齋藤典之 【農業×気象】合同会社ノーエン

農業とデータサイエンス・気象×データ分析。農産物は天の恵みですがその差配を気象データに…

齋藤典之 【農業×気象】合同会社ノーエン

農業とデータサイエンス・気象×データ分析。農産物は天の恵みですがその差配を気象データによって理解します。農業と気象のデータ分析を通じてレベルアップを実現。あとビールは好きです。 https://noh-en.com/ 気象予報士/エネルギー管理士 静岡県出身北九州市在住

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農業DX化のその先にあるもの

DXはデジタルトランスフォーメーションのことですね。「今までのやり方はアナログなのでデジタルへ脱却して行こう」、ということがアルファベット2文字で表されているわけです。 さてDXが成されるとどうなるでしょうか。僕はコアなアナログがもっともっとあぶり出されてくるのではないかと思っています。 近年でDX化の進展がものすごいのは、コミュニケーションの領域ではないでしょうか。携帯電話、スマートフォン、オンラインミーティング、対面で会わずともほとんどのやりとりができるようになってい

    • 農業にAIは必要か?

      AIの進歩がすさまじいです。有名なところではChatGPTでしょうか。既に利用している人も多いかもしれませんが、ほとんど違和感なく会話ができますし、物語も作れます。さらにプログラミングなんかもしてくれて、これが無料で利用できる。なんだか昭和の頃にイメージした21世紀が近づいてきているような気がします。 現に様々な産業分野にAIは使われているし、これからさらに拡大していくでしょう。それは人類にとって付き合いの長い、そして重要な農業という産業も例外ではないと思われるでしょうが、

      • 野菜ワールドカップ

        サッカーワールドカップの熱も既に過去のものとなっている感じがしますが、実は昨年末にもう一つのワールドカップが行われていたのです。その名も野菜ワールドカップ。W杯と銘打ちつつ、僕の弱小twitterアカウント上だけの世界ですが。 以前ビールのトーナメント表を作ったのと同じやり方で、野菜の市場流通データをクラスター分析しできた樹形図をもとにトーナメント表を作りました。できあがったトーナメント表は↓です。 このトーナメント表でtwitterのアンケート機能を使って、人気のある野

        • 野菜市場価格予測【2022年12月】

          野菜の2022年12月の月間平均単価を気象データをもとに予測します。品目は「ブロッコリー」,「レタス」・「キャベツ」・「ほうれんそう」・「なす」・「きゅうり」です。 ※1 過去(11月まで実績)と将来(12月の予報)の気象データを使用して機械的予測を行います。 ※2 予測する価格は農林水産省の発表する青果物卸売市場調査の主要卸売市場計の価格です。小売価格とは異なります。 ※3 予測するのは月平均値です。 ※11月下旬の実績集計結果は公開日現在では出ていません。 ①ブ

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        • 野菜市場価格の予測
          13本
        • 農産物卸売市場のデータ分析
          9本
        • 気象条件と農産物市場
          7本
        • 畑の気象データ測定
          12本

        記事

          野菜市場価格予測【2022年11月】

          野菜の2022年11月の月間平均単価を気象データをもとに予測します。品目は「ブロッコリー」,「レタス」・「キャベツ」・「ほうれんそう」・「なす」・「きゅうり」です。 ※1 過去(10月まで実績)と将来(11月の予報)の気象データを使用して機械的予測を行います。 ※2 予測する価格は農林水産省の発表する青果物卸売市場調査の主要卸売市場計の価格です。小売価格とは異なります。 ※3 予測するのは月平均値です。 ※10月下旬の実績集計結果は公開日現在では出ていません。 ①ブ

          リスキリング 何それ?美味しいの?

          北風と太陽のお話が好きです。みなさんご存知だと思いますが、旅人の上着を脱がすことを北風と太陽が競う話です。結果はもちろん太陽の勝利なのですが、なぜ北風は上着を脱がすことができるの思ったのでしょうか。常識的に考えて、寒ければ脱ぐわけないじゃんと思うわけです。 多分北風には成功体験があったのではないかと想像します。例えば木は冬を迎えて北風で葉を落とします。これを見て北風は「俺には相手を動かす力がある」と思うのです。 しかし実態は違います。北風を受けて寒くなってきたことを知った木

          リスキリング 何それ?美味しいの?

          野菜市場価格の予測 2022年10月

          野菜の2022年10月の月間平均単価を気象データをもとに予測します。品目は「ブロッコリー」,「レタス」・「キャベツ」・「ほうれんそう」・「なす」・「きゅうり」です。 ※1 過去(9月まで実績)と将来(10月の予報)の気象データを使用して機械的予測を行います。 ※2 予測する価格は農林水産省の発表する青果物卸売市場調査の主要卸売市場計の価格です。小売価格とは異なります。 ※3 予測するのは月平均値(図中の点)です。約7割の確率で入る範囲を変動範囲(図中の赤網掛け)として表

