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ビジネスエリートになるための「教養としての投資」がヤバイ。


奥野一成さんの著書、ビジネスエリートになるための「教養としての投資」がヤバイ。これは良書中の良書で、正直、人に教えたくないレベルです。
投資に限らず、ビジネスパーソンに必要な教養が超濃厚に書かれていて、やる気スイッチが入りまくる一冊です。

■投資は知の総合格闘技

投資は知の総合格闘技です。投資で成功するには、ビジネスに必要な知識を総合的に高めていくしかありません。

資産運用における投資はした方がいい、投資はしない方がいい、投資は危険だ、結局お金持ちに搾取されるだけだ、など、いろいろな意見や考え方がありますが、投資はした方がいいと思います。

投資で資産を増やすことができるから。当たり前ですね。元本割れのリスクも当然ありますが、利回り数%を実現できる方法でもあるわけなのでやらないという考えは私には見当たりません。資産を増やすという取り組み以外に大事な考えが、ビジネスの素養を鍛えることができるという側面です。これは結構大事な視点ではないでしょうか。

短期トレード的に一喜一憂するのではなく、投資を通じてビジネスを学ぶことに意味があるというわけです。投資先のビジネスモデルを分析したり、儲けの源泉になっているものは何なのかを探っていったり、競合がいたとしたらどこが勝っているのか、などビジネスの素養を鍛えることができます。下記金言のように自分磨きです。

時間と少しばかりのお金を有効に配分して、自分という道具を磨き、自分よりも優秀な他人を働かせる。これが投資です。

投資をすることで、いろいろな企業のビジネスを学ぶチャンスになる、ビジネスそのものを学ぶという側面がかなり大きいですね。

財務諸表を見れるようになったり、興味のある企業のビジネスを分析したり、経営者の考えや各種メディアで発信している内容を分析したり、投資をする前ではやっていなかったことを学ぶようになっています。

投資をしながらビジネススキルも鍛えられる、こんな最高な自己投資はありません。

■労働者から資本家へ

投資をはじめるにあたり、労働者としての視点・マインドをやめて、資本家のマインドを持つ、つまり、自分が働くのではなく、他人に、自分より優秀な人に働いてもらうわけです。

現預金を用いて株式投資を行うのです。自分が働くのではなく、他人に働いてもらうのです。まさに資本家の発想です。自分が企業のオーナーになれば良いのです。そうすれば、自分自身が働けない年齢になったとしても、他の人が働いて収入をもたらしてくれる

会社で仕事している時は、経営者や上司といった他人に働かされているわけで、他人の時間や将来のために自分が働いている感覚があると思います。当然、自分のスキルアップやキャリアアップ、給与をもらうという目的はありますが。

投資では働かされるというマインドではなく、他人に働いてもらうというイメージになります。自分が働くわけではなく、自分より超優秀な人に働いてもらうという発想に転換して投資を行うわけです。

例えば、ソフトバンクグループに投資をすれば、自分はソフトバンクグループの株主になるわけです。そして、実際に働くのは、孫正義さん率いるソフトバンクグループの方々です。自分ではありません。

自分は働かず、自分より超優秀な人たちに働いてもらって収入を得ていくわけです。要は他人に働いてもらうという資本家的な発想を持つということが大事なポイントといえそうです。

コントロールできるのは自分の将来のみです。これに気づくことなく、自分自身ではどうしようもない境界の外にある余事に足を取られ、過去に引きずられ、他人に言われるままの人生を生きれば、相当の確率でとん挫します。たまたま成功したとしてもそれは自分の人生ではありません。人生は100年もあります。他人の人生を生きるのはまっぴら御免です。自分自身のオーナーになりましょう

ここで重要なのが、ただ単に自分より優秀だから、知っている会社だから、応援したくなる会社だから、などという理由では意味がないでしょう。

当たり前と言えますが、投資を検討している企業のことを知ること、売上利益の業績をしっかりと見ること、戦っている市場はどうなのか、競合と比べてシェアはどうなっているのか、ビジネスモデルはどうなっているかなど、一次情報を取りに行くクセをつけておく必要があります。

