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自転車の魅力を見つけた日。|サイクリング日誌

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後半パート2では「街の自転車に片っ端から目が行き、撮りたくなる」ようになってしまった光景をお伝えできればと存じます。

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こうして街の自転車をくまなく見て気が付いたことは、

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思いの外、自転車というものは個性のダイナミックレンジがロシアのように広大で、同じ自転車を探すことが極めて困難であると思われるほど、バリエーション豊かです。イタリア製のようなお洒落な折り畳みタイプや見たこともないようなアスリートタイプ、汎用的な自転車でも古いのから新しいものメーカーや年式、新旧、状態もさまざまに、自転車の数だけ、オーナーの個性があるように感じました。

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自転車はどこにでも止めやすく、無限のロケーションとの組み合わせがあり、そしてまるで原宿や渋谷に若者が、新橋に社会人が縦横無尽にいるごとく、1m進むと次の自転車が「おっす、どうする?」と待っているほどに無尽蔵級に存在し、

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加えて、そこに光の要素を入れようものなら、

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宏闊な個性溢れるバリエーション × 無限のロケーション × 光の入り方 、これらの実行性を担保する ×莫大な個体数

という式が隠れていたことに気が付き、かつこの要件をすべて満たす被写体は意外となく、これはもう被写体として写真好きに「撮るものがない」という悩みを抱かせない性質を有しており「類を見ない極めて優れた被写体である」という、そして付帯して「カメラ業界は自転車を売るべきである(抱き合わせ販売可)」という結論に辿り着くことになります。フレームの延長線上にあるペダルの位置関係、まるでバレリーナがすーっと足を伸ばし、白鳥の湖を踊っているようです。

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「あぁあの階段の中ほどに、自転車を置いて撮りたい」という欲求まで生まれてくる自転車という被写体。

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新旧のデザインで並んだ自動車を撮ってみましたが、どうでしょうか、こうしてみると、まずデザインとして自転車の線の細さ、繊細さ、サイズ感としての素晴らしさ、主張し過ぎない存在感を思い、さらには機能美、息づく生活や人となりの色の出方など、それぞれに素敵さがありつつ、自転車の魅力がさらに浮き彫りになってきます。

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2台、3台、いや5台と欲張って写真に収めても、ハンドリングもよく、

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「あぁ一階と二階の組み合わせもあるじゃないか」と、「疲れて帰ってきてあの坂を押して登るのか」と想像したり、それはまだましで、スロープがなく、自転車を持ち上げて階段を登らなくてはならない生活様式を持った人々が思いのほか多くいることを知ったり、街の機微まで教えてくれます。

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掲載はすべてJPG撮って出しですが、この日前半はRAW撮りもしていました。自転車に乗りながらゆえそうは撮らないと思い、メモリが一つ減ったバッテリーそのままに出かけてみれば、RAW撮りで電力の消費が激しかったせいか、このあたりからバッテリー残量が点滅を始め、数多くの自転車を撮りたいけど撮れないというストレスまで生み出すことになりました。シートがかかりそこに優しい柔らかい光が舞い降りている姿なき自転車、強い個性を発していた自転車、また同じようなシチュエーションで出会うことができるのか、心残りです。

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サイクリングの醍醐味である「さっと自転車を止めて」、神社仏閣を拝見したり、

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この日一つ目の折り返し地点兼目的地である「揚げ饅頭店」に到着です。折り返し手前でバッテリー点滅という失態は次回に活かしたい課題であり、緊急的にはスマホもある、と撮影するも、

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まだいけるかもしれない、とシャットダウンの到来に恐る恐るカメラでも撮ってみます。そして広角だと伸びやに、標準域だと力強さが増し、また表情を変えて来る自転車に気が付きます。ベンチで休憩しながら、ホカホカ・サクサクの揚げたて饅頭、カボチャ餡を一つ頂きました。




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通りすがりにレアな車が奥にちらっと見えて、無論、自転車も入れて、

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日陰の中に、レフ板を柔らかく当てられているかのように向かい建物の反射光が回り込んでいる花を、ピントをはずして撮れるのも、自転車の機動力でめぐり逢い、自転車というダイレクトな空気感の目線で見つけることができ、さっと苦も無く自転車を止めることができるハンドリングで縁を近づけることができるからです。サイクリングの本旨その一つかもしれません。

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もちろん乗ったままでも近づけて、自由度高い接近戦を交えることができて、これも自転車の魅力に思いました。

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写真で伝わるかどうか、綺麗な薄紫の薔薇に出会いました。

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露出を変えてもう一枚。これが徒歩であれば出会える範囲は狭まり、自動車であれば気づかず通り過ぎ、または気づいても止めにくいか「面倒」ゆえせいぜい1ドライブにプラス2回余計に降りることが精いっぱい、それが人の機微であると思われ、

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こちらのお宅の方が交配させてこの色を作っていらっしゃるのではないかと思い、それも素敵に思いながら前拝致しながら被写体に拝借し、こうして自転車ワールドというものは、総合して思ってもみなかった魅力に溢れていた、というのが率直な感想です。

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バッテリーが切れるかどうかであっても、信号待ちでこうして撮ったり、

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思いもよらぬ光景との出会い、その横にまた自転車がいてくれて、

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人が行き交うのにぎりぎりぐらいの狭い道もすいすい進めて、気軽にUターンもでき、止めることもでき、

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この日、二つ目となる折り返し地点兼ゴールとなる、阿佐ヶ谷のラーメン店に到着です。

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過日、阿佐ヶ谷モノクロ散歩のときに来てからというもの、どっぶりはまってしまい「三軒茶屋あたりにスナップ行ってみようかな」という思惑にも打ち勝ち、三茶を押しのけてこの三日前ほども来てしまいました。


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この日は結局、望外に4時間のサイクリングコースとなり、

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揚げ饅頭のお土産と翌日痛くなった足首を携えて、

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自転車の魅力に気づいた、楽しい時間となりました。

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自転車をさっと止めて「1枚だけ撮らせてね、一枚、一枚だから」と逃げられないようにお話ししながら、この日撮れた唯一の少しふんわりした写真かもしれません。

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あっという間の4時間、最後に出会った光を一枚。この日は心地よい疲れですっと寝てしまい、体も喜んだようです。次回はバッテリーに留意してサイクリングまた行きたいと思います。




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