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『老後とピアノ』と私

年末から年始にかけて稲垣えみ子さんの『老後とピアノ』を読んだ。何人もの方のこの本のレビューを読んでいて『私も読みたいな』と思っていた本だった。

読み始めるとまぁ、著者の稲垣えみ子さんとなんと共通点があることか‼️
そうだよね、そうだよねと自分を重ねながらの読んだ。

まずピアノ歴、一緒。
小学生の頃『イヤイヤ』ピアノを習っていて、中学生になると『クラブ活動が忙しい、塾が忙しい』とピアノをやめた。
それから40年経った53歳でピアノを再開。
再開した歳も一緒。
子育てもひと段落し、少し自分のために時間とお金を使ってもいいかなというタイミンだった。

譜読みの力も落ち(消失‼️)、指も動かず、頭も回らず。そんなところも同じ。これは大人ピアノ再開組のみんなと通じるところか。

ピアノを再開してからYouTubeで多くのピアノ曲を聴き、ピアノ協奏曲を聴いた。今まで興味がなかったクラシック界に足を踏み入れ、ズブズブハマったのも一緒。

この下手くそ(私)が今後どこへ向かうのか、稲垣えみ子さんはどこに行こうとしているのか、その辺りも同じ感覚だと思った。

違うことと言えば、私は自分のピアノを持っていること(著者はカフェのピアノを借りて練習している)、いつも一人で弾いていること(著者は常連さんをバックに弾いている)。

世界中のピアノを弾いているのも凄い。ストリートピアノは上手い人が弾くんだろうと思っていて、なかなかその椅子にすわることが私はできないが、ピアノは上手に弾けなくてもその音が人の心に届くものだとも思う。

私はピアノは楽しみというより、どこまで自分が自分のことに本気になれるかを試すものであるような気がしている。

一週間前には弾けないと思っていたものが弾けるようになる喜び。この歳になってもまだ上手くなるんだという喜び。
その喜びに身を浸すには、やはり少しずつでも厳しい壁に登らないと。

楽器は人それぞれ付き合い方、向き合い方があるものだと思う。私には子供の頃のような時間はない。
いつまでこの指が動くのか、頭が回るのか、楽譜が読めるのか。
いつまでピアノを弾こうという気力は続くのか。

そんな諸々、稲垣えみ子さんと同じようなことを感じている。



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