見出し画像

女子中高生の居場所「Pear Plant」さん にインタビューをして

今回、『女子中高生のための居場所 Pear Plant(梨の木)』の団体代表の安森正実さんからお話を伺うことができた。

安森さんは、自身の辛かった経験がきっかけで、24時間いつでも駆け込める場所を作りたい!という思いからこの団体を立ち上げたそうだ。

活動内容は、悩みを抱えた女子中高生(最近では男子も顔を出すこともある)が月に2回集まって、話したり遊んだりお菓子を食べたりするようで、なかなか楽しそうだ。時には夏祭りを開催するなどのイベントや動物園に行くなどちょっとした遠足のようなものがあり、参加すると毎回新鮮な経験ができそうだ。

画像1

これは実際、活動に参加させていただいた日の写真だ。ハロウィンパーティーだったので、お菓子とジュースを手に取る、ボディシールや血のり、グロテスクな仮面で遊ぶ、写真を撮る際の子どもたちは、笑顔が絶えなかった。初対面の私に対しては人見知りな一面を見せるものの、私もお化けの形をしたボディシールを首に貼ってもらった。


お話を聴いている中で、特に印象深かったエピソードがある。

警察署に駆け込んだけど、誰もいなくて、近くの出身小学校に行ってみたら、暗闇で作業をする人がいて、ごく普通の雑談を交わした。そこで今自分が抱えている悩みは話せなかったが、会話をすることによって気持ちが楽になる心地を味わったと安森さんは話す。

私も似たような経験をしたことがある。自分の中にある言葉を放ち、溜まっていたストレスを発散させることは多くの人々に経験があるのではないだろうか。

安森さんは、このような高校生時代の経験、気づきを原点として、「言葉を放つ場所・人を求めている人」を助けようと自ら積極的に行動した。大学生で認定NPO法人PIECESに所属するなど下積みを重ねた後、右も左も分からず手探り状態のなか、周囲に助けられながら、多くの苦労を乗り越えて団体を立ち上げ、今に至る。

現在も、大人のスタッフ集めや参加する子どもをどこで呼びかけるかなど悩みは尽きない。これからもっと大きな団体にしていきたいという話も聞き、安森さん自身の持つ、夢に向かって進もうとしている熱い思いを感じた。

「やり続けないと意味がない。」

団体を立ち上げ4年という月日が流れた。集う子どもたちには、時間とともにコミュニケーションや生活において変化が見られ、些細な出来事に喜びを日々感じていると話す。すごく嬉しそうに子どもの様子を語る姿を見て、これが団体継続のモチベーションになっているのではないかと思われた。

ターゲットを女子中高生にした理由は、自分が女子であり、学生時代に女子から相談を受けていた経験もあったからだそう。確かに、女子同士の方が話しやすいこともあるだろう。

青年期は、エリクソンの発達段階によると、アイデンティティの確立とアイデンティティの拡散が心理的課題として提唱されている。要するに、自分とは誰なのか、どんな役割で社会に所属するのか悩む時期なのだ。だから、悩みの内容は何にしろ、青年期に当てはまる中高生をターゲットに絞ったことについて、社会に求められているものなのかもしれない、とつくづく納得してしまった。

人間は誰しもひとりで生まれ、ひとりでこの世を去り、生きていくことに孤独はつきものだ。しかし、様々な人々と支え合うこと、交流することで自分が生きていることを実感することから分かるように、だれにも頼らずたったひとりで生きていくことは難しい。

Pearは安心・愛、Plantはつながりという意味が込められている。

きっとこの団体名には、交流を通じて子どもが自尊心を高め人を信頼できるようになり、大人になっても途切れない関係を築き、団体がいつでも里帰りできるような第3の居場所になるという思いも含まれているのだろう。

『女子中高生のための居場所 Pear Plant(梨の木)』さんが、これからも多くの女子中高生(と男子)の支えとなること、そして将来、安森さんの夢が実現することをひそかに見守っていきたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?