📘️ Book Club：デザイナーとエンジニアの間のギャップを埋めるには？摩擦を減らすコラボレーションを再考しよう。

2021年11月21日 07:28

デザイナーとエンジニアの間のギャップを埋めるにはどうしたら良いのでしょうか？

伝統的なプロセスでは、前半部分はデザイナーだけが関与し、後半部分ではデベロッパーだけが関与していました。摩擦を減らすために一番大切なことは、プロセス全体を通してみんなが関与することです。

今回はDesign Better Podcastのエピソードをまとめさせていただきました。

デザイナーとエンジニアの間のギャップを埋め、摩擦を減らすにはどうしたら良いのでしょうか？アジャイル手法、創造的な技術者の役割のリスク、および最新のデザインシステムの考え方に関するいくつかの誤解を探ります。

スピーカーのBrad Frostは、Webデザイナー、スピーカー、ライター、コンサルタントです。彼は、効果的なデザインシステムを作成、およびそれを維持するための方法論を紹介する本Atomic Designの著者です。

スタイル・ガイド・ポッドキャストの共催に加えて、彼は、Pattern Lab、styleguides.io、スタイルガイドのガイド、This Is Responsive、Death to Bullshitなど、Webデザイナー向けのいくつかのツールとリソースの作成も支援しています。

Bradの友人でもあるDan Mall は、SuperFriendlyの創設者兼ディレクターです。彼はまた、SuperBookedの共同創設者兼CEOでもあります。 SuperBookedとは、あなたの身の回りの友人の助けを借りて、仕事を見つけるのに役立つネットワーキングサービスです。

二人はさまざまなワークフローを調査し、デザイナーがエンジニアリングおよびプロダクトの対応物とより効果的かつ効率的に連携する方法を紹介しています。また組織全体で主要なパートナーシップを構築することで、より優れた製品をより早く出荷する方法について説明しています。

このポッドキャストは、InVisionによって提供されます。

💡InVisionは、デジタルプロダクトのデザインと開発における包括的なコラボレーションのためのプラットフォームです。700万人以上がInVisionを使用して、反復可能で合理化された設計ワークフローを強化しています。これには、フォーチュン100の100％を含む、何万もの組織が含まれます。

デザインの落とし穴

デザインの落とし穴がある最大、かつ最も一般的な領域の1つは、多くのデザイナーがすべてを所有したいと思う傾向があることだと思われます。これは、この非常に『所有格の高い』デザインです。それは他の全ての人をただの従属者と断定する行為です。

私はプロジェクトの全体図を見ていて、デベロッパーは私がデザインしたもの、ビジョンを構築するだけであり、コピーライターは私のデザインの中のテキスト部分を埋めるだけです。

このような考え方はチームの働き方の文化に影響を与える傾向があります。

デザイナーとして働く上でのコラボレーションの第一線は、以下のことを自答してみることです。
→ 他の人に任せられるものは何か？
→ また、他の人を助けることはあるか？
→ あなたが所有すべきで、所有する必要があるものは何か？
→ あなたが所有したほうがいいものは何か？
→ そして他の誰かに頼ることができることは何か？

デベロッパーからの視点

デベロッパーの視点から見るコラボレーションの落とし穴

多くの場合、開発者は共同作業をしていません。そういった選択をしているのではなく、いつもプロセスはウォーターフォール・プロセスのように取られます。アジャイル・プロセスをとっているというかもしれませんが、デベロッパーの仕事はいつもデザインの後に始まります。

デベロッパーはデザインを手渡され、それを仕上げるだけです。また、問題が発生した場合も、黙って仕事を続けます。

デベロッパーはデザインプロセスの最初の方から参加するべきです。なぜなら彼らはメディアの機能と制限についてよりよく理解知っている傾向があるからです。デベロッパーは早く組み込まれるためにもっと懸命に戦う必要があると思います。また何が実行可能で、何が不可能かデザイナーに早めに伝えることもできますし、デベロッパーがプロセスの早い段階で作業を進めることができれば、すべての人にとってよりスムーズなプロセスを作成できます。しかし、多くの場合これは行われていません。

ですから、間違いなく目にする落とし穴の1つは、デベロッパーがデザインを手渡され、そのスペックをすべてクランクアウトするコードモンキーとしての役割を盲目的に受け入れているだけです。そして、それは対処する必要のある大きな問題だと思います。

トリッキーな言葉「アジャイル」

「アジャイル」はトリッキーな言葉です。多くの場合、ある人がアジャイルと言うとき、それは他の人にとってのアジャイルと全く違う可能性があります。

💡アジャイルとは『すばやい』『俊敏な』という意味で、反復 (イテレーション) と呼ばれる短い開発期間単位を採用することで、リスクを最小化しようとする開発手法の一つです。

あなたは、開発プロセスはアジャイルだというかもしれませんが、考えてみると私たちデザイナーのプロセスは、開発に至るまではウォーターフォール・プロセスです。そして、それは一番取り組む価値のあることです。

それにつながる理由の1つは、デベロッパーやエンジニアが小さなチャンクで物事に取り組むことに慣れていることだと思われます。

これは、カプセル化やモジュール化などの方法論などの優れた開発プロセスに組み込まれています。また、優れた開発手法に固有のものも含まれていると思います。デザイナーはその中で本当に良い言語や良い基盤を持っていないと言われています。

