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晴れの日も雨の日も

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そのとき感じたことを感じたままに綴るエッセイ集。晴れの日のように澄みきった気分のときも、雨の日のように翳りに覆われるときも、その気持ちを、透明な言葉で伝えたい。
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#コラム

ハレの日の美術館

よく晴れた5月のある日、私たちは美術館で結婚式を挙げた。 結婚式といっても、参加者は私と…

如月桃子
1年前
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これからも持続できそうな、おうちごはんの提案

SDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標 )について、はじめて本で読んで知…

如月桃子
1年前
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子どもがほしいと、まだはっきりと言えないけれど。

私には、子を育てた経験も、子を産む予定も、今のところない。 子育てをしている人の話を聞く…

如月桃子
1年前
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もう海に沈めなくてもいいように

「コンクリートに括りつけて、海に沈めてしまいましょう」 同僚が言い放ったその物騒な言葉を…

如月桃子
1年前
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水色の朝

朝起きたときから、目のまえの景色がうっすらと青みがかっていた。 頭にはもやがかかったよう…

如月桃子
2年前
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休みが終わってしまうとしても

長かった夫の休みが終わってしまう。 「終わってしまう」と少し感傷的に書いてみたけれど、実…

如月桃子
2年前
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キラキラ指輪物語

私たち夫婦が、結婚指輪を手にするまでのお話です。(糖度高めです) 私たちは、今年の5月に入籍しましたが、その前に一度、結婚指輪の下見に行ったことがあります。 そのときは、いくつかのお店を回りました。 でも、お店を巡っているうちに、だんだんと彼の元気がなくなっていくのが少し気がかりでした。 いつもかわいい小物屋さん巡りや、私のお洋服選びにも付き合ってくれる彼は、指輪選びに疲れたわけではなさそう。 まだ指輪は決まっていませんでしたが、彼の様子が心配だったので、私は帰ろう

だれかの過去が、わたしの記憶として香るとき

ときどき、春の匂い、とか、夏の香り、というよりも、もっと濃密な空気を感じることがある。 …

如月桃子
2年前
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放課後のような街に暮らしたい

放課後の空気が好きだった。 校庭や体育館で汗を流す人。 吹奏楽部の誰かが奏でるトロンボー…

如月桃子
2年前
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甘い休日

最近の私は、ちょっとキャパオーバー気味だった。 新しい仕事も始まり、結婚した先月。 大学…

如月桃子
3年前
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世界からなにも消えないとしたら

かたちあるものは、いつかなくなる。 春の夜の夢のごとく。 風の前の塵のように。 それは感…

如月桃子
3年前
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あの頃の自分にかけたい言葉を、君におくるよ。

つい先日のこと。 しばらく連絡をとっていなかった友人Kちゃんから連絡が来た。 私は、彼女…

如月桃子
3年前
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わからなくてもいい。それでも聞いてほしい女性の話。

これは、女性の体についてのお話です。 でも、男性にも読んでいただけたらいいなと思いながら…

如月桃子
3年前
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花束みたいな恋って、どんな恋だろうね

昨日、映画『花束みたいな恋をした』を観た。 映画を観終わって、 この映画は、だれもが共感できる物語ではないかもしれない、と思った。 でも、きっとこの映画を観た人ならだれでも、 自分の恋を語りたくなるだろうな、と思う。 この物語は、2015年から2020年の間に大学を卒業し、就職する二人の物語。私はほぼぴったりこの世代だ。 映画は、2020年にレストランで主役の二人がばったり出会うところから始まる。二人の隣には、それぞれの恋人がいる。 これは、出会いの場面なのだろうか