見出し画像

先生に必要な資質ってなんですか?

という質問をいただきました。

今回は、

「のんたが考える教員の資質」

についてです。

名称未設定のノート (1)-2

私が考える「教師の資質」とは、

上記の図のようになっています。

ちょうど氷山のようになっていて、

一番上が最も見に見える力であり、

海の下に行けば行くほど

目には見えない資質や能力となります。


それぞれ、上から

①授業力

②コミュニケーション力

③子ども理解力

④学級経営力

⑤人格

となっています。


これら5つの資質能力が

バランス良く習得することが、

優れた教師になるために

重要だと私は考えます。


※初めに断っておきますが、これは理想論であり、私自身が偉そうに言うことのできるようなものではありません。私自身もまだまだ本当に未熟であり、このような資質があるかというとありません。

では、それぞれ順番に解説していきます。

①授業力


授業力とは、

子どもの能力や

可能性を引き出し伸ばす

授業を行うスキルのことです。


授業力とは、純粋にスキルです。

習得していくものです。

なので、授業力を磨くことで練磨され、

より効果的に授業を行うことが

できるようになります。


また、世の中には

素晴らしい授業実践がたくさんあります。

それらを学び、

自分の実践に取り入れることで

授業力を伸ばすことができます。


校内や地域の学校との「研究授業」は、

まさにこの授業力を高めるための取り組みです。

そして、

多くの先生がフォーカスするところも

授業力の向上です。


ですが図で見ていただけると分かるように、

授業力は氷山の最も上部に位置しており、

最も目に見えるものとなります。


なので、授業力にフォーカスしがちですが、

その授業力を支える下部構造があり、

それらの構造に支えられて

授業力が成り立つわけです。


そもそも、他の優れた実践をしたとしても

その下部構造が違う状態で実践したところで

全く同じ結果が得られないということは、

想像に難くないでしょう。


授業力を高めることは重要ですし、

もっとも簡単(というかシンプル)だと思います。

やり方の型を学び、

そのまま実践すればいいだけなので。


ですが、担任の先生なら

おわかりいただけるかと思いますが、

担任しているクラスの実態によって

授業のやり方をアレンジしなければ

うまく行かないですよね。


なので、授業力を高めるということは、

1.優れた実践の型を学ぶ

2.自分のクラスの実態を考慮して、その型をアレンジする

ということになります。


授業力を向上させるためのアクションプランは…

1.書籍を読む(教育技術や専門書籍)、ネットで調べる
2.学習指導要領や指導書・赤本などを読み込む(教材研究)
3.授業実践(指導案など)を読んだり、実際に研究授業を参観する
4.先輩の先生から学ぶ

ということができます。

よく言われるように

学習指導要領は教師の教科書です。


少なくとも自分の受け持つ

学年の指導要領に目を通し、

教科書はどのようなことを想定されて作られているかや、

評価の規準・基準を知っておくようにしましょう。


また、書籍はテーマや学年によって

分かりやすく纏めてあるものが多く、有効です。

冬休みなどを利用して、

1冊でいいので読んでみることをおすすめします。


研究授業を見て学ぶという方法もありますが、

研究授業の内容をそのまま

ご自分のクラスで実践するのは難しいでしょう。


それより、このやり方はいいな、とか、

このような考え方で単元を組み立てるといいんだな、

というように、

エッセンスをいただく感じがいいかと思います。

つまみ食いしたっていいじゃないか。


②コミュニケーション力

コミュニケーション力とはそのまま、

子どもとのコミュニケーションの力です。

優れた教師は、

子どもとのコミュニケーションが上手です。

1対1だけではなく、

1対多もコミュニケーションとしています。


先生は基本的に

クラス全体に向かって話をします。


そのときに、

どのように話せばうまく話している内容が伝わるか?


