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あなたが見ている世界は、客観的で誰にとっても同じ意味をもつ世界ではありません。

あなたが見ている世界は、あなたの一部です。

見ている人によって、世界の在り方や意味が違っているのです。

私は大学時代に学んだ哲学で、このような考えを知りました。

え、世界ってひとつじゃないの?

客観的な事実としての世界が存在していて、それを私達がそれぞれ知覚しているんじゃないの? 誰にとっても椅子は椅子でしょ。


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学生時代の私は、絶対的な真理があって、それが隠されている、と考えていました。

叡智を集めた哲学を学ぶと、その世界の真理を知ることができるのでは? と考えました。

でも、哲学を学ぶと、そうじゃないという学説ばかりが見つかるようになりました。


たったひとつの真理があるわけじゃない。


例えば、1個のリンゴがあったとします。

そのリンゴは、人によっては、「甘いもの」という意味をもつ場合もあれば、「赤いもの」という意味をもつ場合もあります。

また、「日本産」や、「せかいいち」という意味をもつ場合もある。

人によっては「禁断の果実」という意味をもっていると考える人もいますし、「田舎のおふくろ」を意味する場合もある。


リンゴ一つとっても、人によってそこに見出す意味は違います。つまり、世界の在り方は誰にとっても同じで、その同じものを私達が知覚しているのではなく…

私達が知覚するあるがままの世界が、世界として認識されているに過ぎないんですよね。

人が違えば世界に対する解釈も違う。

ドイツの哲学者のハイデガー先生は、このことを「世界内存在」と呼びました。人間は世界内存在。私達人間は、世界の中に存在しているものではなく、世界そのものが人間の在り方を示しているのだ、と。

多分そんなことを言っていました(間違っていたらごめんなさい)。


もう少し例を示してみます。

みなさんもご存知かと思いますが、日本人にとっては普通でありふれたジェスチャーが、外国の人にとっては「タブー」だということがあります。

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例えばこのピースサイン。日本人にとっては最も親しみのあるジェスチャーですが…

ギリシャ人にとっては、「くたばれ」という意味になるそうです。

そんなことも知らずにギリシャで記念撮影していると…誤解されてしまうかもしれませんね。

「人によって世界の見え方、在り方はそもそも違う」ということ。

教員の常識、世間の非常識。

このことを腹の底に落としているかどうかで、人間理解、児童理解って変わってくると思うんですよね。


独りよがりになっていないか

私達教師が最も陥りやすい罠は、「独りよがり」になることです。

子どものためを思って指導しているつもりが、いつの間にか自分を守るためのプライドによる指導になってしまう。

教師あるあるだと思います。

正論を振りかざすことだけが、教師の仕事ではないはずです。

当たり前のことを「当たり前だろ」と指導するのはとっても簡単です。

でもこの世の中、「当たり前」がまかり通らないことばかりですよね。

例えば、友達と3時に会う約束をしていた子がいたとする。

その約束の場に行く途中、道でうずくまっているおばあちゃんを見つけた。

声をかけると、足をくじいてしまって動けないでいたのだ。

おばあちゃんを助けると、友達との待ち合わせに間に合わない。

約束は守るものだ。

さぁどうしよう…。


こういう場面こそ、人間性が出るというか、色んな価値観、色んな方向からどうすればいいかを考えられると思うんです。

子どもにこの場面を問いかけると、様々な答えが返ってくるでしょう。

・助けるべき
・友達との約束を守るべき
・友達に事情を話して協力して助ける
・近くの大人を呼ぶ
・無視する

などなど。

そのどれが正しくて、どれが間違っているかなんて、どうでもいいんです。

あなたが正しいと思った行動が、あなたを形作り、あなたの世界を創る。

教師は、その色々な価値観を多角的に提示し、その上で「自分ならこうする」と話せばいいんです。自分の価値観を押し付けるのではなく、先生は一人の人間として、こうする、と話す。

その上で、皆に考えて貰えばいいんです。


私達教師は独りよがりに陥りやすいです。

特に、集団行動をさせるときに、そこから外れた子に対して、その子が外れてしまった理由や事情を考えず、頭ごなしに指導しがちです。

集団行動は大切かもしれませんが、それ以上に大切なものもあるんじゃないかなって思うんです。

集団行動から外れる子は、あなたにメッセージを送ってくれています。その声に耳を傾けてみましょう。

そして、その子の描く世界を、一緒に眺めてみましょう。


私達大人の、教師の価値観とは違うものが、見えてくるんじゃないかなって思います。



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PS

「世界〜は〜ひ〜とつ〜」って歌ありますよね。ディズニーでいうイッツ・ア・スモールワールド。

いろんな価値観を持つ人があつまり、1つの共同体を形成する。

それって、絵空事に思えます。

でも、その夢想を追い続けることもまた、大切なのかなって思うんです。

「こいつとは価値観が違うから、関わり合わないようにする」なんて考え方、つまらないじゃないですか。

世界観が違う人種、描く世界が違ってこそ、交わる面白さがあると私は考えます。

「みんな違って、みんないい」

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