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断片の



外の空気を吸う。
懐かしいと思うには早すぎる。
どれだけ難波から高速にバス乗ったのだろう。

僕の大阪は18歳から始まった訳じゃない。別に今更書いて残すほどではないかもしれないけれど。

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昨日アメリカ村に着いてから、「三ッ寺会館」に行く。
自分の勝手な勘違いで、「  」は閉店してしまったと思い込んでいた店の扉が開いていてた。
覗いて声をかけてみると鉄人さんが普通に立っていた。

僕は「  」にそこまで通った訳でもない。ルミナスオレンジのライブの直前に何気なく立ち寄り、そこで店員さんから七尾旅人の存在を教えてもらった。
すると偶然、僕がそのあと行こうとしていたライブの出演者にルミナスオレンジと共に七尾旅人の名前があった。

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僕の夏はいつの間にか始まり、実はもう終わっているのかもしれない。

僕の夏は瞬間的に爆発して、
僕の夏はあの日に爆発していて。

僕らの群像劇を僕はロックトランスフォームと呼ぶ。
僕らがいた世界はある日、解かっていたことだけれど3月、あるいは7月にそれぞれがばらばらに

・・・・・・

僕は今でも熱量をばらまき続けている。
今日「  」で、いつものようにナンバーガールの僕ですと名乗る。

鉄人さんはいつも覚えていないと思う。
僕はいつも必ずこの話をする。ナンバーガールとルミナスオレンジの話に次いで、
「ハサミグループとパラダイスが好きでした」

鉄人さんは実はハサミグループとパラダイスを評価しているらしく、僕も実はその二つを聴いている事を話したときに驚い


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僕は今日、自分の甘さや力量の無さを知ることになる。


アメリカ村で、しんちゃんが僕を呼び止める為、忙しい店の中からわざわざ飛び出してきてくれた。
「話は聞いたよ。でも今回は参加しようよ。今参加するとは言わなくてもいいけんさ、サプライズで一週間後に来てよ」

僕はしんちゃんの声を受け取って、また振り切った。

裏切った訳じゃない。


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今回気が付いたこと。

僕はもしかしたら今は「幸せな生活の前借」をしているのかもしれません。

事前準備でも予行演習でもなく、もしかしたら。
僕の周りの人たちは僕に大切なことを教えようとしてくれているのかもしれません。そんな気もします。

人間なんて他人に出来る事、してあげる事なんてのは限られています。
時間と同じように、すべてが有限であるのですから。


僕は今の今この丸一日と少し、自分で「俺は何をしているのだろう」と悲しく思っていた。

僕はいい人なんかじゃない。罪滅ぼしみたいなものかもしれない。
今になったから、やっとできる家族孝行かもしれない。

それもこの歳になってやっと解かり始めてたこと。

死ななければ解からなかった。死にかけなければ分からなかった。
すべてが初めての事ばかりなのだから。

気がついた頃には今になっていたのです。

僕は昨日、傷ついていました。
その傷は生々しく、現実は残酷だなと思わされながら、作り笑顔ではないのだけど、僕の行動はすべてが裏目に出ていた。


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話は飛び飛びになりますが。


今日はオイスターバーで昼食と、ブルーで夜ご飯です。
オイスターバーはなんばパークスの中です。
さて、ブルーは何年ぶりだろう。
18歳の夏、それこそ僕の誕生日。

初めて女の子とデートをする時。初めてのレストランに初めての予約。
お酒も、身分証のチェックもすべてが不安な中、僕は友達だった女の子をデートに誘い、この店に入ったのだ。

それが僕の大阪。
はっきり覚えている。
僕のcdプレイヤーの中にはフリーテンポとFPMが流れていた事。

まだエレキギターもバンドもロックのロの字も。
ナンバーガールとも出会えていない頃の思春期。

僕はこの二日間。人には言えるけれど、言うには生々しい夜を超えている。

僕はいい人じゃない。皆が皆が大切ではないし、ひとりひとりに特別な事をしている訳じゃない。僕は今は特にそうだ。

僕は今、予行演習と未来の幸せな日常生活の前借をしている。

それも一年に一度。ありもしないような、でも僕だからこそあってしまう。
運命と呼ぶには数奇で、偶然と呼ぶには群像劇が「なまめかしい」。


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眠らずに、朝が来て、ふらつきながら帰る。
誰もいない電車の中を、朝日が白昼夢色に染める。
ああ制服の少女よ、気が狂いそうな青空と朝日のせいで 白く眩しい。

朝日は  いまだ白く眩しくて
俺はおれをとりもどすのをじっと待っている
だんだんクリアになっていく
頭の中の想い出が遠ざかる

さあ、もう目を開けて
感傷の渦巻きに沈んでいく俺を
まぼろしに取りつかれた俺を

突き飛ばせ そして どこかに捨てちまえ。

・・・・・・・・・


僕は、僕一人で歩かないといけないのだろう。そう思う。
そんな気がしているうちは、まだまだこの闇の中だろうと考える。

僕はいい人でもないし、人には言えない事ばかりだ。
僕は灰色に近い青色の世界を歩く癖がある。


「きっと僕には未来がない」とは言わないし、思わない。
でも僕は僕にしか体験や味わえない出逢いばかりを群像させている。

だからといって、今している事が死ぬ為に行われているとは一切思いたくない。もしかしたら言っているように聞こえるかもしれないけど少し違う。

僕はもしこれから先、幸せになれない自分像が見えているのなら、未来に可能性も、今を超える自分がいないのであるなら、今僕が抱えている「幸せ」と呼べるモノたちが僕の最終ゴール(目標地点)になる。

だから今を「幸せの前借」のように例えているのだ。

僕は死にたくない。でも幸せになりたい。

「がんばれ」と言われるのは胸が張り裂けそうになる。

張り裂けそうな胸の内は、足元を後手後手へと変わ周りの悪循環や不格好を連鎖させていく。

「がんばれ」と呼ばれるくらいなら僕は先に答えを見出して、悪いけど、次に向かいたい。

恐ろしい事だけど、僕はワガママで贅沢病みたいなものなんだ。

好きな人や好きなものと共に生きていけないのなら、
「死」すらも選択肢に添えてしまう馬鹿野郎だ。

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