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新規事業構想をオンラインのプラットフォームというカタチに ―良知樹園様―

はじめに

こんにちは。株式会社NOKIOO クライアントワーク事業部です。
Webサイトを起点としたマーケティングバリューサイクルのすべてのプロセスにおいて、お客様の課題を解決するマーケティングソリューションを提供しております。

この記事では、これまでにNOKIOOがお手伝いさせていただいた企業の実例をご紹介。
今回は良知樹園株式会社の良知正浩さん(代表取締役)、奥様のまやさん(経理・総務)にお話をお伺いし、これまでにNOKIOOが行ってきたWEBマーケティング支援について振り返らせていただきました。

良知樹園株式会社は1962年創業。
良知家は江戸時代からの農家でした。
初代の正雄さんは作った野菜を売り、その資金で植木を買い集め、植木屋さんをスタート。
次第に庭づくりも手がけるようになりました。
これが「良知樹園」の始まりです。

二代目の留雄さんは公園などの公共施設での緑化工事・土木工事に携わり、高度経済成長とともに事業を拡大。
2001年に三代目へ経営のバトンを託しました。

三代目は、現在代表を務める正浩さん。
庭を文化と捉え、「住まう人々が窓から見える緑を見て、少しでも心が和み、家族の会話が優しくなる一助になりたい」との思いで良知樹園を守り続けています。

昨年には植木の里親マッチングサービス「trees」をリリースしました。
「trees」は「リフォームなどで庭木を育てる場所がない」「家屋の解体で庭木を処分したい」などの理由があり木を譲りたいと考えている方と、「大きな木を庭に植栽したい」「施設や工場を緑化するために樹木を探している」といった方を繋ぐプラットフォームです。

NOKIOOではこの「trees」の開発に携わらせていただきました。

今回は


  1. 「trees」を開発するにあたっての背景と、良知樹園様が抱えていた課題

  2. NOKIOO クライアントワーク事業部が行った支援

  3. WEBマーケティング施策を実施してみての効果


についてお話しします。

1.「trees」を開発するにあたっての背景と、良知樹園様が抱えていた課題

SDGsという言葉がまだ社会に定着していないころ、よく見る雑誌の中で"サステナブルな未来"を体験できる施設があることを知った正浩さん。
森林の開発によって伐採を余儀なくされた木々を再利用する、といった環境に配慮した取り組みに感化されたと言います。
造園業とは、常に“木”とともにある仕事。
正浩さんは、地球の環境問題をとても身近なことに感じたそうです。

「造園業を営んでいる自分にできることって何だろう?」。
そう考えていたとき、正浩さんのもとへ「要らない植木があるから引き取ってほしい。引き取ってもらえないと、捨てるしかなくて...」という話が舞い込んできました。

「せっかく自分に話がきたのだから、どうにかしないと…」と植木を引き取ることにした正浩さん。
しかし、植木を引き取るにはネックがありました。
作業費や運搬費がかかるため、お客様から費用をいただく必要があったのです。

引き取りに費用がかかってしまうとなれば、お客様は引き取りに出すことを諦めてしまうのではないか。
せっかく立派に育った木々を次に活かせず、駄目にしてしまってはもったいない。

「何かビジネスに転換できるようなシステムがあれば、木々を有効的に活用できるのに」。
頭の中で考えを巡らせているときに浮かんだのが「植木を不要としている人から木を引き取って、必要としている人に譲渡するプラットフォーム」でした。

最初はチラシで集客をスタートしました。
しかし、うまくはいきませんでした。
「チラシだと(大切な木を無駄にしないために次の育て場所を見つけるという)世界観を正しく伝えきれず、自分たちが求めていた問い合わせが少なかったんです。逆に『タダで不要な木を持って行ってもらえるんでしょ?』というような問い合わせが多く少し困っていました」。

こういった課題感を抱えていたタイミングで出会ったのがNOKIOOでした。
「(NOKIOOと出会う前は)自分の構想をWEBを使って形にするとなると、膨大な費用と時間がかかってしまうと思っていました。
それに、コンサルティング会社なのかサイトの制作会社なのか、それともマーケティングの会社なのか、誰に頼めば良いのかがわからなかったので、なかなか自分たちから行動に移せていなかったんです」と正浩さん。

