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豆味噌②

豆麹味噌を作っていましたが、
先日、一部だけ豆を
煮るのを忘れてしまった。

水につけた大豆が
取り残された状態。

豆麹の味噌は、蒸した大豆に
豆麹菌をふりかける。

約二日間、
菌を培養させて豆麹をつくる。

そのあとに塩水を流し込んで仕込む、というやりが一般的です。

土日をはさんでしまったので、
豆麹菌の種を発注しても
配達は最短で4日もかかってしまう。


2年前の写真ですが、
種麹は使用期限が数ヶ月あるので、
予備で一つは
用意してもいいと思いました。

煮大豆に種麹を混ぜて、木箱にうつす。

普通に考えるなら、
豆麹菌を待つのですが、

ただ、以前に気になっていたのは、
できた豆麹と煮大豆を混ぜて
豆味噌を仕込むというやり方です。

こういう専門的なことは、
味噌屋に
聞いてみるに限ります。

問い合わせると、
早速返事がきました。

①豆麹、煮大豆の豆味噌

安定して出来る

豆麹の風味がやわらぎ、食べやすい。


②豆麹、食塩水の豆味噌( 一般的な方法)

失敗するリスクがある(カビが発生しやすいため)

豆麹の風味がかなり強く、癖があり食べにくい。


癖がいい味です。

とても美味しい、豆味噌ですが、
好みは分かれる。
三年くらいした方が味わいはいい。
でも大半の人には
通じない。

 意外な発見でした。
実際にやってみないとなんとも
言えないですが、

簡単かつ、手間が省ける。
( 豆麹を作る量が減る )


食べやすくなる、
というのは興味深いところです。

豆味噌全般に言えることですが、
豆味噌は米味噌よりも栄養価が高く、より長期の保存ができるものです。

大豆はタンパク質。発酵はゆっくり。
発酵でアミノ酸豊富、

米は糖質。
虫に狙われる。発酵は早い。

単純に考えても
栄養価は違う。

個人的には
豆みそが単に好きです。

自分ではとてもおいしいと
思っていても、

だいたい二人に一人くらいの割合で、苦手かあるいは食べられない、
と言う人さえいる。

岡崎の八丁味噌2種類、
また某和食の店で使用されている
宝山味噌でも
同様です。 

要は世間で知られる一級品でも
苦手な人はいる。

八丁味噌が苦手、
大徳寺納豆はとんでもない、って
いうくらい豆麹を嫌う人はいます。

このことから言えるのは、
自家製で豆麹味噌を作って、

家族等に不評であったとしても、
気にしちゃいけない、
ってことです。

私も、私が仕込んだ豆麹味噌を
実家の親に食べられない、

と言われた時はへこんだものですが、
宝山味噌を渡してもダメなら、
どうしようもない。

気にしなくなりました。

宝山みそ、これほどいい市販のお味噌、ってないと思うくらいなんですが、
好みは人それぞれですね。

宝山味噌はとても美味しいですが、
発酵の進め方は完全に負けると思う。

ただ、自家製だと、
原料を自分で決められる。
麹も共にすすめる。

うまくできたら、味などは
とてもいい。

買うと早くて、割安かもしれないけど、
作った方が色々といいと思います。

もし、おいしい豆味噌で、
尚且つ作り方が容易、

長期保存も可能という
良いことだけなら、

豆麹と煮豆で仕込む方が
よいのでは、って思いました。

というわけで、
今回はお味噌屋さんの教えに従い、
豆麹と煮豆で仕込むことにしました。 

完成か食べ頃は2年後以降。

色々やっていると、失敗のようで、
新たな発見になるときもあります。

ちなみに今回5kgの予定だった
豆麹のうち、

約1.3kgの大豆が煮豆となります。
(豆麹を作る予定だった水につけた大豆を煮忘れてしまったものです。)

