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Vol.154 帰路で旅を振り返る

一時帰国を終えてバンコクへ向かう機上で原稿を書いています。旅の主目的はもちろんニセコでのスキー、そして雪国での滞在で雪景色に温泉、地元の食事やお酒を存分にエンジョイした模様はこれまでに書いてきた通りです。今回はその他全般で経験したこと、感じたことを綴ります。

スキー教室
リッツからニセコビレッジのゲレンデに出ると、最初に一度初級者コース向けのゴンドラを乗り継ぐ必要があり、そこでキッズ向けのスクール一行と乗り合わせました。先生はオーストラリア人、生徒は日本の男の子2人とオーストラリアの女の子1人で、お互い皆んな初対面。先生が男の子の1人に英語で話しかけるのですが、その子は恐らく全く理解できておらず。もう1人は(恐らく海外在住かインター通いで)ペッラペーラで、つまり4人の中で自分だけ喋れない状況に卑屈な反応をとって先生も困り気味。私が割って入る訳にもいかないので、タイミングを見計らって先生に「どこの国からの生徒が多いですか?」と訊いてみました。オーストラリアは勿論のこと、最近はシンガポール人も多く要するに全部英語で That is ニセコです。この子の親も(多分いきなり)中々チャレンジングな環境に息子を送り込んだよなぁ… と思いました。この経験がトラウマになるか次に活かせるかは本人次第か..🤔

ビジネスホテル
noteでレビューしたホテル以外に所々でビジネスホテルに滞在しました。部屋は小さくても清潔感があって機能的だし、加湿器やコインランドリー完備で便利なのですが、気になったのはタイで普段暮らすホテルと比較してもWi-Fiの速度がかなり遅めのところが結構あったこと。一応、大手デベとか鉄道系のちゃんとしたビジネスホテルなのですが、これってよくあるのでしょうか..🤔 サラリーマンの方とか、あのスピードだとオンラインミーティングやるにしても中々不便そうですが、そもそもホテルの部屋では仕事しないとか、実は自分のデータ通信を使うのが一般的とかなのでしょうか.. よく分かりません。それから部屋の金庫が小さすぎる、或いは置いていないところ多し..🤣 このご時世に最新ホテルでも金庫が常備されていないのは中々衝撃でした。安全神話か..🤔

飲食店
東京ではZ世代の若者と久々に会いキャッチアップ、金融工学の最先端を学び修め、更なる進化に目を見張ります。今回は彼お勧めのフレンチをご馳走になってしまいました。

The Upper

東京カレンダーにも度々取り上げられるThe Upper、アマンから目と鼻の先です。コース料理でがっつりステーキを頂きました。周りのお客さんも店員さんも彼と同年代が多かったように思いますが、雰囲気もサービスも満足のいくものでした。

居酒屋たぬき
居酒屋たぬき

また別の仕事仲間とは “かつての近所“ 西麻布で会食しました。彼のチョイスで会員制居酒屋が手がける姉妹店 居酒屋たぬき です。こちらは大人の隠れ家。何食べても美味しかった中で、推しはフォアグラとトリュフの炊き込みご飯。文字通り釜で混ぜ混ぜします。これはゼイタクですわ🤩

トリュフとフォアグラの炊き込みご飯

このような場所へ食事しに来店するお客さんは、それなりの金額を払うつもりで予約して「よそ行き」の格好でコースを楽しむ為に訪れるのに対して、マス向けの安価な飲食店では昨今、顧客のリテラシー不足から炎上するケースが相次いでいます。お店のオペレーションは洗練され味も美味しいのに、来るお客さんを「選ばない」のが裏目に出た格好となり残念です。お店の質だけでなく来店客の質も気にしないといけなくなりました。

おたる政寿司

所変わって北海道。ニセコ翌日の小樽では「おたる政寿司」でウニいくら丼を頂きました。小学生時分に卒業旅行で家族と訪れて以来なので実に30年ぶりです。高級店ながら今では外国人客で大繁盛、開店してすぐ向かったから良かったですが、もう少し遅かったら満席で入れませんでした。因みにこのお店、バンコクにも出店しています。札幌ではこれも30年ぶりに、すすきのにあるラーメン横丁内の「天鳳」で味噌ラーメンを頂き、たまたまかも知れませんがこちらも私以外は皆アジア系の外国人客でした。ドラムカンスープで有名なお店だけあってコクのあるスープを飲み干してしまいました。昔 B'zのMVにも使われたお店で、店内にはツアーグッズや稲葉さんのサインが飾られています。私が子供の頃からあるお店が何十年の時を経てなお、現役で多様なお客さんを魅了し続ける風景には心を打たれます。