株式市場というのは投資家の心理戦の場と言われているのを聞いたことがありますが、心理戦の前に情報をしっかり身につけておかないと戦えるものも戦えないのです。

■投資の判断基準

情報を集めた後、投資をする企業をどうやって決めていくのか、投資の判断基準として奥野さんの言葉が参考になります。

「高い付加価値」
「高い参入障壁」
「長期潮流」

この3つの要素を持っている会社は、構造的に極めて強靭であり、この3つの要素が弱まらない限り、その株式を保有し続けられると考えていいでしょう。

「高い付加価値」とは、自分たちだけの利益ばかりを追っているのではなく、社会にとって価値があるのか、社会の課題を解決するプロダクトやサービスを提供しているかです。

「高い参入障壁」とは、今から参入しても絶対勝てない、勝負にもならないビジネスを展開しているかです。世界の炭酸飲料の半分程度のシェアをとっているコカ・コーラ。世界の情報が整理されていて、すぐに調べたいことを調べることができる検索エンジンを提供しているGoogleなど、他社が今から参入しても勝負が難しいビジネスを持っているかです。
ビジネスモデルがすごいのか、プロダクトがすごいのか、技術力がすごいのか、マーケティングがうまいのか、複数のポイントを見ていくといいでしょう。
奥野さんは特に参入障壁があるかないかを特に気にして企業を見ているようです。

ビジネスモデルを考えるうえで一番肝心なのは、いかに自分たちのビジネスの周りに高い参入障壁を築くかという点に尽きます。そこを疎かにしたことが、日本企業が利益を伸ばし続けられなかった原因だと思います。

大事なことは、儲かる仕組みがあって、その仕組みを他社に崩されることのない参入障壁を持っているかどうかという点に尽きるのです。

このように参入障壁について思いを巡らせると、つくづく経営は参入障壁をつくるゲームであると思えてきます。

参入障壁がある限りは長期保有が可能です。ただ定期的に企業や周辺の状況はチェックして、参入障壁が崩れている、無くなったという状態になったらのその銘柄は売るタイミングです。

「長期潮流」とは、長期的に利益を増幅し続けることができるかです。そのためには付加価値と参入障壁の高さが大事になってくると言えます。どんなにすごいプロダクトやサービスを現時点で展開していたとしても他社の参入によって利益の奪い合いが起きれば、もしかしたら市場を奪われて赤字に転落、買収されたり、倒産の道も考えられるわけで、長期投資には向かないといえます。

これら3つを参考に情報収集や分析を行い、投資を行っていくと良いかと思います。ただ、時代や環境によって変化するので、投資先の企業が、これからも社会の課題を解決していけるだけの価値があるのか、今は参入障壁が高いけど、将来を考えると崩れる可能性があるのではないかなど、日頃の情報収集は怠らない方が良いでしょう。


■終わりに〜仮説を持つこと〜

投資をする上での情報収集にテレビでコメントしている証券会社の方が言っていること、投資系YouTuberが言っていること、投資仲間が言っていること、いろんな情報をインプットすると思いますが、あくまで参考程度にするのがいいと思います。

一番大事になのは自分で考えることであって、他人の意見に左右されて動くのは勿体無いということです。自分で考えて、仮説を持って投資したけど、間違っていた失敗したのであれば、それを教訓に次の投資に活かせばいいのです。

また投資をする上でリスク分散をするなら、一気に全資金を投資に回すのではなく、複数回に分けて投資をしていくといいと思います。付加価値、参入障壁があると思っていたのに仮説が外れるケースもあるわけなので複数回の投資がおすすめです。

投資は資産運用だけではなくビジネス素養を鍛える自己投資です。なぜ最近このサービスが流行っているのか、なぜあの企業は潰れたのかなど、投資をはじめると今まで気にしていなかったことが気になるようになります。いろんな知識が付いたり、新しい発見があったりと、投資は成長を促進させるきっかけを作ってくれるものです。

投資対象を選別するうえで一番大事なのは、仮説を立てることです。利益が増え続けるうえで必要な参入障壁が何なのかを探るために、さまざまな数値を用いて現状を確認しつつ、仮説を組み立てていく。

投資しようと考えている会社は、どのような参入障壁を持っていて、その強度はどの程度なのかということを、常にさまざまな数字を見ながら考えています。

投資に興味がある人、始めたばかりの人、投資の考え方ややり方を見直したい人など、新しい発見や知識が盛り沢山です。かなりの良書と言えると思いますのでまだ読まれていない方は読んで損はないと思います。むしろプラスになると思います。


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