趣味から得られる報酬の正体

なんだかんだヨガ・ピラティス歴が気づけば15年近くになった。子供もいないDINKS時代に、特にホットヨガにどハマりした私は、ほぼ毎日仕事の後にスタジオに通っていた。そんな自由が叶わなくなった今でも、月会費1万4千円ちょっとを支払うフリー会員。私が月会費を支払い、自分の時間を使い、この趣味から得ている報酬の正体を探る。

先日、ヨガのインストラクターから面白い話を聞いた。とある教室で面白い実験をしたそうだ。

1ヶ月間「誰でも」「無料で」「好きなだけ」ヨガのクラスに通えるようにスタジオを解放した。さて、1ヶ月後、どの程度の人が会員として、残っていただろうか。

答えは、3割以下。

では、次の1ヶ月間は「あること」をすると、1ヶ月間の会員定着率が100%だった。何をしたら、それだけの人が通い続けられるようになったのだろうか。

答えは、地域のスーパーで使える金券を、スタジオに来る度に渡した。

この答えを聞いて、私も含め、ヨガ好きな人間からすると、ヨガをバカにされた気分になるかもしれない。インストラクターも、正直どういう気持ちでこの話をしてくれたのか...と少し複雑な気持ちになった。

でも、それが真実なのだ。
人の行動には、何かしらの「報酬」が関わっている。

多くの人にとって、ヨガをする時間 < スーパーの金券、なのだ。金券がもらえるなら、ヨガをするけれど、金券がもらえないなら、ヨガはしない。

逆に、月会費1万4千円と、さらに自分の時間を使って、15年近くヨガをしている私。私がお金を払っても得ている報酬は、何なのだろうか...。

その際、インストラクターは、彼女がヨガから得る報酬は「自分を見つめる時間」と言っていた。とても美しい理由だが、私は、まだ心の底からそんな風に言い切れないし、その境地までは達していない気がする。

でも、15年も続いている趣味は、はっきり言ってヨガしかない、色々やってはみたが、今、考えてみれば、私にとって、コスト(費用・時間)と報酬が見合わない・見合わなくなった趣味は10年近く続けたものでも、確かに途中でやめてきた。日本舞踊も、生け花も、比較的長く続けたが、徐々に気持ちが離れてしまった。私がヨガから得ている報酬は、何なのだろうか...。

子供が生まれる前も、ニ児のママとなった今も、生活環境が激変しても、せっせとヨガは続けている私。あらためて、この事実を見つめてみるとすごいことだ。初めてだが、考えてみた。書き出してみると、最初は、ウエアが可愛いとか、セレブや芸能人もやっているとか、表面的なことしか出てこず、自分に呆れたが、段々と見えてきたこともある。

・ホットヨガは、たくさん汗をかくので、スッキリ感・達成感が半端ない。
・継続すると、できなかったポーズができるようになる、柔軟性が高まったと分かる、自分の成長が実感できるのがとても嬉しい。

段々と見えてきた、この2つは、私が得ている報酬の本質に近い気がする。

会社員14年生。会社員という自分の成果と報酬が、シンプルには結びつきづらい働き方をしている私。社会人としてどれほど成長できているのか、不安になることも、私は、今の会社の外に出ても市場価値があるのだろうかと、不安になることも多い。

ママ5年生。思い通りにならない子供たち、自分の育児が正しいのか、成功しているのかよく分からない。成果や、答えの見えない育児と向き合い、悩み続ける私。ママとしてどれほど成長できているのか、子供にとって最善な環境を提供できているのか日々不安になることも多い。

ヨガは、私が日常生活で感じにくいけれど、私が心の底から欲している報酬をくれるのかもしれない。

その日、その瞬間、これだけ汗をかいたというシンプルな達成感。
1週間、半年、1年やる程に自分の身体が変わるという着実な成長の実感。

これが、私がヨガから得ている報酬の正体と分かった。

さぁ、皆さんが、今されている趣味や行動から、お金を自分が払ってでも得ている「報酬」はなんでしょうか。少し深掘りすると、また一つ違った自分の欲求が見えてくるかもしれません。

Nolla

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