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【自転車旅】秋田羽後町を走る【2022-08-19】

盛岡から輪行

オンラインコミュニティでつながった友人と西馬音内盆踊りを観に行くことになった。

西馬音内(にしもない)盆踊り。日本三大盆踊りの一つ

見てきたよ。控えめに言って壮観だった。
友人の案内で衣装を着させてもらえたし、とってもテンションが上がった。

れっきとした衣装なのだ。これから銀行襲いに行くんじゃないよ?

ただ、正直友人には悪いが、私は盆踊りよりも、次の日の天気のことばかり、気にしていた。
秋田から自転車で帰ることにしたらどんなに気持ちいいだろう、と。

MERIDA scultura200

私は盛岡に住んでいる。
岩手県は車社会だが、私は車を手放してもっぱら10万で買ったメリダのscultura 200を足にどこまで車に頼らずに行けるのかにこだわってきた。
自転車のメリットは「低CO2排出量で、自分の足で漕いだ分だけ体力のある限り進める」体験である。移動がexperienceになる。だから楽しい。
デメリットは、

  1. そこからそこまで車で行くより、移動に時間がかかる

  2. そこからそこまで電車で行くより、補給食や水分を買っているだけでも既にコスパが悪くなる

  3. そこからそこまで歩いていくより、進入禁止だったりそもそも荷物としてかさばったりして、大して小回りが利かない

ところである。

つまりはまぁ、
やってみたかったんだよね、自転車旅。

2022/08/19の空

気持ちいい。

どこまでも延々と続く田舎道を、風に吹かれて漕いで行くって、こんなに気持ちいいことだったのか、ってことを実感させられるような、めちゃくちゃいい道。
宿のある十文字駅界隈から目的地の羽後町までは13kmばかしだったけど、その間の道のりはとても清々しく、非日常的で、あまりの解放感に脳がついてこなかった。スカッとしていた。
暑いっちゃ暑い日だったけど、程よく空っ風が吹くからとっても過ごしやすいのね。汗を拭う必要もないくらい。同じ盆地かと信じられないくらい、空気がジメッとしてなくて爽やかだし。

この日ほど、延々と漕いでいたいって思った日はなかったね。

道の駅うご 端縫(はぬ)いの郷。「端縫い」は西馬音内盆踊りの伝統衣装で、絹布をパッチワークのように縫い合わせた衣装から

まず訪れたのは道の駅。昨日衣装着せてもらったときにオススメスポットとして紹介されたので寄ってみた。

西馬音内そばとからあげ

丁度お昼も近かったのでここでランチ。西馬音内そばなるそばをいただいた。これがまた、麺のコシがしっかりしていて美味しいのよ。
あ、唐辛子の量は気にしないで。私はこれがデフォルトだってだけだから。

うごじぇら・ブルーベリー

こっちはジェラート。ミルクの甘さとコクが丁度良くてまた美味しいんだわ。

こっちの食は、どうも私に「丁度いい」という感覚を与えてくれる。齢も30を超すと段々「丁度いい」ものを出してくれる土地と肌が合うようになるんだなぁ。住もうかな羽後町。

食後に一服したら、いよいよ昨日の盆踊り会場でもあった中心市街ヘ。

羽後町の中心市街への入口。こちらはお昼に撮影
逆サイドからだけど夜はこんな感じ
この路地の感じがたまんなく好きなんだよねぇ
昨日の盆踊り会場の通りにあってめっちゃ気になってたローカルスーパー。読み方:×バガーン○バザール
なんつごだねぇスーパーと思ってたら、ひやむぎが恐ろしく安かった
盆踊りの像もある

中心市街を訪れたのは、一度行ってみたい宿があって、お話を伺ってみたかったからだったのだが、

UGOHUB

閉まっていた。後で知ったが、盆踊り期間が明けて臨時休業してたのだそう。くそぅ、いつかリベンジしよう。

その後、どっか寄ればよかったのだがそのままストレートに横手に向かってしまった。24kmの道のりを黙々と漕いだ。
なんせ、私は今日中に帰って、夜にはオンラインの集いに参加しなければならなかったのでね。

しかし、どうやって帰ろう。
とりあえず横手駅までは行くとして、そこから自転車で峠を超えて岩手入りするのか、黙って北上線に乗って岩手入りしてそのまま盛岡まで帰るか。
現実的には、後者を選ぶ。
しかしサイクリストとしてワクワクするのは、断然前者だ。
どっちだ、どっちを選べばいい……

と考えつつ横手駅まで着いてしまった。
とりあえずと時刻表を確認したら、現在時刻が14:16に対して、一番近い時刻の列車が13:48。そう乗り遅れてしまったのだ。
そして、次の便は17:18。まだ2、3時間近くはある。
乗るなら乗るで、空いた時間をどう過ごすんだ?

まだ問題があった。
体力ではなく、早くも股の間の肉が限界を迎えていたのだ。
自転車やカブ・バイクに長時間乗ったことがある方なら分かってくれるであろう、あの痛みである。「股擦れ」とも言う。
股擦れを起こした状態で、しかも何かトレーニングを重ねているわけではないこの肉体で、痛みに耐えながら奥羽山脈のあの峠を果たして超えられるだろうか。

悩んだ末に、私はある結論に至った。

かまくら型サウナ、ってのがそそる

サ活しよう

昨日友人とサウナの話をしていたときに、確か横手にサウナがあるけどどうなんだろうね、という話をしていたのを私はちゃんと覚えていた。私もサウナは好きだからな。

で、かまくら型サウナというものを体験してきたのだが、控えめに言ってめっちゃ整う。
しっかり暑い。私はスマートウォッチで時間を測って「10分サウナ」に挑戦したが、なかなかにしっかり暑いので途中結構心が折れかけた。
だが意を決して10分居座りきったあとの水風呂は最高に気持ちが良かった。屋外に例のかまくらドームサウナがあるので、出たあと水風呂と間違えて屋外露天風呂に入ってしまうドジをやらかさなければもっと整っただろうが、それもまた一興。

結局、サ活してまったり風呂入って髪を乾かして着替えしてるうちに、あっという間に2時間半が過ぎていた。
自転車に乗ると、まだ股擦れが痛い。

よし、あとは電車で帰るか。

横手駅でまた輪行袋にたたみ入れて、えっちら担いで北上線に乗り、北上で乗り換えて東北本線で盛岡駅につく頃には夜の19時を過ぎていた。

いい旅だった。夢のような時間だった。
このまま家に帰ればオンラインの集いに十分間に合う時間だし、心なしか股擦れの痛みも軽くなっている。

なまはげアルトといぶりがっこ

お土産のビールといぶりがっこで長旅を終えられたことの祝杯を上げた。
こういうのもいいなぁ。またやりたい。
そう思いながら飲んだくれて、気がつけば夜も更けたのでさっさと寝た。

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