前回は赤大豆でしたが、今回は
赤、茶色、黒大豆、そして黒仙石大豆、
借金なし大豆、という自家栽培でカラフルな組み合わせ。

大きさが異なるので、小ぶりのものと
分けてました。

豆麹はちょっと硬めに煮た大豆を使う。

味噌/麹屋さんは、
豆麹と煮豆で作る方法を
推奨されていました。

味噌屋さんが実際に
試されたことなので、
素直に信じればいいと思います。

ただ、気になるのは、なにゆえ、難易度が高い豆麹と食塩水で仕込むのが
主流なのか。


旨みがあってとてもおいしい
豆味噌。

豆麹をつくって、
食塩水でつくるもの。

うまい。

時間がかかるのが欠点で
逆にそれがいい味を生み出す。

常温発酵で腐らない。
むしろ年月の重みか
深さが味に出てくる。

煮込んでも味の変化なし。
お湯で解くだけでも味わえる
濃厚さ。

伝統的に豆麹と食塩水で仕込むやり方になっているのは、

味以上に、何か理由が
あるんだと思う。

そうでなければ、豆麹と煮豆を混ぜる
やり方で味噌屋は作ると思うわけです。

煮大豆で増量可能です。

一般的なら、
米麹で味噌を作り、
大豆に対して米麹を2倍にして作れば、
ほぼ間違いなく、甘くて好まれる味になる。

料理研究の人も多くは米麹で
倍麹みそを進めているし、
味がいいからのはずです。

ただ、米麹を大豆の倍量入れた場合、
常温発酵で何年も耐えられないのは朝鮮出兵の話でもわかったし、
実際に私も嫌な思い出がある。


豆麹と煮大豆の場合って
どうなるのか、気になってきます。

豆味噌は保存はできるそうなので、
気長に待とうと思います。

ただ思うのは、みそ屋なら、豆麹に
煮豆を足してかさましする。

その方が効率よくて、
商売上いいはずです。

そして、やりやすくて
風味のよい、
豆味噌をたくさん作った方が
いいと思うのですが、
実際はそうしていない。

素直に豆麹だけから
つくるという伝統を守っているだけかもしれませんが、

私はどうしても引っかかりますね。

もしかしたら、家庭用では、豆麹と煮豆が美味しくて簡単、ということで
勧めているだけかもしれません。

失敗してほしくない
気配りもあるのかも。


実際、豆麹の味噌は、
米麹よりも難易度は高めです。

というのは、豆麹づくりのときに、温度管理や確認を忘れると
豆麹菌の発熱で納豆に
なってしまうこともある。

また豆麹ができる前に、
他の雑菌に負けてしまうことも。

実際に私も何回も豆麹づくりでは
失敗していますし、

何度やっても、納豆菌が生じてしまったこともありました。

(余談ですが、明らかに納豆菌が生じてしまった豆麹で、
味噌を仕込んだことがあります。 

結果どうなったかというと、二年後、
びっくりするくらいおいしい豆味噌(ごくわずかに納豆風味がある)に
なりました。 

誰一人として、その納豆菌が入っている味噌がまずい、苦手、と言う人がいなかった。という経験が過去にあります。)

豆麹を作っても、
毎回納豆菌がでるので、
もうこのまま仕込んでみよう、

別に腐った大豆ではないし、
なんて思ったわけです。

失敗のようで、
意外な発見でした。

だから今でも、もし麹づくりの途中で
納豆菌が出たとしても、
そのままつくります。


とは言ってもここ数年は豆麹の
調子がいい。

理由の一つは、水や塩などの原料と環境を見直したこと。

種麹は割高でも、
よりしっかりしてそうなところ、

水も結構な種類を試しました。
井戸、山の湧き水を汲みに行ったり、その他色々です。

ちょっと割高ですが、高野山水系の
ある水、月のしずくという水にしたとき、

明らかな違いが出て驚きました。



塩水で豆麹を絡める時が滑らかできれい、

また1年後でも2年ものに似たような味わい、
発酵具合になる。

さらに以前は豆麹をつくるときに、
今のように木箱を使っていなかった。

木だとベタつかない。 
プラスチックの箱などに、

キッチンペーパーや晒しを敷いて使っていましたが、

やっぱり木の方が呼吸しやすい。


木の箱だと、水分も
勝手に調整してくれます。
熱をもち、固まってくるので、
時々手でほぐす。
早朝の朝日も浴びる。環境と心地よさを
考えれば、いろいろと他にもいいやり方はあると思う。


