暇の悪夢

コロナが流行してからずいぶんがたつ。

図書館も書店も閉まり,家の中にあるまだ読んでいない本(いわゆる「積読本」)も恐ろしいことになくなってしまった。

やっと緊急事態宣言が解除されたと思っても,書店が開いている時間は昔より短いし,図書館は開いていると言っても,本棚を見ることはできず,もっぱら予約のみの取り扱いらしい。さらに,返却された本をすぐに次の利用者に貸し出すのではなく,一度殺菌消毒してから貸し出すので,すぐには貸出可能にはならないらしい。実際,予約した本はまだ借りることができていない。

テレビは元々そんなに好きじゃないし,youtubeはお気に入りのyoutuberがいるわけでもない。

私が勤めている会社は,緊急事態宣言が解除されても,7月までは在宅勤務が決まっており,かといってパソコンを持ち出せないので,在宅勤務でできることも限られている。

そんな何もかも停滞した状態のせいだろうか。心がすさむ。

何もしていないと悪いことばかり考えてしまう。

ホリエモンが,刑務所の中の何が一番発狂しそうだったかというと「何もできないこと」だったと言っていたが,何もしていないことがこんなにも精神に悪影響を与えてしまうとは。

今日にいたっては一日中,「消えてしまいたい」「死んでしまいたい」という考えが浮かび,「いや,今死んだら絶対後で後悔するよ、って職場の先輩も言ってたじゃん」とか「今まで『虐待』とか言われるような環境を生き延びてきて,ここで死んだらバカみたいじゃん」とか「『死にたい』なんて脳の誤作動なんだから,本気にするんじゃない」とか「誰かが『生きていていい』なんて言ってくれるわけないんだから,自分ぐらい自分に『生きろー!!』って言ってやらなきゃ」とか,とにかく自分を励まして励まして一日が過ぎた。

よく考えてみれば「暇だから死にたい」のではなかった。

カウンセラーに言わせれば,この半年が過酷すぎた。それは実家とのトラブルであって,職場でのトラブルだった。私の場合,トラブルが起こるときは必ずいっぺんにくる。

いやなできごとは,一つ一つなら,「不幸」や「不運」だけれど,重なれば「地獄」になる。

職場の先輩に「過酷な環境にいた人は,そこから別のところに移った瞬間にホッとして,気が抜けてしまい,うつ病になることがあるから気を付けて」と言われていた。





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