巨大化するキクイモとその役割
キクイモは、どうやら
人が全く手をつけていないようなところで
巨大化する確率が高いようです。
概ねキクイモを初めて7年目になりますが、
気がつきました。
必ずしも柔らかく、
畑らしい土壌豊かなところで
大きく育つというわけではない。
むしろ、粘土質、草が生い茂るようなところ、
荒れた土地でなぜかよく育つ。
空き地のような場所でなぜかよく育つ、
ってことが
経験上感じたことです。
栽培は、わざわざキクイモのタネを用意したのではなく、
実はキクイモの切れ端をばら撒いただけです。
食用でカットしたもの、形が悪くて
洗うのが非常に困難なもの、
その他、古くなりつつあったもの(収穫して数日経過したもの)など
です。
真面目に植えたのは、最初の3kgくらいです。
一箇所に集中せず、あちこちで植えました。
どこでも育ちましたが、育ち方がそれぞれ違った。
畑は普通か少なめ、
もっとも育ったのが、家の庭とササが生えているところ
で粘土質のところです。
分かったことは、荒れた土地に
ただ落としただけでも
育ってしまうくらい、生命力が強い。
キクイモは北米の先住民が
栽培等していたものをペリー来航の頃、
日本に持ち込まれたと言われています。
ただその中に、外国の人が日本に投げ捨てた
キクイモが広まっていった、という説もあります。
個人的には、当たっている可能性があると思います。
というのも、実際に空いている土地に投げ捨てたようなものが、
育ったケースが多かったからです。
実は家の畑でも
なんでもないところ、
エアコンの室外機の横からキクイモが育っていました。
たぶん、歩いている時に、キクイモを落としてしまった、
しかも庭に行く途中に落とした切れ端のはずです。
そんなところに、種まきはしません。
エアコンの室外機横に
菊芋が生えてきたのを春に
見たのですが、ここなら育つわけがない。
ということで、放っておきました。
その後、4メートル超えるくらいまで
育ちました。
そして今日、ちょっと訳があって
とっさにそのキクイモを引っこ抜きました。
すると、引っ張っただけで2kg
超える収穫です。
周りを掘れば、もっとあるはずです。
しかも、今の時期では、これからどんどん
キクイモの食用部分はは大きく育ちます。
茎の太さは約3cmくらい。
実は、今日、家の庭でサルと間近で出会しました。
干している柿目当てですね。
結構挑発的ににらまれて、近寄ってきたので、
私も気持ちが引き締まって、近寄りました。
ただ、そのときに手にできる
武器がなかった。
そこで、目の前にあったのが、先のエアコン横に生えていた、
菊芋の茎です。
サルをにらみながら、キクイモを引っこ抜く。
そして、約30cmくらいの長さに枝を折る。( 太い木でしたが、
膝もつかって、折りました。)
ブーメランのような投げ道具用と、1メートルくらいの
剣を作って準備しました。
距離が近く、戦うしか、
思いつかなかったのです。
菊芋の棒をもって近づくと、殺気を感じたのか、サルは逃げる。
屋根に登っていき、
逃げたかと思いきや、ゆっくりしていました。
とりあえず、追い出さないと、
柿はやられる。
菊芋の茎でとっさにつくった投げ道具、
いい感じでした。
軽くて、よく飛ぶ。
キクイモの茎を投げつけたら、逃げていきました。
石だと瓦が割れるかもしれない。
猿の反撃もあるだろうから、威嚇射撃のように、
追い払えたらまずは十分かと。
ここは、とても硬い土だったはず。
菊芋って、大きいから、土地を耕しているように思いますね。
ちなみに、まわりも掘ってキクイモを全てとりださないと、
またこの場所から生えてくる。
いや、全て取りきったとしても、きっと
小さなかけらか、根っこの切れ端から生えてくる。
植えたら、最後、とことん菊芋とつきあうことになる、
って考えた方が無難です。
どうしも邪魔なら、後で切るか、初夏の葉っぱを活用して、
菊芋の葉のお茶をつくってもいい。
花瓶に飾っても、緑豊かでさえる。
東北地方の津波で土地に塩分がはいっても、
キクイモを植えたら、土壌を改善してくれた、っていう話を
本で読みました。
キクイモの茎や葉っぱが翌年には土になる。
だから、土がだんだんとよくなっていくと思っていました。
それも事実ですが、それ以前に菊芋が育つと、
荒れたような場所が段々と
改善していくのは
十分考えられそうです。おそらく塩の害をうけたところが、
キクイモで改善したのも同じことだと思う。
エアコン室外機の横のような、
何もないところの堅い土が明らかに変わっています。
しかし、それにしても、
たったの一本のキクイモを
引っ張って抜いただけで、
2kg超える量。 その周りは、未知数です。
今までは、食料として助けられてきましたが、
今回は、サル対策として、助かりました。
よくよく考えれば、これだけ育つなら、
誰でも簡単にキクイモはできる訳ですね。
ただ、畑に丁寧に植えたからといって、
どうなるかはわからない。
実際に畑のキクイモは小さかった。
たったの2メートルしか育っていないし、
キクイモも小さかった。
どこでどう育つのか、
植物には期待を裏切られることも、
また、その逆か想像以上もある。
キクイモだけでも、いろいろ伝わってくることがありました。
菊芋は、
荒れた土地を開墾してくれているような、
蒔いたら土を豊かにしてくれる、
そんな存在かと。
結局自然って耕して、肥料投入だけではない、
ということですね。
耕運機なくても、キクイモで開墾してける、って
今では思っていますし、実践中です。
チップを投入して、炭素循環農法を少し教わったことがありますが、
私にはあまりピンとこなかった。
うまくやっている人は、それでいいと思います。
私は、運搬や耕運機がダメなんです。音が苦手。
木材チップで確かに即効でよく育つのを見ましたが、
少しだけやってみたところ、
土になりきらない、木材チップが目立った。
外から持ち込むと、土にはなりにくいのかなぁ、と思いました。
それにチップを集めるのは結構な手間です。
軽トラなどに山盛り積んで、なんども通う。
きっと今頃はチップも高騰しているんじゃやないかな。
菊芋なら、ほぼ労働なしだし、軽トラもなくていい。
手でバキバキに追って、撒きたいところに投げるだけ。
耕運機ですきこむ必要もない。
菊芋の葉や茎だけでも、
微生物や生き物が多すぎるくらい集まる。
その場所で生えて育ったものが土になりやすいだろうし、
馴染む。これぞ本当の循環。回ってますね。
しかも、外から持ち込まないから、その場所にぴったりかと。
となれば、改めて菊芋の可能性について
なんかあるんだろう。 でも、考えなくても、できている。
人間の知識、知恵はいらない、と福岡正信さんは何度も
あらゆるところで言われていますが、
菊芋が一つのヒントに感じてきました。