その後も色々あったのですが、
豆麹はそう簡単ではない、ということはわかった。


それから毎年試行錯誤、
水をかえ、音楽を聞かせるなどに
してから、
豆麹づくりでの失敗はなくなりました。

麹作りで音楽。

意外に麹の出来具合は
変わります。

マルカワ味噌さんでビバルディの
味噌ってあるのですが、

たぶん音楽の可能性を知ってか、
のことだと思う。 

手にしたことはないので、
味はわかりません。

ただ、麹を生き物として、
考えているからこそだと思います。

クラシックのヴィヴァルディの音楽を聴かせて仕込む味噌です。

普通に考えたら、おかしく思う人が多いと思う。

でも私は音楽で麹が
変わるのはもう経験済み。

ちなみに、今年は、読経に加えて、
最近興味が出ててきた仏教音楽(リン、シンギングボール、木魚、鈴など)の演奏(適当でも、それなりにきれいな音楽になるのがいい)、

さらに御詠歌(高野山)のカセットテープをしばらくかけていました。

御詠歌、って
とってもきれいな音、歌なんですね。

家のラジカセはリバーシブルじゃないので、止まったらカセットテープを裏返す、なんて時代遅れのようなことも
していました。

ただ、テープやレコードの音って、
結構気分がいいですね。

風通しをよくしたり、
朝日を浴びさせたり、
そういった心地よいようにするのは、ポイントだと思う。

たぶん、人と同じ。

さて音楽等で麹は
かなりいい感じで広がっていて、
発熱もほどほどです。 

数時間ごとにかき混ぜて
温度調整するのですが、
いい温度です。

上がりすぎず、低すぎない。
色は白から徐々にウグイス色に近づく。


写真は忘れましたが、いい感じで鶯色になったところ、
先に塩切りします。塩を入れて、とりあえず発酵を止める。
夜だったので、翌朝、大豆を煮て仕込もうと思います。

過去最高に麹はきれいです。
香りも良好。

あらためて麹は生きている、
って思いました。

豆麹の完成品を買えば、
楽で早いのですが、
自家製大豆があるわけです。

種麹を買い、麹をつくるように切り替えました。

過去のメールをチェックしてみると、
玄米麹や豆麹を最後に買ったのは、
2015年。

びっくりするくらい高い値段で
買っていた、って思いました。

麹、作った方が断然割安です。
特に何キロも麹がいるなら、
作った方がいいと思う。

それに自家製麹だと
どこか親しみでるってもの。

それにしても、9年間、
そのお店から何も買わずに、

久々に問い合わせた、
ニッチな質問にも
ご回答いただきました。

今度自家製のお味噌が切れた時、
その他用事があれば、

今回の授業料も兼ねて何か
購入しようと思います。

種麹を販売されていたら、
って思いましたが、
ないのが残念。

ちなみに種麹を販売している会社は
数少ない。

今買っているところの種麹屋さんは
糀屋三左衛門というところですが、

室町時代の創業です。


豆麹。
デザインが変わっていました。
いい感じですね。

私は京都が長かったので、老舗の創業では明治や江戸時代だと新しい感じがするくらいでしたが、

室町だとなかなか興味深い
感じです。

とらやさんと同じ頃ですね。

余談ですが、麹の種麹に関しては、
独占や純粋培養に批判的な
意見もあります。

天然の多様な菌を活用したものが
味わい深くていい、という考えです。

お酒かパンの話だったと記憶してますが、実際はどうなのか、
よくわかりません。

知り合いの
田んぼのあるお米では
稀に稲麹(黒い塊が稲穂につく)ことがあります。

一般的にはカビ扱い。
農薬等で防ぐように
なっていますが、

稲麹、名前からして、米麹と関係ありそうだと思ったことがあります。

稲麹から麹菌を取り出し、
種麹を培養できるという、
話があります。

稲麹ができたら、豊作になる。
神棚に飾るなど、神聖な面が
あるそうです。

ただ、老舗の麹屋さん等の
記事を読む限り、
