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小4娘が文芸部に入った話


小4の娘が転校して1か月が経とうとしている。

去年不登校期間があったこともあり、どうなることやらと思っていた新しい学校生活。

「学校楽しい」「学校行きたい」なんて、
転校したからなるわけではなく、

「行きたくない・・行きたくない・・」だ。

「うんうん。行きたくないよな。」

無理に行かせることもないし、休むこともある。

それでも「前の学校よりは考え方変わってきたかも・・」とのことで、笑顔が増えていることにホッとする。


そんな娘、最近学校でクラブ活動が始まったそうだ。

「ママ、こっちの学校は4年生からクラブがあるんだって。私は文芸部に入ったよ」

学校から帰宅した娘が、ランドセルをゆっくり下ろしながらそう教えてくれた。

娘の様子からは、学校に慣れることだけでも大変なのに
クラブというまた新しい活動が始まることに、憂鬱そうに感じられた。


しかし、そんな娘とは裏腹に、私は少し興奮していた。


文芸部。


娘にぴったりのクラブじゃないか。


「文芸部ってね、お話を作って、そのお話に小さい絵を書いたりするんだって。お友達と同じ家庭科部とかもあったんだけど・・私には文芸部が合ってるかなって思って・・でも全然わかんないから心配なんだけどね。はぁ」

娘よ、案ずるには及ばないぞ。

なぜならば・・


私が、この時考えていたことはというと・・


バレる。

娘の才能が。
娘の「書く」才能が、世の中にバレるぞ。

ついに誰かの目に触れるぞ。

ということ。

娘は決して本が大好きというわけではない。

なんとなくやった方がいいらしいという情報により、娘が小さい頃には毎晩読み聞かせをしたりしていたがそれもたった1年ほど。(二人目の息子にいたっては、本を渡せば破って食べだしたので全く読み聞かせをしなかった)

それでも、私は娘は書くことが上手だと思うし、何より私は娘の書く文章が好きだ。

どれもこれも、情緒的で胸を打つ。

あまり使ったことないが、使ってみることにしたいのだが、
娘の文章は所謂「エモい」のだ。

この前は宿題の日記で、「小学校4年生は一度きり。自分の人生を楽しみたい」と締めくくられていた。

アインシュタインだったか・・伝記を読んだ時の感想文には
「目の前にないものを想像することで、何か作ることができて、夢は叶うと思う」といったようなことを書いていた。


小4で書ける?こんなこと書ける??
と娘の才能に親バカ全開になってしまう。


娘は感性が豊かなのだ。
そして、その感性は唯一無二だと感じる。

だから、文芸部では多いにその才能が発揮されるであろうと、私はワクワクしたのだ。

「文芸部娘にピッッッタリ。娘の才能がすごく活かされるね!ママも入りたいくらいだよ」

私は興奮を抑えつつ、娘にそう伝えた。

娘は、笑いながらいつもの通りおやつに手を伸ばした。

そして、本棚から本を取り出し、おやつを食べながら本を読み始めた。

なんてことだ。

文芸部効果だ。


帰宅後、TVでもなくYouTubeでもなく、
本を読むなんて。

奇跡である。

これは文芸部効果としかいいようがない。

ビバ文芸部


*********

そんな娘が一週間後に、クラブの第一回の活動をおえ、帰宅した。

そして、文芸部初回の感想と、書き始めたお話について教えてくれた。


内容は1〜4年生までの学校生活、2回の転校を振り返りながら、特に3年生の時をクローズアップして書くそうだ。

そう、不登校の期間だ。

大作の予感である。

「それでね、タイトルなんだけど・・・」

一体この学校生活を描く一冊にどんなタイトルをつけるのだろうか、、

「『自信がないからやってみた』にしたよ」

彼女の学校生活そのものには、こういうタイトルがつくのか。。そう思うと、なんだか胸がグッとなった。


「自信がないから、やってみた」
そんな気持ちで毎日頑張っているということなのだ。

「すごい作品になるね!楽しみ」
私は、グッとなった気持ちを押し込み、娘に声をかけた。

「はぁー疲れた。」

話を終えた娘はお菓子に手を伸ばし、
そしてYouTubeをつけた。

・・・・・帰宅後、本に手を伸ばしたのは、たったあの一回なのか?!

文芸部効果、短し。

いやいや。

よいではないか。

毎日学校で、自信がないから、やってみているのだから。

帰宅後。本を読もうが、Youtube見ようが。

家では、ゆっくりさせてあげよう。

そんなことに反応するんじゃないよと自分に言い聞かせる。

それにしても・・・

娘の文芸部の話だけで、ここまで心が揺れ動くなんて。

私の方が・・おそらく感性は豊かなのだ。

私も文芸部に入りたい。

いや、ここか。

このnoteが、文芸部の活動にあたるのか。


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