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モグラとキクイモ


キクイモは手で
収穫することにしました。

大きな石が出てきた場合、
異物がある場合を除いて、
スコップは極力使わないことに。

というのも、手作業だと
冬眠中のカエル、
その他、クモ、ムカデによく出会う。

スコップだと、どうしても不要な
殺傷を重ねてしまう。

見ずに気にせず、さっさと掘るのも
ありかもしれませんが、

どうもそう気が進まなく、
ダメですね。

人間と微生物等を
素粒子レベルで見た場合、
大差ないということを
以前に知ってしまった。

小さい視点になれば、
センチュウと人間が同じ、
というわけです。

スコップで同士の虐殺をしていると
思ってしまう。

逆の立場で見れば、
冬眠中に鉄のスコップで
切り付けられる、

と思えば、
やっぱりよろしくない。

幸い、菊芋のような野菜は深く掘る
必要がなく、収穫はできる。

スコップで掘れば、短時間で
たくさん収穫はできるけども、
その間の殺傷数は計り知れない。

手で掘る。
それでもありえないくらい
多すぎて全部無理に
収穫しなくてもいいのが
キクイモです。

小さいもの、形が変なものは
そのまま放置。
未収穫/見過ごしは次のタネになる。


収穫と植え付けが同時にできる、
誰でも簡単便利野菜です。

ただ、周りから見れば、
バカに見えるので、
とりあえずスコップを
立てておく。

手で掘ってわかったのは、
自分の非力さ。

指や手首の筋肉が弱く、
当初は筋肉痛に。
また夜は疲れが出て、すぐ寝てしまう。

ただ、変な疲れはない。

以前は収穫時に
殺してしまった生き物を
うっすらと覚えているようで、

それが罪の意識か
申し訳ない気持ちに
引っ張られているようでした。

歩けば何か
踏んでいるだろうし、

生きているだけで罪、
と言っていた
あるお坊さんのお話を
ふと思い出すこともありました。

気にすればキリがないのですが、
多くを殺傷した上で

生きているという事実は
知っておいた方がいい。

その方が少しは
傲慢さを抑え、
謙虚に生きていける。

自然に触れ、土に触れる、
という行為は
ちょっとした道徳や
精神修養にも
なるわけです。

見ず知らず、知ってても
気にしない/見ないような殺傷が
積み重なると、
謙虚さは失う。

傲慢自己中極まりない人間に
なりかねない。

こうして考えると、
家庭菜園レベルでも、
結構な価値が
あるように思えてきます。

量産できなくても、
見るもの感じるものが多い、
深い。

効率悪く、野菜の
生産力なくても、
決して悪いことでは
ありません。

つまらなそうなことで、
何か不思議な世界に入る、
ってきっといい。

手で掘ると色々な
発見がありました。

土の硬さ、香り、
出くわす生き物の種類、
大きさ、

土に直に触れるからこそ、
見える世界がありました。

クモはよく出会います。


何かのサナギのようです。
土は意外にも柔らかく、年々良くなって
きているようです。 
土はいい香りがする。
夏によく見かける虫ですが、冬眠中を起こしてしまう。


モグラの穴をたどっていけば、
キクイモは高い確率で見つかる。

キクイモでやっかいに思うのは、
デコボコが多いもの。

少量ならまだしも、大量となると
結構時間を取られてしまう。

誰かに渡す場合は極力、
デコボコが多いものは
避けるように
したいところです。

手で掘っていると、
モグラの穴に
宙ぶらりんに
なって実るキクイモが
あります。

その多くは凹凸が少なく、
洗う必要もないくらいに
きれいな状態のものもありました。

(穴の空洞でキクイモが
育ったように思います。)