自然の菌の中には有害なものが結構あるそうです。

種麹は種麹のメーカーが、麦、米、大豆、等に適した菌を
選んで培養しているわけです。

だから、稲麹から種麹を取り出す、
って素人は難しいと思う。

天然酵母パンも種類によっては
雑菌と酵母の
ギリギリのラインのものだと言う話を
聞いたことがあります。

カビと食用のキノコのような
感じでしょうか。

レーズンやその他
明確な天然酵母なら
まだいいとは思います。

以前、ある有名な天然酵母パンをいただいたことがあって、
パン屋の人に味見してもらったところ、
これは明らかに雑菌、
と言われました。

少し酸味がする美味しいパンだと
私は思いましたが、

菌の世界は結構複雑で、
よくわからない。雑菌と様々な酵母が混ざって独自の風味があるのかも
しれない。

そうなると
純粋培養の種麹が
使いやすくて、いいかと思います。

でも本当はどれがいいのか、
よくわかりません。

豆麹も空気に晒して、
天然の菌をつけて培養させるのも地方によってあるんだけど、
その勇気はない。

パン作りをたまにしますが、
私は白神こだま酵母などの
市販のものを
使っています。 

山の中で発見されたものを培養している、って興味深いし、
使いやすいから使っています。

その他松葉サイダーや
果実酵素などなら、
面白いと思います。

それと、ある程度の抗体、雑菌に負けない抵抗力がないと、

人によっては、天然酵母の
中の何かに反応する気もします。

過度のアルコール殺菌や保存料は
腸内細菌にダメージを与えるというし、

ある程度の泥遊びのようなこと、
細菌等になれるか、抗体を持つような方がいいと思っています。

実際に調理の仕事をしていた時に
思い出すのは、

野菜等を次亜塩素酸ナトリウムを入れた水で消毒したり、(ハイターを入れるようなものです。)

毎回アルコール消毒、除菌が
徹底されていました。

間違いなく、ハイターのようなものは、人の口に入っているだろうし、

まな板等も殺菌しすぎかと。

そのような職場にいた頃は、
時々風邪を引くこともありました。

おそらく抵抗力が少なかったんだと
思う。

野菜の消毒、ってどうなんだろう、て
思います。

話がそれましたが、
時には汚れよう。

そんなことも思い出すと、
田植えはもう裸足でやっていこう、って思いました。

多少の雑菌、仮にヒルに
少しやられたとしても、
まぁいいかと思います。

お腹が赤い、イモリだと思います。
イノシシがマコモダケのところで
暴れていたようですね。でもこれくらいなら、マコモだけは
これから十分成長します。

それに、裸足になるとき、
裸足で地面を歩く時って
一年の中で極めて少ない。

あまりにもひどければ、
田植え靴をはこう、
臨機応変でいけばいいと思います。


浮き草がたくさん生えています。
浮き草は見てて気持ちが
いいものではないですが、
あとあと、雑草を抑えてくれる。

それに、裸足で泥の中に入るのって、意外に気持ちがいいんです。

靴や靴下からの、解放です。
足も自由につかう。

ある程度の雑菌慣れを
しておくといいと思います。

地区によっていろんな
田んぼがありますが、

私がかりている地区は運良く
水がいい。

飲めるような山の湧き水が、
地下に流れている。

蛇口をひねれば、きれいな水が
出る。


地下水を各自が引ける。近辺の田んぼの水の影響を受けない。
こういう地区が数箇所だけあります。

水のことを書くと
長くなるのでまたいつかにします。

田植えと豆麹作りが
重なりますが、
何とかなります。

良いお米と
いい豆麹の共通点の
一つは水ですね。

根本は快適さ。

となると、裸足も快適だから、ってことです。

ときには、花などみて、
一服しながら明日は
田植えしようと思う。
次から次に、いろんな植物の花が咲き始めてきます。

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