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『君たちはどう生きるか』なんだか寂しい気持ちになった

スタジオジブリ宮崎駿監督最新作

『君たちはどう生きるか』

少し出遅れましたが鑑賞してきました。

※ネタバレあります


予告も宣伝もなしに公開されたこの作品、公開1週間で『千と千尋の神隠し』にも迫る勢いみたいですね。
私も内容が全く想像できないまま楽しみに映画館に向かいました。

私がこの作品から感じ取ったのは
宮崎駿の集大成でした。

・疎開先で不思議な塔に出会う
→『思い出のマーニー』みたい
・塔の中の雰囲気と不思議な生き物たち
→『千と千尋の神隠し』みたい
・トキエさん(名前が思い出せない)の家
→『借りぐらしのアリエッティ』
 『ハウルの動く城』みたい
・地獄の海
→『崖の上のポニョ』みたい
・大叔父がいる草原
→『ハウルの動く城』みたい
・ヒミのジャムパン
→『天空の城ラピュタ』のパズーみたい

メモ帳持って行けばよかった…と後悔するくらいジブリ要素が詰め込まれていてこれまでのジブリ作品を集めたような世界観で、目が幸せでした。

ストーリーは、正直に言うと一回では理解が及びませんでした。
ただ初見で私が印象に残ったのはやはり大叔父が眞人に「積み木を積み直せ」と言うシーンです。
老いた大叔父は宮崎駿監督自身を表しているのかなと思いました。

「私の世界はもうすぐ崩れてしまう」

「跡を継ぐ者が欲しい、時間がない」

「眞人に新しい世界を作って欲しい」

大叔父は眞人にこう話しますが、眞人は自分の時間に帰ると言い、大叔父が作った世界は崩れてしまいました。
私はこのシーンを見て、後継なんていない唯一無二の世界観を作り出す宮崎駿監督はこの作品で本当に引退してしまうのではないかと寂しくなりました。

またタイトル『君たちはどう生きるか』について、小説のほうは未読なのでなんとも言えませんが、私はこの作品そのものが宮崎駿の人生であり、作品を通して

「私は、こう生きてきた。」と示し、
「さあ、君たちはどう生きるか。」

と問いかけられているように感じました。

タイトルからも引退するのではないかという思いが強くなりエンドロールでポロポロ泣いてしまいました。
今回の作品の中で様々なジブリ作品を感じるたびに、それぞれに紐付いた自分の中の思い出が蘇り、きっとたくさんの日本人の心にそういう思い出や記憶があるだろうと思ったら、引退なさることが悲しくて寂しくてたまりませんでした。

本当に引退されるのか分かりませんが、この先何年でも引退詐欺はして欲しいしまた新作が見たいなと思いました。
パンフレットが発売されたら心して読もうと思います…

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