モグラの穴のキクイモ。
凹凸が少ない。
どんどん出てきます。


モグラの穴をたどるだけ。
アピオスも。

こうなると、モグラがいい、
モグラ来てくれ、って思います。

今となっては思うのは、
モグラがいた方が、
収穫作業がはかどる。 

穴は空洞だから、掘る作業が楽になるわけです。
また空気を通すから、
土が柔らかくなる。

そして何よりも野菜のサイズ、
形がともに良いものが
収穫できることです。

たまにかじられたものが
ありますが、

犯人はモグラの穴を通る
茶色で小さな
ノネズミだそうです。

被害といえば被害ですが、
その量はごくわずかです。

今や手で掘る時は、
「モグラの穴を探せ!」
がポイントになりました。

モグラがいた方がいい。
これは強く思います。

耕すなんて重労働は、
モグラに好きにやってもらったら
いいわけです。

高価な耕運機なんていらない。

ではモグラがいる環境って
なんなのか、と思うと、

ミミズなど、モグラが食べる
生き物がいることが必要。

ミミズがいるには?
枯れ草や微生物が多い環境、

微生物が多い環境とは、
ってたどっていくと、

土壌消毒、って無駄で
害でしかないことがわかります。

育てる野菜に害だからと言って、
消毒する。その消毒行為で
生態系の流れを切り裂く。

それが結局、有用とも思える
ミミズ等、もぐらに至るまで
悪影響が出る。

実際に土壌消毒なんてしたことも
考えたこともないですが、
野菜は多く実ります。

多少の虫食いなどの
ダメージがある場合はありますが、
許容範囲です。

微生物が求める枯れた草や
落ち葉などは、
特に手をつけなければ
自然にあります。


菊芋の茎は天然資源。
やわらかく、手で折れる。
しかも一年以内にほぼ土になるという、完璧な無料肥料、
菊芋そだって、枯れて、土になる。
見事な流れ、循環です。
ありったけの枝葉は無料で豊富。
これで土壌改良から、マルチ、
微生物を呼ぶ、ミミズを呼ぶ。
そしてモグラ、キツネもくるという、完璧なサイクルができます。

キクイモ、最高です。

これは他の人の畑のビニルマルチ。
風で飛んでしまったものが、木に引っかかっている。
便利なようで、あとあと難ありなのが、
ビニールのマルチ。

無料で手に入る、自然の草、菊芋の茎。
土づくりもマルチもおまかせ。

ビニールマルチは、便利に見えるけど、
どうしても破れたものが土に残る。

それが何年も残る。

便利なようで、手間が増える。
風で飛ばされたビニールマルチを
何度も見ました。


途中で殺虫剤や除草剤でも使えば、
地下の生き物に影響を与えるのは、
明白です。

効率重視でいけば、
スコップで手早く掘れば
早いわけですが、観察する時間は
あるといい。

いざ観察でもすれば、
殺傷の多さに気づく。

命とは?なんて、哲学的に考えてしまうこともあって、
作業が進まないこともあるけど、

時間を決めてやれば、
結構な量は収穫できることが
わかりました。

不思議と手作業だと頭も働く。

どちらかかというと、
手で感じ取っている、
手に脳があるかのような感覚です。

ムカデに全く恐怖心が
なくなってきました。

どういう生き物がいるのか、
どう育っているのか、
何がいるのか、
どういう土か、
体感で感じてくることがあります。

大規模農家さんが
見過ごしていそうな世界がある、
って思います。

今になって思うのは、
教室で緊張した授業よりも、
何かいいものがあるってことです。

命について考える、って言っても、
文や映像、話を聞くだけでは
不十分。

実体験こそ体に刻み込んだかのように
記憶に残る。

私の場合は、スコップで
殺してしまう生き物の
積み重なりが辛かった。

収穫は手でも十分できることがわかり、
手袋はすぐにボロボロに
なってしまいます。
でも必要経費で
いいかと思います。

少なくとも、色々感じて
考えることが増え、

生き物に対して、
害虫という視点は
ありません。

食物連鎖があり、その一つでも人が加担して壊せば、
上は乱れるわけです。

極端な例ですが、食物連鎖の頂点に立つような生き物、

たとえばハヤブサやイヌワシが
絶滅危惧種と言われています。

最強のものが何故、って思いますが、
色々本を見た限りでは、

商業施設などの増加で
棲み家が追われているような
理由が目立ちました。

ただ思うのは、彼らが食べる
生き物が減っている、

汚染されているような
原因も探っていく必要があるかと。

野うさぎの減少
ヘビの減少、
ヘビが食べるものはといえば、
カエルやネズミ、モグラ、
彼らの食べ物は、と順にたどれば、
結構小さな生物に
たどってくるはずです。

となると、関係ないように見える農薬・殺虫剤や
土壌消毒が原因の一つと
も考えられてきます。


図書館で借りたサイレントアース。
外国の本ですが、昆虫に特化した珍しい本でした。
意外にも日本の話があって驚きました。ネオニコチノイドで島根県の宍道湖が汚染され、昆虫から魚類のダメージが深刻だという。

