リスクを取らないリスク

来年3月に仕事を辞めて、アイルランドに8ヶ月間、語学留学にいくつもりだ。

正直、勢いで準備を進めてきてしまったこともあったが、今日、現地の語学学校の学費や保険などの資料が届き、具体的な予定や金額を見ると、いよいよ現実味を帯びてきたと思う。

そして、年間にかかる費用や税金などの支払予定額を計算し、まぁまぁ絶句した。3年間あくせく貯めた貯金がゼロになる。笑

結局、勇気とか能力とかタイミングとか、挑戦するには大事なことはたくさんあるが、最終的には必ずお金の問題になる。ここだけは今の社会で生きる上では避けて通れない。

想定金額よりも上回る額を見て、「ここまでして留学行くメリットあるのか。。?」「普通に転職した方が生活的にもゆとりができるのでは。。。?」「そもそもここまで給料が良い会社をやめる必要があるのか。。。?」なんていう情けない言葉が次々に自分の中から漏れてきた。お金の魔力はすごい。

確かに、キャリア的な視点で見ると、日本の転職市場においては英語力なんてTOEICの点数くらいしかみられなくて、それよりもその分野での専門性とか実績の方が大事だ。「英語ができなくても海外進出してる企業の社長なんていくらでもいるぞ」なんて意見もごもっともだ。

語学なんてのはコミュニケーションを図るためのツールにすぎないのでその通りだと思う。給料でいったら、留学して転職するよりも、今の会社で順当に出世して行った方が確実に上がっていくだろう。

「収入」という視点でみたら、語学留学に行くのは時間と費用の割にリターンが少ないのかもしれない。

だから、この決断に身を投じるには、もっと深い視点で自己分析をして理由づけする必要がある。そこに「時間」と「費用」をかける価値はあるのかと。

幸せとは何かという点については以前から考えているが、結局、必死になって追いかけられる目標が見つかれば人生は楽しい。収入はあくまで手段であって、目的ではない。

そのお金でどんなことをするのか、どんな経験ができるのか、そしてその結果どんな人たちと出会えるのか、ということが人生の豊かさを決めるのだろう。

このままの生活を続けるとしたら、今溜まった貯金の使い道としては、特に乗る時間もない車を買うか、どこに転勤になるのかもわからないのに家を買うか、結婚して子供の養育費に当てるか、なにかしらの事故に備えて貯めておくかくらいしか思いつかない。全然ワクワクしない。

そのまま事業を起こす資金にすればいいということも言えるが、まだこれといってピンと来るものも見つかっていない。何やかんや保守的なのでギャンブルはしたくない。

そう考えると、やっぱり海外経験のために費用を投じたい。いろんな国籍の人に会って、普段何を考えて生きているのか、どんなキャリアを目指しているのか、何を人生の軸においているのか、そんなことを聞いてみたい。そして、自分自身の価値観とか感性みたいなものをぶつけてみたい。日本人って意外とCOOLだな!なんて思われてみたい。笑

今の自分にとって、一番ワクワクするお金と時間の使い方が留学なのだ。


という投稿をすることによって、次々と湧き上がる迷いや臆病な感情を打ち消している。笑

世間からみたらありふれた決断だが、浪人も留年も休学もせずになんだかんだ無難にストレートで生きてきた自分にとっては勇気のいる決断だ。怖い。

ただもしかしたら、そんな風に「レールを少し外れる経験」というのを二十代のうちにしておきたいという衝動が本能的に湧き上がってきているのかもしれない。

リスクをとったことがないほどリスクのある生き方は無いとも思う。何かが起こってからしか決断ができないのだ。チャンスが降ってきても掴めないだろう。

今のうちに、面白い列車が走ってきたら飛び乗れる体を作っておきたい。


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