天鳳

書籍
いつも一時帰国の楽しみは本屋さん巡りで、日本橋の丸善や誠品書店には必ず立ち寄ります。今回手に取った中では下記が興味深く、その話を上記Z世代の彼にしたところ、早速翌週には買ってシンガポールへ向かう機内で読破したそうです。

『新しい階級闘争』
出版: 東洋経済新報社、著: マイケルリンド氏
解説: 中野剛志氏、監訳: 施光恒氏、訳: 寺下滝郎氏

簡潔に主張を纏めると、これまでのような右派-左派間の主張の違いに起因する対立ではなく、我々が現在目にしているのは1つの国の中でエリート管理者(オーバークラス)と労働階級における上下の階級闘争が起こっている現象である。そのアレルギー反応の1つがポピュリスト政治の台頭だが、これもオーバークラスの対症療法的な世論操作により破壊される運命にある。民主主義を守るため本当に必要な根治は、労働階級を代表する労働組合や市民団体などの機関が謂わば「拮抗力」として、オーバークラスへの権力集中を防ぐ役割を今一度果たしていくことにある。

いま世の中で起こっている事を自分なりにちゃんと理解しておきたいと常々思っていて、そうした疑問に明確な主張を以て応えてくれる中々の良書でした。但し著者の問題意識は欧米先進国に向いているので、途上国側の事情にまでは踏み込んでいません。オーバークラスが採用したがるグローバルアービトラージ、例えば移民や海外生産を通した労働の低賃金化などには否定的です。アジアの街角で労働力アービトラージを日々目の当たりにしている身としては色々と考えさせられる内容です。また、岸田政権が「新しい資本主義」の旗印のもと指針を示す形で、トヨタに続いて多くの大企業が労組からの賃上げ要求に満額回答し、労組が俄かに注目されている昨今のニュースは本書の文脈で考えると分かりやすいし、今のところ日本では比較的ワークしているようにも見えます。あとは最近になって欧米発で銀行不安が相次いでいますが、この対処の仕方なんかも本書の視点から考えてみる価値はありそうです。

購買体験
ガイアの夜明けでニューバランス特集を見て、銀座のお店を覗いてきました。すると聞き慣れた言語が耳に入ってきます。そう、タイ人です。スニーカー好きの人たちがレアものを買いに来ていました。このお店に限らず、東京では毎日のようにタイ人を見かけました。ニセコではオーストラリア人とシンガポール人が多く、小樽・札幌では韓国の方々がたくさん。街によって訪れる外国人にも特徴があり興味深いです。

また先日、手持ちの時計が止まったので、それも銀座の正規店に持ち込み修理のお願いへ。バンコクにも正規店はありますが、できれば日本の技術者に任せたい。そして後日届いた見積もりを見たら驚きの30,000円オーバー… 😱 いつも通り10,000円以内だろうとたかを括っていたのですが、経年劣化なのか電池交換だけで済みませんでした。修理に少し時間かかったものの出発直前、無事に届きました。翌日配達のお陰でギリギリ間に合って痺れました。あと今回、最新のアップルウォッチも買い足しました。普段から運動しているので、ヘルスケア関連のアプリが充実している点に満足しています。今回の旅でも良いショッピングが出来たと喜んでいたところ、何だか手持ちのiPadが不調です。電池の減りが異常に早いのです。最初は常夏のタイから零下の北海道へ来て風邪でも引いたのかと思っていたのですが、どうやらバッテリー交換が必要そうです。渡航まで日が迫っていたのと4-5年経って仕事でも使っているので結局、新調しました。最新のiPad Proです。期せずして一番高い買い物になってしまった。。パフォーマンスがどのように違うのかイマイチ理解できておりませんが、とりあえず音は良き。

それにしてもこれらの配達で驚かされたのはそのスピード感です。アップル製品とかも在庫があればオンラインで頼んでも翌日に着くんですね。スピードは価値!とは正にこの事でさすが日本だなぁ!と驚く一方で、ここまで俊足にする必要性あるものかな..🤔 まぁただ、そのお陰で時計修理が間に合ったのも事実なので、要はその時々のニーズでもう少し緩急つけられるようにした方が、2024年問題もあるし配達員さんも余裕できていいんじゃないのかな?と思いました。

到着。館内のコワークスペース

以上、内容に纏まりがなく恐縮ですが、どれもこれからのニッポンを考えていく上でのヒントや課題に溢れているように感じました。母の誕生日祝いに立派なイチゴを送り届け、父の墓掃除も終えて今回の任務完了、とても充実した旅を終えて今しがた滞在先にチェックインしました。とりあえず温泉に入ってきます!♨️

*******Disclaimer*******
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