おそらく、農薬等による昆虫の減少が
結局のところ、イヌワシの生態に影響を与えている、って
言えると思います。


結局は人が原因で、何をしているか、
よく見ていけば、
一つとはいえなくても、
複数の要因が出てくるはずです。

消毒も一つの原因かと
思います。

飲食の業界にいたことが
あるのですが、商業施設では、
特に消毒が徹底しています。

野菜でも生で提供するものは、
次亜塩素酸ナトリウム(ハイターみたいなものです。)に
つける。 

大腸菌など、食中毒を
防ぐのが目的ですが、
やりすぎじゃなかろうか。

菌は死ぬだろうけど、たとえ薄くともハイターのようなものを
口にすることになる。

敏感な人だと
わかるかもしれない。

調理の現場って忙しく、目分量で適当になっている(濃い場合もありうる)
ところをみたので、消毒のしすぎ、って
あると思う。

体内の常在菌、有用菌まで
悪影響はきっとある。

手洗いうがい、
アルコール消毒を徹底しているのに、
高熱が出た、っていう人がいたけど、

おそらく、外食が多く、
普段から殺菌しすぎで

腸内細菌などの抵抗力が
弱まっているんじゃないかと思う。

野菜を洗剤で洗う、って言ってたけど、
私からしたらありえない。
そんな商品があるのも、何か変。

界面活性剤が体内に
入るんじゃないか、

添加物等と相乗効果で
結構危ないのでは、って
色々思います。

考えてみると、
難病の原因って
性格や生活習慣なんかよりも、

よくわからないものの
組み合わせで
でてきたんじゃなかろうか。

手にアルコール消毒って
やりすぎはどうなんだろうか。

手の常在菌や有用細菌って
どうなるんだろうか、
など色々考えてしまいます。

土の消毒も、
センチュウなどを殺すことで、
何か食物連鎖の流れに影響がでるはず。

連鎖障害を防ぐのも
目的だそうですが、

そもそも
一箇所に同一野菜を大量に植えるから、
土の栄養等が偏る。
連鎖障害が生じる。

適当、あちこちに
色々栽培するやり方で
一度も連鎖障害は
経験したことがない。

周りから見れば、バカに
見えるかもしれないけど、

意外に手間が少なく、
費用もかからない。

結構合理的な自然農法、
って思いますが、

周りをみるかぎり、農薬って
どういったものか、

自分で調べて
いないように見える。

無関心、考えもしない、って
怖いですね。

農薬って元は兵器だったわけです。
戦争から平和利用と
いうことで、

枯葉剤から除草剤へ、
毒ガスから、殺虫剤、
催涙ガスなどへ、

多少の変化はしつつも
農業分野で利用されるように
なっていった。

販売中は安全となっていても、
後に危険性が指摘されて
中止されるケースは多い。

要は、安全ということに
今はなっている、

あるものは外国では
禁止されている、
例はある。

ということは、
何年か後に禁止される
可能性もある。

また、検査が甘く、
複数の農薬を合わせた相乗効果・被害、
長期的な実験等は
ほぼないらしい。

本で読むだけでも、
そう安心なものとは思えない。

この本は農薬について
かなりわかりやすい分、
結構ショックが大きいです。
企業側ではなく、第三者が徹底的に調べて書いた本。


疑問を持つ、
常識を疑う、ってことが
大切に思えてくる。

あるいは、異分野の人が
野菜づくりをする方が、

頭が柔らかくて
いいかもしれない。


土に触れると、
手の感覚が動く。

頭ではないような気がします。

手の脳か何かで
感じることで
常識を疑ったり、壊すように
なってきました。

疑問に思うきっかけを
持つのはきっといい。

なぜか土にふれると、
当たり前のようなことも
疑問に思えてくる。

となると、土に触れる、
って結構貴重なことかも
しれない。

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