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 夏っていつからいつまで?

今年(2022年)は梅雨明けが全ての地域で6月中という異例な早さになっています。梅雨が明けると夏!と感じますよね。ということで今年は夏が6月にやってきました。

ところで夏っていつからいつまでなんでしょう?

オーソリティー(気象庁)

まず気象業界のオーソリティーである気象庁の定義から見てみましょう。

気象庁では季節予報として長期の予報を出していますが,その中で夏として定義しているのは6月~8月です。

つまり梅雨明け前からもう既に夏だということですね。衣替えで夏服になるのもだいたい6月からです。
しかしこれは少し我々の感覚と違うところがあります。夏服の期間でいうと8月末までではちょっと短すぎますし,6月よりも9月の方がよっぽど暑く感じます。

最高気温のデータ

1日の最高気温が25℃以上となった日のことを夏日と呼びます。ということは最高気温の平年値が25℃を超えた日が夏の始まり,下回った日が夏の終わりということになります。

それでは実際の最高気温の平年値のデータを見てみましょう。

まずは札幌から。

札幌 最高気温平年値

夏は7月15日から8月30日までということになりました。

次に東京。

夏は6月9日から9月26日まで

そして福岡。

夏は5月28日から10月5日

南国那覇は,

夏は4月24日から11月11日。夏が約半年!

僕は福岡県に住んでいますが,さすがに5月終わりに夏を実感することはないですね・・。最高気温で見た場合,30℃以上の真夏日の方が実感に近いかも知れません。

  • 札幌 なし

  • 東京 7月18日から8月28日

  • 福岡 7月3日から9月3日

  • 那覇 6月20日から9月21日

東京の真夏日の期間はだいたい学校の夏休み期間とも一致します。ただ,気温で見た場合の実感的夏の境界線は25℃と30℃の間にありそうです。

旧暦

「暦の上ではもう夏です」とか言ったりする太陰暦をもとにした旧暦で見てみましょう。

立夏は5月5日で,立秋が8月7日なので,夏は5月5日から8月6日までとなります。さすがにこれは早すぎですが,夏の気配が少しでもすればもう夏で,秋の気配を感じれば夏はおしまいということなのでしょう。
現代のように技術が発展していない時代,季節の準備は早めにしなければなりませんから,旧暦の方が合理的だったのかも知れません。

ところで旧暦と現在の暦とは1ヶ月くらい日付がずれるのですが,旧暦の6月から8月を現在の暦になおすと6月29日から9月25日に相当します。なんかこれが一番しっくりするような気がします。

生き物

人間は「甲子園の予選が始まったら夏」だとか「井上陽水の少年時代が流れてきたから夏は終わった」とか自分勝手に決めてしまいがちですが,生き物は素直です。
夏を代表する生き物はセミ,秋はとんぼということで,気象庁の生物気象観測のデータから「ニイニイゼミ初鳴き」「アキアカネ初見」を見てみましょう。ちなみにこれらの観測は2020年までで廃止されて現在は行われていません。

ニイニイゼミとアキアカネ両方の平年値が記載されている観測点のみを表にしています。
だいたいニイニイゼミは7月上旬くらい,アキアカネは9月下旬くらいでしょうか。これもだいたい感覚と一致しませんか?

夏の期間を決定

これまでの議論より夏の期間を決めましょう。

気象庁の言っている6~8月というのは旧暦時代の名残と理解。現在の暦にあてはめると6月29日から9月25日。これはセミと赤とんぼの活動開始のほぼ合致するため科学的合理性もある

万が一質問された時には,ドヤ顔で言ってみたいと思います。

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