          果物はおしくらまんじゅうをしている

          NHKおかあさんといっしょで最近流れていた、「くだものたろう」という歌をご存知でしょうか?娘も僕も好きな歌なんですが、知らない方のために歌詞のあらすじを紹介すると、桃から生まれたももたろう以外に、苺から生まれたいちごたろうだとか、パイナップルから生まれたパイナップルたろうが集まって、鬼退治には行かずにおしくらまんじゅうをする歌です。 ところで、実際に果物はおしくらまんじゅうしているのではなかろうかと思います。1回の食卓で考えてみると、野菜は料理に複数種類が入っていることが多

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          SDGsについて思うこと

          Sustainable Developmentを初めて聞いたのは約20年前、土木工学科の学生の頃です。海外の建設事業は持続可能性についての視点を持って実施されているという紹介でした。内容の全てを覚えているわけではありませんが、建設とは作るだけではなく、作ったものが使われる時のことも十分考慮に入れなければならないことだと理解しました。 ここ数年、SDGsと言う言葉が市民権を得ています。皆さんご存知の通り、SDGsはSustainable Development Goalsの略

          勉強は道具をそろえるということ

          noteへの投稿が1か月ほど空いてしまいました。理由はアプリ製作の作業が立て込んでいたからです。完成したアプリがこちら。 農業生産者の感覚を気象データとともに可視化するアプリです。無料で利用できますので、興味のある方はぜひ使ってみてください。 さて、アプリ製作にはもちろんプログラミング言語を用いるのですが、これまではちょっとしたデータ処理に使うくらいで、他人に利用してもらうことを考慮した本格的なプログラミングはしたことがありませんでした。 苦労しながら製作したのですが、

          勉強は道具をそろえるということ

          野菜市場価格の予測 2022年9月

          野菜の2022年9月の月間平均単価を気象データをもとに予測します。品目は「ブロッコリー」,「レタス」・「キャベツ」・「ほうれんそう」・「なす」・「きゅうり」です。 ※1 過去(8月まで実績)と将来(9月の予報)の気象データを使用して機械的予測を行います。 ※2 予測する価格は農林水産省の発表する青果物卸売市場調査の主要卸売市場計の価格です。小売価格とは異なります。 ※3 予測するのは月平均値(図中の点)です。約7割の確率で入る範囲を変動範囲(図中の赤網掛け)として表示し

          マイベストビールを決める話

          ビールの大海を漂うもうすぐ3歳の娘がなぜなぜ期なんです。先日海に行ったときのなぜは「海ってなんでお水がいっぱいあるの?」でした。それと同じくらい根源的な疑問は「ビールってなんでこんなに種類があるの?」だと思います。 コーラはだいたいコカコーラがペプシ、スポーツドリンクはポカリかアクエリ、同じアルコールの日本酒やワインはたくさん種類はありますが、小さなこだわりブランドが乱立という雰囲気です。 しかしビールは大手メーカーが複数ブランドを出し、同じようなウエイトでCMを打ち、日

          野菜市場価格の予測 2022年8月

          野菜の2022年8月の月間平均単価を気象データをもとに予測します。品目は「ブロッコリー」,「レタス」・「キャベツ」・「ほうれんそう」・「なす」・「きゅうり」です。 ※1 過去(7月まで実績)と将来(8月の予報)の気象データを使用して機械的予測を行います。 ※2 予測する価格は農林水産省の発表する青果物卸売市場調査の主要卸売市場計の価格です。したがって小売価格とは異なります。 ※3 予測するのは月平均値(図中の点)です。約7割の確率で入る範囲を変動範囲(図中の赤網掛け)と

          農業は最先端産業である

          植物を製品とする製造業が農業です。製品を製造するためには原料を投入しなければなりませんが,幸いなことに植物は自らの主要な構成元素である炭素(C)を光合成により大気中の二酸化炭素から作り出すことができます。 しかし,生物の体は炭素のみでは出来上がりませんから,必要な元素は肥料として供給してあげなければなりません。その代表的な元素が窒素(N)・リン(P)・カリウム(K)です。 窒素は代表的タンパク質であるアミノ酸やDNA,RNAなど重要な細胞の構成要素の一つです。光合成の活性

          エダマメプロジェクト

          えだまめってビールに合うじゃないですか。なんでそんなにぴったりなんでしょうか?他にビールにあうおつまみというと,ソーセージとか,焼き鳥とか他にもイカとかどちらかというと動物系が思い浮かぶのですが,えだまめだけはどストレートの植物です。 とは言ええだまめは未成熟の大豆ですから畑の肉,動物系と同じくタンパク質が豊富です。そうか,ビールに合うのはタンパク質なのか!ということはプロテインをビールに溶かして飲めばOK? そういうことではありませんね。えだまめのさわやかな香りで夏の気

           夏っていつからいつまで?

          今年(2022年)は梅雨明けが全ての地域で6月中という異例な早さになっています。梅雨が明けると夏!と感じますよね。ということで今年は夏が6月にやってきました。 ところで夏っていつからいつまでなんでしょう? オーソリティー(気象庁) まず気象業界のオーソリティーである気象庁の定義から見てみましょう。 気象庁では季節予報として長期の予報を出していますが,その中で夏として定義しているのは6月~8月です。 つまり梅雨明け前からもう既に夏だということですね。衣替えで夏服になる