実に学習を進める。大切なことですね。

④担任がえこひいきするクラス


特定の誰かだけを厳しく叱り、特定の子には常に優しく接する。
えこひいきは、シンプルに子どもに嫌われます。

つい教師は、いわゆる「優秀な子」に注目しがちです。
そして、「やっかいな子」を注意しまくりがちです。

わかります。わかりますよー! 私もそうでした。

でもこれ、よくありません。

いわゆる「やっかいな子」も絶対にいいところがありますし、「優秀な子」にも弱点があります。
それにそもそも、みんなちがって、みんないい、じゃない?

さらに、教師の「目線」も重要です。

子どもに何か発問を投げかけたときに、つい挙手をしている子にばかり注目してしまっていませんか?

黙っている子、首をかしげたり、ニヤッとしたりと、黙っていても反応してくれる子がいます。
さらに、何も反応のない子に目線を合わせて、話してみるのもいいですね。

えこひいきをしない。


未然に芽を摘む

これらの状態では、残念ながら学級崩壊のリスクが高いと言わざるを得ません。
そうならないために担任としてできること。それは、上記の特徴とは逆のことをすること。

そして、「学級崩壊の芽を未然に摘む」ことです。

学級崩壊の芽と摘み方は、いろいろなものがあります。

・子どもに迎合しない。
・一度決めたことをコロコロと変えない。
・規律を守らせる。
・子どもをえこひいきしない。

【ケーススタディ①】教師が言ったことに対して反発してきた子がいた。その場合どうするか。


→反発してきた内容を聞く。
 クラスの皆はどう思うかを聞く。
 反発してきた子に、どうしてその発言をしたのかを問う。
 教師が言ったことの意味を、もう一度わかりやすく噛み砕いて説明する。 
 子どもが引き下がったら「納得してくれてよかった。話を聞いてくれてありがとう。」という。

【ケーススタディ②】子どもの意見に惑わされそうになる。


→子どもの意見は聞いても、「やるべきこと」と「理由」を考え、そのことを子どもにわかりやすく伝える。
 1度決めたことをコロコロと変えない。

【ケーススタディ③】授業中、私語をしている子がいた。


→注意してやめさせる。
 私語をせずに授業を受けている子を認める。感謝する。
 注意してやめさせたあと、私語をしない状態でいることを褒める。
 私語が学習に与える悪影響を語る。
 私語OKタイム(話し合いタイム)を取る。
 授業に関する私語だった場合は、その内容を全体に話し、認め、その後に私語ではなく手を挙げて発言してほしいことを伝える。

【ケーススタディ④】よくできる少数の子だけで授業が展開されていく。褒めたり認めたりする子も偏る。


→黙っている子に問いかける。
 指名する。
 小グループで相談させる。
 ノートに意見を書かせ、丸付けチェックした後に発言させる。
 授業に参加することの意義を伝える。

4月も中旬になると、少しずつ子どもの本性?が見えてきます

 はじめは緊張感をもってクラスにいた、猫かぶり状態の子どもたちも、そろそろ本当の姿?を見せるころになってきます。
 それを「荒れ」と捉えるか、それとも「あるがままの姿」と捉えるか、「自分らしい姿」と捉えるかで、随分心持ちも違うのではないでしょうか。

 猫かぶり状態の子どもが理想なのではありません。それは、緊張をずっと強いていることにもなるわけです。
 かといって、緊張感のない授業・クラスは崩壊していきます。程よい緊張感の中、学習にしっかり取り組む。そんな姿を目指したいものです。

 子どもには必ず気が緩む時期があります。
 それでいいんです。それも大切です。
 バネが伸びる前に縮むように、それぞれの姿があっていい。

 ただ、荒れ続けるのを放置しては、子どもの学習権が保証できなかったり、いじめや傷害事件などの、重大案件になっていく恐れがあります。

 荒れてからでは、遅い場合が多いです。
 荒れる前に、「芽を摘む」。
 小さいうちに摘むのは、難しくありません。ぜひ物怖じせず、時には「鬼の片鱗」を見せることも、大切だと考えます。



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