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「誰かのために」書かれた本は少ない

「自分が幸せになるため」についての本はたくさんあるが、「誰かを幸せにするため」について書かれた本は少ない。

この前本屋に立ち寄ってフラフラ店内を見回っていたときにふと気づいた。

自己啓発本やHow to本、ビジネス書、エッセイなどたくさんあるが、大抵の本は、「自分」の考え方を変えたり、知識、技術を身につけたりするために書かれている。

大体の人は自分が直面している何かしらの課題を解決するために本を頼るわけだから、当たり前といえば当たり前だが、なんだか「なんて自己中心的な空間なんだここは」と思ってしまった。笑

もちろん、自分を成長させたり、考えを深めることは結果的に誰かのためになるとは思うが、直接的に「誰かのために」という名目で語られる本が少ないのは、人間の本質を表しているようで面白い。

どれだけ考えたって、人は自分の痛みしか感じられないし、やっぱり何かを始めたり、勉強するきっかけも大体は自分自身のためなのだろうということを思わせられる。

それが悪いというわけではないが、皮肉なのは、人が本当に幸せを感じられるのは、他者に貢献したり、他者との関わりの中でしかないことだと思う。

『情けは人のためならず』という言葉通り、誰かのためにすることはいつか巡って自分に返ってくるだろうし、たとえ返って来なくたって、見返りを求めずにその人にために何かしたい、と思える人に出会えること自体が幸せだと思う。

自分のためだけにやることは、ある時虚しく感じてしまうような気がする。

もちろん、じゃあ自己犠牲して誰かのために行動した方がいいのか、ということではなくて、自己と他者の両方を満たして、初めて幸せというものは感じられるのではないかということだ。どちらかが欠けていてもしんどい。

だから「誰かのために」を大々的に語った本があってもいいなぁと思ったが、それはそれでなんか余計なお世話感が強いし、売れなさそうだし、なかなか難しいね。笑

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