お月見パフェ
昨夜は、夜空を照らす中秋の名月を眺めながら、散歩した。
月に向かって、夫とふたり家の周りを歩く。
帰りは、月に背中を照らされながら歩いた。
あたりには誰もいなかったから、繋いだ手を上に持ち上げて、くるりと回ってみた。ちゃんとした踊り方なんて知らないけれど、こんなふうに踊っているのを映画で観たことがある。
踊りたくなるほどに、上機嫌だったのには理由がある。
先週、私は虫垂炎(盲腸)になってしまった。
不幸中の幸いで、気づくのが早かったため、手術ではなく、薬で治りそうだと診断された。
夜中にお腹が痛くて目覚めたときに、ためしにAI診断なるものを受けてみたところ、虫垂炎の可能性が高いと出てきたので、慌てて次の日に病院に駆け込んだのがよかったらしい。
薬の効果で痛みは弱まっていくものの、起き上がっているのがつらい日が続いた。
盲腸の原因は、はっきりとわからないことがほとんどだという。
ストレスや生活習慣の乱れでなることもあると言われ、思い当たることありすぎた。
いまは、身体が休めと教えてくれているのだと思おうとした。
けれど、体調管理ができていなかったことを情けなく感じてしまって、気持ち的にも落ち込んでしまった。
やりたいことが目の前にあるのに、できない時間がもどかしかった。
こんなことすらできないなんて、と自分を責めて、焦って、不安になって、人と比べて、落ち込んで、という負の連鎖。
だけど、そんな負のループから抜け出させてくれた救世主がいる。
まずは、夫。
負のループでズーンと沈んでいる超絶面倒くさい私に、「寝る前に悩んで眠れないなんて、おばかさんのすることだよ。今日は寝て、朝になってから考えようね」と優しく教えてくれた。
それから、ツイッターで近況報告をしたときに励ましてくれた人たち。全然noteを更新できていない間にも、読んだりコメントしてくれた人たち。
みなさんのやさしさが、弱った心と身体に沁みた。
布団で痛みもがいている間も、痛みを忘れられたのは、やさしい物語たちのおかげだ。小川糸さんの『ツバキ文具店』を読んだり、ドラマ『スナックキズツキ』を観たりした。
そして、今日の本題。
このつらく苦い期間に、私のもとにやってきた救世主がいる。
それが、こちら。
たごさんのあおきえんからやってきた葡萄さんたちだ。
大きな葡萄が3つも入っている。しかも、たごさんのおばあさまの素敵なカゴに入って。
おなかが痛むから、あまり食欲がなかった。
痛みが引く前に食べどきを逃してしまうかもしれないなと思いながら、あまりにもおいしそうな葡萄なので一粒ずつ食べる。
皮まで甘いジューシーな「シャインマスカット」、ほどよい酸味と甘味を兼ね備えた肉厚な果肉の「ゴルビー」と「ピオーネ」。
口に入れるたび、しあわせな気持ちになれた。
どの葡萄もおいしすぎる。
白ワインとお魚料理の相性がいいから、シャインマスカットは、鯛のお刺身とカルパッチョにしたらおいしそうだ、とか、このぶどうたちでパフェをつくってみたいなどと、妄想しているうちに、早く元気ならねば、とどこからかエネルギーが満ちてくる。
いまは体調を元に戻すことだけを考えよう。
そう思って、何もできない自分を責めるんじゃなくて、のんびりできる今を楽しもうと思えた。
そして、昨日。
目覚めたときに、お腹の重さがなかった。
夜になっても、痛むことはなかった。
治ったみたい、と夫に告げて、二人で散歩に出かけた。
二人で月を見られるしあわせに浸っていた。
帰ってから、夫がおだんごをつくり、私は小豆を炊いた。
小豆からあんこをつくるのは、はじめてだった。
出来上がった頃には、すっかり夜も更けてしまったから、食べるのは次の日にしようということになった。
そして、今日。
夫がつくったおだんごと、
私がつくったつぶあんと、
たごさんから届いた葡萄さんたちで、
スペシャルな和パフェ(フルーツクリームあんみつ?)をつくった。
それがこちら。
甘党の夫は、予想通り、しあわせそうにぷるぷるしていた。
それほど甘党ではない私も、ぷるぷるしてしまうおいしさだった。
一口食べるたびに、「おいしい。しあわせ。」「あまい。しあわせ。」「ぷるぷるしている夫がかわいい。しあわせ。」としあわせの大渋滞。
このパフェを食べて、私はますます元気になった。
おなかが痛い間も、治ってからも、この葡萄さんたちのおかげで、元気になれた。
このパフェ以外のアレンジは、また来年のお楽しみにしたい。
(おいしすぎて、アレンジする前に食べ終えてしまった)
たごさん、おいしい葡萄をごちそうさまでした!
ちなみに、1ヶ月描くチャレンジは、体調不良のため中断しておりましたが、今週の木曜日(9/15)から再開したいと思います。
おまけ
描くチャレンジで描いたものたち。
ぶどうも、来年は食べる前にデッサンします!