なんとなーく思いついたことを

思いつきで話すのではなく、

意図して、思考して話すことができる。


そして、子どもが受け取りやすい形で提示する。

授業におけるコミュニケーション力は、そういう意味では授業力そのものの一部でもあります。

ただ、授業以外にもコミュニケーションをする場面はあり、

個別指導の場面や生活指導での場面、他愛のない休み時間のおしゃべりや、声掛けの場面。
問題行動への指導の場面。

それらも含めて、

コミュニケーションを円滑に行うことで

教師としての役目を果たすことができます。


子どもを指導するのは、

大人と話すのとは違う話し方が必要です。


また、1年生に話すのと、

6年生に話すのでは

全然話し方が違う必要があるのは

当然ですよね。


なので

円滑なコミュニケーション力は

教師の必須スキルです。


ちなみに

同僚とのコミュニケーションや

保護者とのコミュニケーションも大切です。


子どもだけを相手にするのではなく、

大人とのコミュニケーションも大切なのです。

1.子どもに合わせたコミュニケーション
2.同僚とのコミュニケーション
3.保護者とのコミュニケーション

これら3つのコミュ力を鍛えて、

スキル化していくことで、

教師の資質は向上するでしょう。


それぞれに詳細を述べることはここではできませんが、

またどこかで扱っていきたいと思っています。


③子ども理解力

子ども理解力とは、

子どもの性格や特性などを理解し、

その子に合った話し方や指導の仕方を適切に行うための力です。


子どもは十人十色です。

当たり前ですが

それぞれ性格も能力も特性も全て違います。


その違う状態の子どもを

いっぺんに面倒みるわけですから

教師は難しい仕事です。


30人の集団がいたとしても

それは30人それぞれの個性を把握し

適切に対応することは

担任をしていると

いつの間にかなんとなくつかめていくことができます。


「この子はこういうことが苦手だから、こういう手を打とう」

と、場合によって

対応を変化させることができるようになります。


どの子も同じように接するのが平等だ

という考え方もあるかもしれませんが、

それは事務的に対応することに繋がり、

保護者への不信感や子どもへの

指導のミスマッチが起こる可能性があります。


全体主義的なアプローチは

今の時代には馴染みません。


子どもを理解する力は、

まさにコーチング力と言い換えられます。


また、大学で勉強した「発達心理学」は

この部分の資質に直接関わる分野でしょう。


理論的に学んでおくことで、

個別の子どもへの対応が

上手にできるようになるかもしれません。


また、子どもを理解するためには、なにより

教師自身が子どもと向き合うこと

が重要です。

もっと簡単に言うと

子どもに興味をもつこと

です。


30人のうちの一人という見方では、

商売相手にしか見えなくなり、

一律の個に応じない指導になりがち。


子どもに興味をもち、

じっくり観察してみてください。


行動や言葉に傾向が見えてきます。

その傾向がそのまま、その子の個性です。


そしてその個性を否定するのではなく、

現状だと把握し、

行く先を導いてあげるのが教師の大切な役割です。


この「子ども理解力」からは、

顕在化せずに、潜在しています。


ただ、この子ども理解が

できていないまま授業したり

コミュニケーションを取ったりしても、

なかなかうまくいきません。


よく「子どもとの信頼関係が重要」

みたいな話があると思いますが、

それはまさに

「教師が子どもを理解すること」であり、

もっというと「子どもが先生を理解すること」

でもあります。


担任の先生が急に休むとクラスがガタつくのは、

私達を理解してくれる人がいなくなるからであり、

当然の結果でもあります。


④学級経営力

学級経営力とは、

子どもたちが安心して

生活することができるためのクラスづくりの力です。


教師は指導者であり経営者でもあります。


30人の集団を統べるリーダーとして、

子どもたちが根源的な不安や困難を抱えないように、

学級内のシステムを作ったり、

人間関係を調節したり、

よいことをよいとする雰囲気を作ったりと…

先生の役割は重要です。


子ども集団は

放っておくとあらぬ方向に進んでいきます。


荒れたり

いじめたり

授業を妨害したり…


でも、それらは

教師のリーダーシップを発揮した指導により、

ある程度は防ぐことができます。


ですが、どんなにリーダーシップを発揮したとしても、

いじめは起こるし、問題は多発します。


それは仕方ないことなのですが、

放置しておくと絶対に問題が起こります。


学級経営の構成要素としては…

1.係や当番活動(給食・清掃活動など)の進め方
2.朝の会・帰りの会・学級会など
3.授業中の学習規律
4.休み時間の子ども同士の関わり方や、学校での過ごし方のマナー

