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「地域活動を持続可能にするためには?」ではなく「自分の活動を、ボランティアとして続けていくには?」という問いについて

 こないだ、まちづくりがらみの友人が面白い話をしているのを聞いたので、忘れないようにメモしておきたい。

 それは、「自分の活動を、ボランティアとして続けていくには?」という問いだった。

 これね、似て非なるやつで、「地域活動を持続可能にするためには?」ではない、っていうところがポイントで。

 実は案外なされなかった問いかけなんじゃないかという気がするんだね。

 我々まちづくり支援者にくる相談は、戦術のような「自分のやっている地域活動を持続可能にするためにはどうしたらいいか」というワーディングでなされることがしばしばある。

 これに対する回答はシンプルで、「安定的にまとまった金額が入って来れば良い」なんである。

 よく「お金では買えないものがある」とはいうが、「大抵の問題はお金で解決できる」というのもまた事実で。まちづくりに関わるいろんな問題もまた例外ではない。というか、まちづくりに関わるいろんな問題は、そもそもまちづくりのフィールドにお金が動かない、つまり儲からないことに起因している。

 これはこれまで何度も書いてきたことの繰り返しになるけども、そもそもまちづくりが儲からない理由は理論的に説明できて、まちづくりという活動の定義を非排除的な公共財の創出、維持であると考える場合、そこで生み出される財やサービスは非排除的であるわけだから、お金を払わない人でも使えてしまう。お金を払わないでも使えるのであれば、お金を払える人でも、じゃあ払わないでおこうか、となるからだ。

 結果、まちづくり活動は持ち出しに頼るボランティアベースにならざるを得ず、我々がよく知る風景が眼前に広がることになる。

 大金を持続的に持ち出せるお金持ちがやっているならまだしも、大抵の人はそうではないので、お金がないことでいろんな問題が起こる。

 なので、地域活動の持続可能性を高めるには、排除性を高めるのが一番いいということになる。要するに、正当な対価を支払った人だけがアクセスできるようにすればよい。そして、単価を上げて客数を増やせばいい。

 もちろん、その過程で、サービスの質を高めたり顧客を開拓したりするためにいろいろせなあかんだろう。けども、普通の商売として考えるとこれは普通のことで。

 で、そういったお商売が成功するとお金が手に入るので、まちづくりを持続困難にする大抵の問題は解決できることになる。

 つまり、まちづくりを真面目に持続可能にしようとすると、アマチュアリズム、ボランタリズムから脱却すればいいということになるし、実際、それを志向する活動者は良く見かける。

 これは自身のサービスを持続しようとするならば、自然と生じる流れ、引力みたいなものなのだろう。会社なり個人なり、なんらかの経済主体は、自己保存をしようとする過程で、必然的に経済成長する、してしまう。

 というか、そうしない主体は競争の過程で人々の投資を失い、持続できなくなっていくんだね。そういう競争がある。

 しかし、今回お友達が使った言葉はちょっと違っていて。

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