「子どもをどうやって叱ればいいかわかりません。」という質問をされます。
特に、経験の浅い先生に多いです。
自分は叱られたこともあまりなく、人を叱った経験もない。
そんな若い子が最近は多い気がします。
そんなあなたのために、この記事があります。
この記事では、「モンテッソーリ教育」を元にした、「褒め方・叱り方」について、この書籍を元に解説します。
皆さんお忙しいとは思いますので、短くいきます。もしご興味がある方は、上のリンクからぜひポチってみてください。間違いない名著でございます!
今回の記事は、褒め方・叱り方のなかでも、「褒め方」について扱います。もし反響が大きかったら、「叱り方」の記事もリリースしようと考えています。ぜひ、この記事を読んでいただけた方はご感想をいただけたらと思います。
条件付き子育て
まず大原則として、「条件付き子育て」をしてはいけません。
条件付き子育てとは、
いいことしたからご褒美をあげる。
悪いことをしたから罰を与える。
ということです。
特に、いいことをしたから褒められる、というのは危険だそうです。
なぜなら、「親の愛は無条件であるべきだから」。
条件付きの愛というのは、相手を支配してしまいます。「褒められたいから頑張る。」
頑張るから褒められるというのは、逆を返せば「頑張らなきゃ褒められない」ということになります。これでは、子どもは常に親や教師の評価を気にしてしまうことになります。
褒美と罰を使って教育するのは、動物をしつけるのと同じです。
愛は無条件であるべし。
さらに、愛情を餌として褒めたり叱ったりすると、子どもの自己肯定感も下げる結果になります。
親の言うことを聞くと褒められ、言うことを聞かないと叱られるのであれば、言うことを聞くから自分に価値がある、言うことを聞かないならば自分に価値はない、と考えるようになってしまいます。
さらに、もしご褒美と罰を使って教育され続けたら、その子どもが親になったときに、真似をしてしまうようになります。
愛情というご褒美と罰があまりにも強力なため、自分も繰り返してしまうことも起こります。
学校で言うならば、教師が行うアプローチを、クラスメイト同士でやるようになる。
では、どうすればいいのでしょうか。
条件付きの教育ではなく、無条件の教育を行うための5つのポイント
1.口癖を変える
褒めたり叱ったりするのが自分の口癖になってしまっている場合があります。その口癖を認識し、変えるだけで効果があります。
2.子どもに対するイメージを変える
この子はきっとできないだろう。この子はダメだ。そう考えるのではなく、この子はきっとできる。この子はすごい、と、その子を子どもとしてではなく、一人の人間としてリスペクトする。そうすることで、子どもに対する見え方が変わってきます。
3.リーダーとしての立ち位置
親や教師は、子どものリーダーとして振る舞ってほしいです。こういう風に育ってほしい、こういうことはしてはいけない。親や教師が示した上で、それを率先して教師が行う。率先垂範です。私達大人が、子どものリーダーとしてのロールモデルになることが大切です。
4.要求の発達段階での見直し
発達段階によっては、私達の要求が子どもの発達段階とずれている可能性があります。その子が何年生なのかによって、できる行動は違って当然です。過度な要求をしていないか、見直してみましょう。
5.子どもに対する長期目標をもつ
この子にどういう子になってほしいか、という長期目標を自分の中で持ちましょう。ここがはっきりしないとブレてしまいます。
やってはいけない褒め方
1.おざなり褒め
ちゃんと見ていないのに、なんとなく「すごいね」と言ったり、「かっこいいね」と言うことです。
どう褒めればいいかわからないから、適当に褒めると、それが子どもに伝わります。そして、「自分は頑張ってもちゃんと見てもらえないんだ」という気持ちにさせてしまいます。
それどころか、「自分は何をやっても無駄だ」と考えるようになります。
2.人中心褒め
これは、「君は天才だ」とか、「あなたは優しいね」という褒め方です。
行為を褒めるのではなく、その子の性格や性質を褒めるのは、危険です。
なぜなら、天才だと言われた子はこれからも誰よりも優れていなければ褒められない、と考えるからです。
優しいと言われた子は、自分が優しくないときもあるのに、「優しいと言われるからいつでも優しくしないといけない」と考えるようになってしまいます。
これらの2つの褒め方は、教師や親はやりがちですよね。私もこの話をノートにまとめながら、「あー、できてないなぁ」と思っている次第です。
上手な褒め方=プロセスを褒める
プロセス褒めというのは、プロセスや経過を褒める、ということです。
結果にフォーカスするのではなく、過程にフォーカスする。
例えば、この本の中で「宿題を早く出して偉いね」と褒めたときのことを事例にあげています。
結果を褒められたその子は、その後、クオリティはどうであれ早く宿題を出すようになったようです。
中身がいい加減でも、褒められたいから早く出す。誤学習をさせてしまったわけです。
プロセスを褒めるときには、「具体的に」褒めましょう。
なぜ褒められるのか、理由を具体的に描写します。
「逆上がり、上手になったね。休み時間たくさん練習したんだって。すごいね。苦手なことを努力できるんだね。」
そして、褒める言い方が思いつかない場合は「インタビュー」しましょう。
オープンクエスチョンで、どういう風にも答えられる質問を投げかけてみます。
例えば、
「逆上がり、前よりうまくなったね。どうしてこんなにうまくなったのかな?」
とか
「逆上がりができないときに、ふつう諦めると思うけど、諦めずに頑張ったんだよね。どうして?」とか。
そうして、子どもが言ったことに対して褒めるとうまくいきます。
最後に
今回は「褒め方・叱り方」の中の、褒め方について記事を書きました。もし反響が大きかったら続編を書きたいと思っています。ぜひご意見をお寄せください!
追伸
中田敦彦さんのyoutube大学でも、この本のことが取り上げられています。興味のある方は、ぜひ御覧くださいませ。(ちなみに、この記事もこの動画を参考に作らせていただきました。感謝申し上げます! 大ファンです!)
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