デザイナーは仕事を小さなチャンクに分割しよう

私たちがデザイナーと仕事をしているとき、最初に学ぶことの1つは、「どうすれば自分の仕事をより小さなチャンクに分割することができるのか」ということです。

多くのデザイナーは、彼らの仕事の典型的なペースは、全体を想像し、全体を計画することです。

全ページのコンポーネントをデザインし、すべてのボタンステータス、すべての画面を実行し、全体を把握しようとします。

例えば、デザイナーは一週間チームから離れて、全てのページをデザインし、１週間後にみんなに見せる。このようなプロセスはそれはアジャイルでは問題があります。

BradとDanはチームやクライアントに小さなチャンクを共有するように奨励しています。ラフでも全然大丈夫です。なぜなら、一週間離れると、その後発表するものには高い期待を持たれるからです。しかし、10分間の作業の後で何かを見せた場合、たった10分の価値があります。誰かに全体像を見たいっと言われたら、想像してもらうように頼んでみましょう。

したがって、アジャイルに関して言えば、最初のステップは、全体的かつ広範に作業する方法ではなく、より小さく作業する方法をデザイナーが理解することだと話します。

そして、デザイナーが今より小さいチャンクで働くことができれば、デベロッパーのカウンターパートと同じペースと同じリズムで働くことができ、それはある種の平等な競争の場を置きます。

このプロセスは、Amazonが行っているプロセスと同じです。Amazonは小さな断片をデザインし、開発します。Amazonの大規模な再デザインを実際に目にすることはありません。いるも小さな進化が進んでいるのがわかります。

しかし、これはデザインプロセスをある程度壊します。デザイナーはビジョンがどこに向かっているのかという感覚を持ちたいと思っている可能性があります。

そして、これはしばしば、デザイナーがアジャイルに対して持っている批判的な考え方です。それはイノベーションよりも漸進的であり、デザイナーはイノベーションについて過剰にインデックスを付けたいと考えています。

仕事を小さなチャンクに分割する考え方は、デザインプロセスをある程度壊します。ただ、このスタンスはそれが壊されるに値するということです。それとも、もう壊れてしまっていた可能性があります。それをさらに壊すことは価値があるとダンは話します。

一般的にデザイナーが対処しなければならないことは、「これがどのように見える必要があるかというビジョンを持っている」ことで、これは公正なアセスメントだと思われます。そしてデベロッパーは、それをどのように実装されるかついてビジョンを持っています。少しステレオタイプ化していますが、一般的に、デザイナーとデベロッパーはこれら2つのコンプに分類できると思います。

コラボレーション

アジャイルを備えた最大に懸念されていることは、アジャイルは自動的にコラボレーションに等しいという誤解があることです。アジャイルプロセスでは真の、誠実なコラボレーションと、分野を超えたコミュニケーションを心がけることが大切です。歴史的にデザインプロセスに参加していなかったメンバーをプロセス全体にフロントロードして、一緒にデザインを進めるように心がけましょう。それはとても重要なポイントです。

それは私たちが、サイロ化した状態で仕事をしています。例えばデザイナーがデザインしている間、デベロッパーはそれが終わるのを待ちます。その後、QAがビルドをテストします。

💡サイロ化（英：silos）とは、システムや業務プロセスなどが、他のアプリケーションや他事業部や部門との連携を持たずに自己完結して孤立してしまう状態のことをいいます。

このようなプロセスではなくて、プロセスのあらゆる部分に全員を配置する重要なポイントだと思います。そしてお互いに親密にコラボレーションを取ることが大切です。

例えば、QAを最初から取り入れることはとても大切です。なぜならプロセスの早い段階で彼らを巻き込むことで、細かいエッジケースなどを提供してくれるでしょう。彼らは、すべてのエッジケースで何が起こるかを理解しています。例えば「サインアップにサンプルで名前がとても長い場合はどうなるでしょうか？」「1行にうまく収まるようにするには、どんなルールを設定したら良いでしょうか？」このような問いかけをしてくれるでしょう。

デザイン・システムについて

デザイン・システムは、デザインの世界でホットなトピックです。しかし組織に実装しようとしている場合は、デザインチームと開発チームが連携しない限りデザインシステムを上手に活用することはできません。

アジャイルがデザインと開発の関係にどのように影響するか、創造的な技術者の役割がチームにもたらすもの、そしてデザインシステムがデザイナーとエンジニアの中間点になる方法についての考えを共有しています。

そして、ブラッド・フロストは、世界で最も有名なデザインシステムの専門家の1人です。デザインシステムについて世界中で講義し、多くのワークショップを行い、彼はまたフロントエンドエンジニアでもあります。彼は、デザインと開発が連携して効果的に連携すると、プロダクトは非常に驚くものになる可能性があると語っています。

まとめ

デザイナーとデベロッパのコラボレーションが進んでくると、どこまでがデザイナーあるいはデベロッパのカバーする部分なのか、わかりにくくなるという声もあります。チームメンバーによって異なり、例えばレンガ造りとモルタルという呼び方をされ、レンガ造りはスペシャリストと呼ばれ、逆にモルタルはジェネラリストと呼ばれ、さまざまな仕事を任されてもチャレンジできる人々です。

この二種類の人々は両方存在した方が良いと言われています。デザイナーもデータ処理や簡単なコード出力といった、本来ならデベロッパの作業領域である部分まで一部できる方々がいるように、デザイナーとデベロッパのコラボレーションは曖昧ですが、デザイナーはアジャイル・プロセスの中では、デベロッパーのように小さなチャンクで働くことを志すと、コラボレーションが改善していくようです。

私も、コラボレーションを円滑にするために、私も小さなチャンクで仕事をして見たいと思いました。そして作業中になるべくチーム全体で、みんなで一緒に仕事を進めていくように志たいと思います。

私も、色々勉強中なので、皆さまの、ご意見・ご感想をお聞かせください。お読み頂きまして、ありがとうございました。

メルボルンを拠点にプロダクトデザイナーとして働いています。主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。

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