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晴れの日も雨の日も

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そのとき感じたことを感じたままに綴るエッセイ集。晴れの日のように澄みきった気分のときも、雨の日のように翳りに覆われるときも、その気持ちを、透明な言葉で伝えたい。
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ハレの日の美術館

よく晴れた5月のある日、私たちは美術館で結婚式を挙げた。 結婚式といっても、参加者は私と…

如月桃子
2年前
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ありがとう、これからも

意味深なタイトルですが、引退宣言でも、誰かを見送るnoteでもありません。 なんのnoteかとい…

如月桃子
6日前
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軽井沢へ「旬」の旅

新幹線に乗ったら、まずは座席に備え付けの冊子を繰る。 目当ては、巻頭にあるエッセイ。 ほ…

如月桃子
2週間前
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「つづかない」私がつづけている朝の習慣

継続は力なり、という言葉がちょっぴり苦手だ。 なにかを毎日コツコツとつづけられる人たちに…

如月桃子
1か月前
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おうちリストランテ開店!

おうちのごはんが好きだ。 実家にいた頃、どこで食べるよりも、父や母のつくるごはんが一番お…

如月桃子
2週間前
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しゅわしゅわ、今日も溶けてゆく

もう少しでプツンと何かが切れてしまいそう。 朝なのに、お疲れさまですと言いそうになって、…

如月桃子
1か月前
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最高だったよ。—おやきと文学—

微熱ブックカフェに行ってきました。 微熱ブックカフェでの時間は、まだ自分のなかにしまっておきたいような気もします。 でも、やっぱり、最高だったよ、と伝えたくなりました。 行きたくても行けなかった方、羨ましがらせてしまったら、ごめんなさい。 先に謝っておきます。 東京のとあるビルに向かって私は走っていた。 ワークショップのはじまる時間ギリギリになっていたから、かなり焦りながら。 部屋の前で、ここで合っているかな、と扉の前でスマホを取り出して確認しようとすると、扉が開い

青葉きらめく街へ帰る

ゴールデンウィーク前半、夫とともに帰仙した。 仙台に帰ることを、帰仙と言う。 正確に言う…

如月桃子
2か月前
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花桃の風に吹かれて

桃の花を見にでかけた。 その名も、「花桃の丘」へ。 見上げると、青空を背景に桃の花が咲き…

如月桃子
3か月前
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父の就活

最近父が就活をしていると、母からの連絡で知った。 「いい職場が見つかるといいね」と返信を…

如月桃子
5か月前
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如月の日記

2月1日 30歳になった。 夫が出張で遅くに帰ってくるため、家に帰るとひとりきり。 私は結婚…

如月桃子
5か月前
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日々、いとおしさが積もっていく

夫と付き合いはじめて間もない頃、私は夫にこう言った。 「私、すごく飽きっぽいです。熱しや…

如月桃子
5か月前
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1月のきまぐれ日記

毎日のようにコツコツ日記を書くのも楽しかったけれど、今月は書きたい日だけ書くきまぐれスタ…

如月桃子
6か月前
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大叔母の品格

実家に帰省していた夜、「明日、初江おばさん(仮名)の家に一緒に行かないか」と父から誘われた。 初江おばさんは、父にとっての叔母。私にとっては大叔母に当たる。 私がいいよ、と答えると、父は少しほっとしたように見えた。 我が家は、親戚との付き合いが希薄だ。 特に父方の親戚とは、ほとんど連絡を取り合っていない。 もともとお盆や法事の際に顔を合わせるくらいだったが、私の祖父母が亡くなってから、さらに顔を合わせることが減った。 伯父が永代供養をして、墓をなくしてから、墓参りに行