【書評】謎解きはディナーのあとで


●"謎解きはディナーのあとで"を読みました

今更ながら”謎解きはディナーのあとで(東川 篤哉)"を読みました。本屋大賞を受賞し、ドラマ化や映画化もされた人気作ですが、当時はそこまで興味なく、読んでいませんでした。最近Kindle Unlimitedでもビジネス書以外も読みたいと思い、小説のジャンルで探していたところに本書を見つけました。シリーズ全て対象になっていたこともあり、まとめて読むことができるという点も良いと思い、読んでみることにしました。


●感想

ジャンルとしてはミステリーであり、その中でも安楽椅子探偵というカテゴリーになります。これは探偵役が直接現場へ出向いて事件を解決するのではなく、事件とは全く関係ない場所で他人からの話を聞いて事件を解決へ導くというものです。安楽椅子探偵というカテゴリーは存在は知っていましたが、実際に小説として読むのは初めてで、興味深く読むことができました。

今作は、刑事でありながらもお金持ちのお嬢様という宝生麗子が事件に遭遇し、それを執事であり探偵役でもある影山に事件の話をすると、影山がその事件を解き明かす、というのが基本的な流れです。この二人の会話がコミカルで非常に面白く、飽きずに一気に読み進めることができました。本書は短編集であり、1つのストーリーは40~50ページほどで、それが6話(+おまけの1話)収録されています。そのため、テンポよく読めたのもよかったです。

また、お嬢様が執事に話をするというのもそこまで無理のない設定であり、実際にこういうことがありそうだと思わせてくるのも本書の特徴だと思います。執事の影山はあくまで第三者という立場であり、聞いた話を客観的に考察できます。主人公である麗子視点で話が進むということもあり、読者である私自身も麗子と同じ視点で事件を見ているのですが、そこにある思い込みで考えていた部分を影山が別の視点からの考察を加えることで、見えていなかった真実を提示していくのがとても面白かったです。

基本的には非常に面白いと感じたのですが、引っ掛かりを覚える点もあります。それは影山が事件を解き明かし、犯人がほぼ確定的になった段階で話が終わってしまい、結局その推理が正しかったのかどうかが曖昧であるからです。執事という立場では犯人を逮捕することはないため、それを上手く表現しているとも思いますが、影山の推理が真実だったのかを読者は知ることはできず、もしかしたら別の真実があるかもしれません。そしてページをめくると次からは別の事件の話に移ってしまうため、一旦は推理に納得するものの、明確な結論を得られないまま進んでいくのがもどかしかったです。

●まとめ

引っ掛かりを覚える箇所はあるものの、ミステリーとして気軽に読めるという点は非常に評価でき、1〜3までは一気に読み進めてしまいました。ミステリー小説を読むのは"嘘と栞のの季節(米澤穂信)"以来でしたが、十分楽しめる作品であり、賞を受賞したりメディア化されたりするのも納得です。今までは実写化された小説作品というものを避けてしまっていたのですが、今後は実写化されるに値する作品として評価されているという認識を持ち、気になった作品を読むということをしても良いと思いました。

●レッスン記録 2023年8月19日

【レッスン曲】
1:25のエチュード Op.60-25/M.カルカッシ
2:カプリス Op.20-7/L.レニャーニ

1: 25のエチュード Op.60-25/M.カルカッシ

テンポを早くしようと早いテンポの感覚を掴むためにYouTubeの演奏動画を聴いたところ、逆に早すぎてどう演奏すればいいのかわからなくなっていました。そこで、テンポは70くらいに抑えて確実に演奏できるようにする方向に切り替え、先生にもそれを伝えた上でレッスンを受けました。実際に演奏し、先生からも今のテンポで弾けるようになっていることを確認してもらうことができました。

そして、長かった25のエチュードもついに今回のレッスンで終了することとなりました!過去の記事を読む限り、2022年2 月からエチュードを始めたようだったので、一通り終えるまでに1年半かかったようです。より深い振り返りは別の記事で書く予定です。

次回からはブローウェルのシンプルエチュードを始める予定です。先生曰く、カルカッシの次はソル、その次にブローウェルかヴィラ=ロボスという順番なのだそうですが、私が現代曲の方が好みだということを踏まえ、先にブローウェルを進めることとなりました。先生の配慮に感謝しつつ、新たにエチュードに取り組んでいきます。

2: カプリス Op.20-7/L.レニャーニ

繰り返しが多い曲ということもあり、ゆっくりであれば一曲を通すこともそれなりにできるようになってきました。
しかし、繰り返しということで楽譜を注意深く見なくなってしまった結果、休符やアクセントが楽譜からずれている箇所が多く、メロディーも和音に埋もれてしまうなど慣れによる弊害も出てきてしまいました。今回のレッスンで気をつけるべき箇所を数箇所指摘してもらったので、次回のレッスンんむけてそこを重点的に練習していきます。




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