これらの要素があります。

それぞれの要素における大切なことは様々ありますが、

まずはこれらの項目があることを抑えておいてください。


⑤人格

人格とは、教師の性格や価値観です。

氷山の最も下部に位置しており、

教師の資質を支える最も基礎となる部分です。


教師自身がどう生きているか。

教師自身がどのような価値観をもって生活しているか。

教師自身が目指す社会像を明確にもっているか。

そもそも、教育に興味があるのか。やる気があるのか。

1.経験
2.性格
3.人間性
4.哲学や理念・思い
5.教育に対するやる気・情熱

これらが、人格の構成要素です。


教育において、

自分自身というリソースが最も重要です。


小学校の先生は、

教科書を使って授業を行いますが、

子どもが最も影響を受けるのは、

先生そのものからです。


先生がどんな行動をしているかを見て学ぶ。


先生がゴミを拾うなら、

子どももゴミを拾うようになる。


先生がゴミをそのままにしておくなら、

子どももゴミをそのままにしておく。


先生の言葉遣いをそのまま真似る。


先生が個別指導で

どう接しているのかを見て真似る。


先生が「良し」とするラインが、

子どもにとっての「良し」とするラインになる。


先生のよき人格が、よきクラスを作る。


異論はあるのは認めますが、私はそう思います。


ただ、一つ注意してほしいことがあります。


「良き人格をもっているからといって、

良き先生ではない」

ということです。


あれ、矛盾しているように聞こえます。

でも、


良き人格を持っていたとしても、

・経営が下手くそ

・子どもを理解していない

・コミュニケーション不足

・授業が下手


こんな先生には誰もついていかないわけです。


そもそも、教師は「授業で勝負」します。

学校で生活していて

子どもが教師と接する場面の8割は

授業中なわけです。


なので、教師の優れたものの考え方や価値観は、

授業中に伝えることになるわけです。


授業を通して、ものの見方や考え方を養い、

子どもの多様な価値感を学ばせていく。


そのためにはきちんとした学級経営が必要ですし、

子どもを理解してコミュニケーションを取らないといけない。


人格はスキルではありません。

学ぶことはできますが、簡単ではありません。


先生自身が日々をどう過ごしているのかが問われます。


まぁ、だからといって

「休みの日も清く正しく生活する」

必要なんて1ミリも必要ありません。

教師自身が世の中の様々な価値観を知り、様々な経験をして、たくさん遊んで、たくさんいいことも悪いこともすればいいのです。
そして人生経験を積めば、あなたの人格が味のあるものに変化していきます。

教科書通りの先生にだって、

子どもはきっとついていきます。


でも、正しいことは正しい、

とだけ言う先生と、


正しくないことだとわかっているのに

やってしまう人がいることも世の中の事実だ、

と言う先生。


どちらが魅力的な先生でしょうか。


私は、せっかく子どもたちに接することのできる

稀有な仕事である教職に就いているなら、

世の中の様々な価値観を教えたり、

様々な経験を通して

知ったことや考えたことを子どもに伝えたい。


そう考えています。


自分自身の人格を磨くのは難しいし、

私自身大した人間ではございません。


間違ったことも悪いことも

たくさんしてきました。


でも、色んな経験をしたからこそ

知っていることがあります。


それもまた、教師の資質であり、

教師の魅力なのではないでしょうか。


最後に

今回は年末ということで、

ぜひ皆さんに教師の資質について

俯瞰していただきたく、

この記事を書きました。


私が今までに上げた記事も、

この5つのカテゴリーの

どこかに入る記事です。


ぜひ年末は、この記事を読んでいただき、

自分の得意分野や

足りていない分野を見つけ出し、

自分を磨くことをおすすめします。


今回の記事も長くなってしまい

申し訳ありませんでした。

年末ですね、よいお年をお迎えくださいませ。


10年以上の経験を元にお伝えする方法論です。もっと知りたい方、是非フォローお願いします!

このnoteでは、10年以上教職を務めた筆者が見つけ出した経験に基づく方法論をお伝えしています。この世の中に「月曜辛い」先生が少しでも少なくなるように、特に若い先生がこの仕事が嫌にならないようにするために、精一杯記事を書いています! よかったらnoteのフォロー&ツイッターフォローをお願いします! フォローすると最新記事がトップ画面に表示されるようになり、便利ですよ。

ツイッターやっています。フォローをお願いします!
フォロアーが増えてきました。先生からのフォローは必ずフォローバックします。特に私は経験の浅い先生のための自己研修のために記事を上げています(学びにならない内容だったらあなたはもう立派な一人前の先生です)。

ぜひ、フォローをよろしくおねがいします!


よろしければサポートよろしくお願いします。サポート頂いたら、これからの若手教員を助けるための活動に使わせていただきます!