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映画「PERFECT DAYS」理想のようで現実だった

映画「PERFECT DAYS」アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされましたね!!
年をまたいでしまいましたが、昨年末鑑賞した感想を語らせていただきたいと思います。

東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山(役所広司)は、
静かに淡々とした日々を生きていた。
同じ時間に目覚め、同じように支度をし、同じように働いた。
その毎日は同じことの繰り返しに見えるかもしれないが、
同じ日は1日としてなく、
男は毎日を新しい日として生きていた。
その生き方は美しくすらあった。男は木々を愛していた。
木々がつくる木漏れ日に目を細めた。
そんな男の日々に思いがけない出来事がおきる。
それが男の過去を小さく揺らした。

公式サイトより

私は、鑑賞後とても満たされた気持ちで劇場を出ました。
本当に素晴らしかった。

繰り返される平山の毎日の中には、スマホもSNSもキャッシュレス決済もサブスクも存在しません。
古い自販機、カセットテープ、フィルムカメラ、銭湯、コインランドリー、行きつけのバー…
一定のリズムで平穏な生活をリアルに映し出しています。
デジタルに取りつかれ情報に追われる私たち現代人から見ると羨ましく、理想的な生活に思えます。
でも憧れるけど、スマホが手放せない自分には絶対に一生できないであろう生活。
リアルなのに、この世には存在しないのでは?とすら思える理想的な生活。そのギャップが美しかったです。

しかし、変わり映えしない毎日に見えても平山にとっては日常で、大小様々な変化が起こります。
トイレの隙間に挟まった○×ゲームの紙を見つけたり、恋愛にちょっと振り回されてみたり、事情がありそうな家族との過去だったり…
最初は、なんて素敵な生活なんだ~と思って見ていましたが、時間が経つにつれ、「ああ、この人も私と同じ人間なんだ、生きてれば色々あるよな~」と思いました。
最後の仕事に向かう車の中での長回しは圧巻でしたね。
役所広司さんの人間味が溢れ出すような表情演技、セリフ1個もないし何を考えてるかは平山にしかわからない。
でも、私はあのシーンを見て、幸せそうに見える人も何かしら悩みや後悔、不安などを抱えながら生きているんだ、結局みんな大変だけど頑張るしかないんだ、自分も頑張ろうと思いました。

平山の生活は本当に美しく憧れるものだったけど、決して人間の綺麗な部分だけを映し出してはいなかった。
人生いろいろあるよね、みんなで頑張ろうねってメッセージに思えました。
理想だけど身近にも感じられる構成と役所さんの演技、本当に本当に素晴らしかったです。

アカデミー賞取れると信じてます!!


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