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晴れの日も雨の日も

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そのとき感じたことを感じたままに綴るエッセイ集。晴れの日のように澄みきった気分のときも、雨の日のように翳りに覆われるときも、その気持ちを、透明な言葉で伝えたい。
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ハレの日の美術館

よく晴れた5月のある日、私たちは美術館で結婚式を挙げた。 結婚式といっても、参加者は私と…

如月桃子
1年前
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青葉きらめく街へ帰る

ゴールデンウィーク前半、夫とともに帰仙した。 仙台に帰ることを、帰仙と言う。 正確に言う…

如月桃子
1か月前
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花桃の風に吹かれて

桃の花を見にでかけた。 その名も、「花桃の丘」へ。 見上げると、青空を背景に桃の花が咲き…

如月桃子
2か月前
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のらりくらり京都紀行

吉田篤弘さんの『京都で考えた』という本を、いつだったか読んだ。 手元にないということは、…

如月桃子
1年前
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歯の浮くようなセリフを噛みしめて

ある映画で、イタリア人の男が言う。 ”I thank God for fear…”と。 直訳すれば、「恐怖をあ…

如月桃子
2年前
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カメラの天使

「カメラを持つと、暇な時間がなくなるの。」 とカメラの天使は、私に言った。 カメラの天使…

如月桃子
3年前
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秋を味わいに、美術館へ

昨日は、久しぶりに母とふたりで美術館へ出かけた。 さわやかな秋風の吹き抜ける、お出かけにぴったりの日だった。 母とふたりで出かけるのは、随分久しぶりだ。 最近私は出かけること自体少ないし、母と出かけるとしても父や妹が一緒のことがほとんどだから。 母は、いつもだれかと連れ立って歩く。 母が一人で出歩くのが好きではないということもあるけれど、母がいっしょにいてくれると穏やかな気持ちでいられるから、みんな母と出かけたいのだ。 今回美術館へ行く約束をすると、母は美術館へ行く何日