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言語未生以前のものと,実際に〈かたち〉になった〈ことば〉とは,区別せねばならない

あなたが頭の中で愛をいくら叫んでも,その愛しき人には,永遠にわからない.ことばとして形になったものと,形になる以前のもの=言語未生以前(げんごみしょういぜん)のものは,区別せねばならない.このことは私たちが言語を考える際の,大前提である.

頭の中にある「ことば」と,音や光の姿で〈かたち〉となった〈ことば〉とは,よしんばいずれも「在る」と言えるとしても,明らかにその〈ありよう〉が異なっている.そのありようについての区別もなされないまま,言語をめぐる既存の多くの言説は,語られてきたのであった.

頭の中にあることばを,外に(ex-)出す(press)のが,表現(expression)だと考える幻想から,私たちはもうそろそろ自由になっていい.

それは音や光の姿で本当に形になったことばなのか? --言語をめぐる多くの言説はこの問いだけでその根拠が崩落する.


『言語 この希望に満ちたもの』野間秀樹著 
  北海道大学出版会 2021.7.1発行 四六判 350頁 ISBN978-4832934139

https://amazon.co.jp/dp/4832934139

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784832934139

 
『言語存在論』野間秀樹著 
  東京大学出版会 2018.11.15. A5判 447頁 ISBN978-4130860543
 

https://amazon.co.jp/dp/4130860542

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784130860543


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so_『言語存在論』上から1s

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