WEBを活用し良知樹園様の“想い”を正しく認知してもらうことで、内容にきちんと賛同したお客様にサービスを利用いただけるのではないか。
アナログな手法ではなくITを取り入れた仕組みを作ることで、幅広い地域の多くの方々にプラットフォームを利用いただけるのではないか。

ここから、植木を譲りたい人と必要としている人をマッチングさせるプラットフォーム「trees」をWEB上に構築することになりました。

2.NOKIOO クライアントワーク事業部が行った支援

NOKIOOが行ったのは、どういったプラットフォームを作っていくかの言語化と、ビジネスとして成り立たせるために必要とされる項目の整理。
そして、そのプラットフォームをWEBサイトに組み込み、正しく「trees」のコンセプトを伝え、認知を広げることでした。

ビジネスとして成り立たせるために必要とされる項目の整理

何度も打ち合わせを繰り返し、「歴史ある庭木を無駄にせず次世代へ繋げる」という良知樹園様の想いと「持続可能な社会の実現を目指して緑を守り豊かな自然を守る」という社会的責任をコンセプトとして言語化。
ビジネスとして成り立たせるために必要とされる項目としてはニーズの洗い出しを行いました。

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ニーズの例)
▼庭木を引き取ってほしいと考えている人のニーズ:
 ・庭木を「trees」で販売することで伐採費用を削減できる
▼新しく庭木を植樹したいと思っている人のニーズ:
 ・個人:庭木を育てる価値観と木々の物語に触れる楽しさを得られる
 ・法人:緑化活動として、大きな庭木をコストを抑えて調達できる
     社会貢献(CSR)に繋がるという
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WEBサイトの制作においては、ユーザーが「trees」のサイトに流入してからの行動フローを考証し、どのようにマッチングさせ、請求に繋げるかを大切にしました。

trees」のコンサプトをわかりやすく伝えられるように、木を譲渡したい方も探したい方も迷わないサイト設計を徹底しました。

また、どのようにして「trees」を多くの方々に知ってもらい利用してもらうのかという点において、リリース後のプロモーション設計にも注力。
SNSアカウントの運用や広告配信の提案を行いました。

trees」のファーストビュー
ロゴは親しみやすいテイストに。気軽に、肩肘張らずにに利用してほしいという思いが込められています。

良知樹園様とともに伴走し準備を進め、「構想はあるが、何から手をつければいいのかわからない、誰に何をお願いすればよいのかわからない」という状態から「trees」というプラットフォームを形にすることができました。

3.WEBマーケティング施策を実施してみての効果

プロモーション活動の結果、テレビニュースなどで取り上げられ、公開直後から庭木を譲渡したい方、探している方からの問い合わせが相次ぎました。
さらに、全国の同業者からは「コンセプトに共感した。『trees』に参画したい」との問い合わせも。

「このときに、WEBサイトがきちんとあり、オンライン上にプラットフォームがあってよかったと感じました。『こういう方に利用していただきたい』という思いがしっかりと伝わっているなという実感がありました」と正浩さん。
続けて「trees」の構築を振り返り、「経営者として頭の中にはいろんなアイデアがあるのですが、ただそれを言語化できなくて。NOKIOOさんは、そこを言語化した上で会社としてやるべきことはこれだ、というのを提示し、物事を進めてくれたなと思っています」と話します。

現在は東海地方を中心にサービスを展開しているが、今後は商圏をもう少し広げていく予定。
コンセプトのブラッシュアップをすることで、良知樹園様の想いをより深くお客様に届けます。

「『trees』を成長させていくためには、実際にやってみて、改善してと(PDCAの)サイクルを回していくことが重要。メンテナンスを繰り返して(クオリティを)ボトムアップさせて、という流れを作っていければいいなと考えています。楽しみでもあります。NOKIOOさんは『trees』を一緒に成長させていくパートナーだと思っています」。

インタビュアー|吉田遥那(yoshida haruna)
ライター|松下佳乃子(matsushita kanoko)


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