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映画『怪物』②作品が映し出す教育現場の問題点とは。

こんばんは。
今回は『怪物』レビュー第2弾です。
子役のお2人のシーンを中心にお話させていただきます。

※ネタバレありです

2人は小学5年生、きっと恋愛感情も性欲もちゃんと理解できていない年齢です。
だからこそお互いを必要とし共に時間を過ごしたいという純粋な気持ちが美しかったです。
私が特に度肝を抜かれたのは、星野くんに引っ越すことを告げられ、キスしそうな空気感だったシーンです。

きっと演じられていた子役のお2人も年齢的に恋愛もちゃんとわかってないだろうし、キスもしたことないんじゃないかなと思いましたが、あの空気感、緊張感出せるの本当にすごい。
あの年齢で「キスしそう」と観客に思わせる演技、素晴らしかったです。

ただ、2人の世界が美しいと同時に危険もはらんでいると思いました。
先程書いたキスしそうになった美しいシーンを裏返すと何もわかっていない小学生でも恋愛をしキスや性行為をする可能性があるということです。
2人の子どもたちも自分の感情や身体の変化に驚いている様子が描かれていました。
ここで問題なのはこのような可能性がある小学6年生が「何もわかっていない」ところです。

作中でもそうでしたが小学6年生にもなれば今の時代スマホやパソコンを持ち、正誤関わらずいくらでも情報は入ってくるでしょう。
しかし今の日本社会、正しい知識を教えてくれる人は子どもたちの周りにどれくらいいるでしょうか。

私は「小学生でそんなことをするべきではない、してはならない」と叱るのではなく、「相手の尊厳を守ること、性行為の先にあるリスクと責任」を教えるべきだと思うのです。
人間だから成長するにつれて恋愛感情や性欲が出るのは当然のこと。
それを社会で生きていく上でどうコントロールしていくかを今よりもっと早い段階で子どもたちに理解させるべきだと思います。


この作品は日本の教育現場の問題を考えるきっかけになるのではないかと思いました。
ストーリーも題材も良質な作品でした🙆🏻‍♀️

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